前日トムラウシ山短縮ルートから入山し、花と景色を楽しみながら12時間かけてヒサゴ沼に到着し、テントを張った。夕方雨が降ったものの1時間ほどで上がり、夜は空に星が輝いた。さて、この日はいかにして、どこまで歩くか?予定はほぼ未定、全ては天候にかかっている。
7月17日(2日目)
朝4時半に目を覚まし食事をとる。そして外に出てみると、雲ひとつない快晴の青空が広がる。さっそくカメラと三脚を取り出してヒサゴ沼と沼に映る山と雪渓を撮る。なんと美しい朝なのだろうか。今日は遠くまで歩くのを止めてお花畑周辺をぶらぶらして撮影に没頭することに決めた。歩かないので植田さんとは別行動にしてもらうことにした。
朝のヒサゴ沼
ヒサゴ沼南東側
雪渓と山を映すヒサゴ沼
一通りヒサゴ沼周辺の景色を撮り、5時40分、他のグループに一足遅れて出発する。まずは化雲岳に向けての雪渓登りだ。大きな雪渓が1時間ほど続くが、こちらは撮影モードで三脚を手に持ちながら、あちらこちらで撮影しながら登る。
ヒサゴ沼雪渓と朝日
彼方に浮かぶニペソツ山
遥かに続く雪渓
雪渓上部から望むトムラウシ山
雪渓が終わると今度は両側にお花畑が広がる木道の道となる。一足遅く出発したのが良かったようで、あまり人に出会うこと無く存分に撮影が楽しめた。
化雲岳に至る木道とお花畑
木道脇に咲いたエゾノハクサンイチゲ
エゾノハクサンイチゲのお花畑
エゾコザクラ。後ろの白い花はキバナシャクナゲ。
エゾノツガザクラとトムラウシ山
自然に出来たチングルマの花壇
チングルマとトムラウシ山
化雲岳山頂付近のヨツバシオガマ
化雲岳山頂
7時半、化雲岳山頂に到着。この頃にはもう既にトムラウシ山には雲が巻き始めていた。陽が昇り気温が上がり、どうやら朝の天気はそう長い時間持ってくれそうに無い。山頂でブラブラしていると三脚を担いだ青年が登って来た。雲が湧きあがって来たので撮影を急いでいるようだったが声をかけると、地元の写真愛好家で私と似て夜中に星空を撮ったり景色や花、さらにヒグマやナキウサギ、野鳥なども撮影されているかなりハイレベルな方だった。持っているカメラもEos5D markⅢ、かつティルトレンズというほとんどマニアしか使わないレンズを使用していた。撮影場所や花情報、さらには明日の天気予報まで携帯電話のワンセグで調べてもらって教えていただき、すっかりお世話になってしまった。なんとなく私と同じような匂いがして楽しかった。化雲岳先にある広大なチングルマのお花畑を案内してもらい、そこで別れて私は先に進んだ。
広大なチングルマのお花畑とトムラウシ山
こちらは大雪山側。(旭岳はギリギリで写っていない)
エゾノツガザクラのお花畑
化雲岳の先を下って行くと下に沼地が見え出し、木道が通っていた。その湿原の周辺は凄いお花畑になっており、そこには今回の北海道遠征で是非見たかったホソバウルップソウの群落があった。もう時期が遅いと聞いていたのだが、場所によってはちょうど見頃のところもあって、この場所で完全に足が止まった。
沼地周辺に広がるエゾノハクサンイチゲとホソバウルップソウのお花畑
ホソバウルップソウとエゾノハクサンイチゲ
ホソバウルップソウ群落。黄色い花はチシマノキンバイソウ。
ホソバウルップソウ。八ヶ岳のウルップソウとは全く別物に見える。咲いている環境も八ヶ岳は乾燥した砂礫帯の中に咲くのに、こちらは湿原の周辺を好んで咲いている。
クモマユキノシタの群落
ヨツバシオガマともう終焉のホソバウルップソウ
リシリリンドウ
こちらはミヤマリンドウ。上との違いわかりますか?こちらは大きな花びら(裂片)の間にある小さな花びら(副片)が外に開くのに対して、上のリシリリンドウは開かずに花の中心部を塞ぐように付きます。
またもや黄色いスミレ発見。この葉っぱはジンヨウキスミレ。後に出会ったプロガイドさんに聞いたところ、大雪山では普通に咲いているらしい。
ここまでで既にあたりには霧が巻いてしまい写真撮影には不向きな状況となってしまった。植田さんはどこまで行ったやら??とりあえずはその先の五色岳まで行ってみることにする。五色岳周辺はハイマツにおおわれていて花は咲いていなかった。11時過ぎ、五色岳到着するが、当然の如く植田さんはいない。さて、どうしましょうか?ひとまずは山頂で休憩する。
ハイマツの切れ目から見る五色岳
五色岳山頂
ガスが巻いて視界が悪く、五色ヶ原に行くのは止めてヒサゴ沼に戻ることにした。下山し始めようとした時に、何故か歩いて来た化雲岳側のルートから植田さんが現れた。どうしたことかと思ったら、ルートを間違って天人峡側ルートに入ってしまい、途中で会ったプロガイドさんと話をしていて間違えたことに気付いたらしい。ということで無事に合流し、ヒサゴ沼に戻ることになる。
化雲岳に至る木道の道
化雲岳山頂付近に咲いていたエゾルリソウ。先ほどのカメラマンに教えていただいた。
エゾコザクラのお花畑
化雲岳を過ぎてヒサゴ沼雪渓にさしかかったところで2人組の登山者が霧の中を雪渓から戻って来た。視界が利かず雪渓の上の足跡も不明瞭で戻って来たそうだ。私は朝登って来ているので行けるだろうと思い、2人を先導して歩くことにした。目印の岩を過ぎて足跡らしきものをたどって真直ぐに雪渓の斜面を下る。視界はほとんど10mほどしか利かず、途中で右に曲がるはずだったのでそれらしきところを右に曲がって進んだところ、その先の雪渓は籔で寸断されていた。どうやら間違えたようだ。少し戻ると、私たちの足跡をたどって後ろから3人組のパーティーが付いて来ていた。7人で地図とコンパスを広げてルートを探るが、まとまらず、ひとまずは引き返そうということになった。そして少し戻ったところで今度は5人組のパーティーが我らの足跡をたどって下りてきた。そのうちの一人は救世主、地元のプロガイドさんだった。我々の足跡をたどりながら、これは間違っているのではないかと思っていたようだ。ガイドさんたちのグループの後ろについて藪を左側にひとつ回り込むと、その先に露出した登山道の階段があった。その先の雪渓を下り、無事にヒサゴ沼避難小屋にたどり着くことができた。プロガイドさんの凄さを改めて知った。そしてルートの情報や花の情報もいただいた。
霧が晴れた時にヒサゴ沼から見上げる雪渓。下りるはずだった一番下の雪渓のすぐ上にある雪渓に迷い込んだらしい。
時間はまだ午後2時を少し回ったところだったが、この日はもう歩くことを止めてテントの中でおとなしく過ごした。霧が晴れた時に道に迷った雪渓を見上げてみると、下りるはずだった雪渓の上にもう1本大きな雪渓の帯があった。曲がるところの高度を間違えたようだ。自分の感などあてにならないものだと思った。
さて、翌日はテント撤収して下山だ。あまり悪くはならないとの天気予報だが、山の天気はわからない。もし悪天候ならばトムラウシ山山頂は登らずに迂回して下山するつもりである。
7月17日(2日目)
朝4時半に目を覚まし食事をとる。そして外に出てみると、雲ひとつない快晴の青空が広がる。さっそくカメラと三脚を取り出してヒサゴ沼と沼に映る山と雪渓を撮る。なんと美しい朝なのだろうか。今日は遠くまで歩くのを止めてお花畑周辺をぶらぶらして撮影に没頭することに決めた。歩かないので植田さんとは別行動にしてもらうことにした。
朝のヒサゴ沼
ヒサゴ沼南東側
雪渓と山を映すヒサゴ沼
一通りヒサゴ沼周辺の景色を撮り、5時40分、他のグループに一足遅れて出発する。まずは化雲岳に向けての雪渓登りだ。大きな雪渓が1時間ほど続くが、こちらは撮影モードで三脚を手に持ちながら、あちらこちらで撮影しながら登る。
ヒサゴ沼雪渓と朝日
彼方に浮かぶニペソツ山
遥かに続く雪渓
雪渓上部から望むトムラウシ山
雪渓が終わると今度は両側にお花畑が広がる木道の道となる。一足遅く出発したのが良かったようで、あまり人に出会うこと無く存分に撮影が楽しめた。
化雲岳に至る木道とお花畑
木道脇に咲いたエゾノハクサンイチゲ
エゾノハクサンイチゲのお花畑
エゾコザクラ。後ろの白い花はキバナシャクナゲ。
エゾノツガザクラとトムラウシ山
自然に出来たチングルマの花壇
チングルマとトムラウシ山
化雲岳山頂付近のヨツバシオガマ
化雲岳山頂
7時半、化雲岳山頂に到着。この頃にはもう既にトムラウシ山には雲が巻き始めていた。陽が昇り気温が上がり、どうやら朝の天気はそう長い時間持ってくれそうに無い。山頂でブラブラしていると三脚を担いだ青年が登って来た。雲が湧きあがって来たので撮影を急いでいるようだったが声をかけると、地元の写真愛好家で私と似て夜中に星空を撮ったり景色や花、さらにヒグマやナキウサギ、野鳥なども撮影されているかなりハイレベルな方だった。持っているカメラもEos5D markⅢ、かつティルトレンズというほとんどマニアしか使わないレンズを使用していた。撮影場所や花情報、さらには明日の天気予報まで携帯電話のワンセグで調べてもらって教えていただき、すっかりお世話になってしまった。なんとなく私と同じような匂いがして楽しかった。化雲岳先にある広大なチングルマのお花畑を案内してもらい、そこで別れて私は先に進んだ。
広大なチングルマのお花畑とトムラウシ山
こちらは大雪山側。(旭岳はギリギリで写っていない)
エゾノツガザクラのお花畑
化雲岳の先を下って行くと下に沼地が見え出し、木道が通っていた。その湿原の周辺は凄いお花畑になっており、そこには今回の北海道遠征で是非見たかったホソバウルップソウの群落があった。もう時期が遅いと聞いていたのだが、場所によってはちょうど見頃のところもあって、この場所で完全に足が止まった。
沼地周辺に広がるエゾノハクサンイチゲとホソバウルップソウのお花畑
ホソバウルップソウとエゾノハクサンイチゲ
ホソバウルップソウ群落。黄色い花はチシマノキンバイソウ。
ホソバウルップソウ。八ヶ岳のウルップソウとは全く別物に見える。咲いている環境も八ヶ岳は乾燥した砂礫帯の中に咲くのに、こちらは湿原の周辺を好んで咲いている。
クモマユキノシタの群落
ヨツバシオガマともう終焉のホソバウルップソウ
リシリリンドウ
こちらはミヤマリンドウ。上との違いわかりますか?こちらは大きな花びら(裂片)の間にある小さな花びら(副片)が外に開くのに対して、上のリシリリンドウは開かずに花の中心部を塞ぐように付きます。
またもや黄色いスミレ発見。この葉っぱはジンヨウキスミレ。後に出会ったプロガイドさんに聞いたところ、大雪山では普通に咲いているらしい。
ここまでで既にあたりには霧が巻いてしまい写真撮影には不向きな状況となってしまった。植田さんはどこまで行ったやら??とりあえずはその先の五色岳まで行ってみることにする。五色岳周辺はハイマツにおおわれていて花は咲いていなかった。11時過ぎ、五色岳到着するが、当然の如く植田さんはいない。さて、どうしましょうか?ひとまずは山頂で休憩する。
ハイマツの切れ目から見る五色岳
五色岳山頂
ガスが巻いて視界が悪く、五色ヶ原に行くのは止めてヒサゴ沼に戻ることにした。下山し始めようとした時に、何故か歩いて来た化雲岳側のルートから植田さんが現れた。どうしたことかと思ったら、ルートを間違って天人峡側ルートに入ってしまい、途中で会ったプロガイドさんと話をしていて間違えたことに気付いたらしい。ということで無事に合流し、ヒサゴ沼に戻ることになる。
化雲岳に至る木道の道
化雲岳山頂付近に咲いていたエゾルリソウ。先ほどのカメラマンに教えていただいた。
エゾコザクラのお花畑
化雲岳を過ぎてヒサゴ沼雪渓にさしかかったところで2人組の登山者が霧の中を雪渓から戻って来た。視界が利かず雪渓の上の足跡も不明瞭で戻って来たそうだ。私は朝登って来ているので行けるだろうと思い、2人を先導して歩くことにした。目印の岩を過ぎて足跡らしきものをたどって真直ぐに雪渓の斜面を下る。視界はほとんど10mほどしか利かず、途中で右に曲がるはずだったのでそれらしきところを右に曲がって進んだところ、その先の雪渓は籔で寸断されていた。どうやら間違えたようだ。少し戻ると、私たちの足跡をたどって後ろから3人組のパーティーが付いて来ていた。7人で地図とコンパスを広げてルートを探るが、まとまらず、ひとまずは引き返そうということになった。そして少し戻ったところで今度は5人組のパーティーが我らの足跡をたどって下りてきた。そのうちの一人は救世主、地元のプロガイドさんだった。我々の足跡をたどりながら、これは間違っているのではないかと思っていたようだ。ガイドさんたちのグループの後ろについて藪を左側にひとつ回り込むと、その先に露出した登山道の階段があった。その先の雪渓を下り、無事にヒサゴ沼避難小屋にたどり着くことができた。プロガイドさんの凄さを改めて知った。そしてルートの情報や花の情報もいただいた。
霧が晴れた時にヒサゴ沼から見上げる雪渓。下りるはずだった一番下の雪渓のすぐ上にある雪渓に迷い込んだらしい。
時間はまだ午後2時を少し回ったところだったが、この日はもう歩くことを止めてテントの中でおとなしく過ごした。霧が晴れた時に道に迷った雪渓を見上げてみると、下りるはずだった雪渓の上にもう1本大きな雪渓の帯があった。曲がるところの高度を間違えたようだ。自分の感などあてにならないものだと思った。
さて、翌日はテント撤収して下山だ。あまり悪くはならないとの天気予報だが、山の天気はわからない。もし悪天候ならばトムラウシ山山頂は登らずに迂回して下山するつもりである。