朝4時過ぎに夕張岳ヒュッテを出発し、樹林帯の中をみちほさんとともに探しまわって見つけたのはノビネチドリ、ミヤマチドリ、コイチヤクソウなどだが、これらは夕張岳の特産種では無い。前岳湿原入り口に到着したのは午前8時半、ここまで4時間以上もかかっている。そして、この湿原から山頂に至るまでのルートが夕張岳の特産種が咲くハイライトコースだ。
前原湿原入り口
いきなり特産種が見つかるわけではないが、この湿原のどこかにユウパリコザクラが咲いているらしい。白いウサギギクがあるという話も聞いた。探しながら木道の道を進む。
ウサギギクとガマ岩。白花は見つからず。
ムカゴトラノオ
何これ??帰って来てから調べてみると、これはハクセンナズナ。
イワイチョウの大群落。しかし花は咲いておらず、鹿に食べられたような跡があった。
笹原の向こうに夕張岳。
シロウマアサツキ。蕾のものが多く、やっと咲いているのを見つけたと思ったら、その先にはどっさり。
トウゲブキ
短い草の生える湿地帯の中で、ピンク色の花がポツポツと咲いているのを発見した。これこそが夕張岳の特産種、ユウパリコザクラだ。しかし、咲いている場所が遠く、持って行ったレンズでは焦点距離が短く追い切れない。かつ、手持ちで撮るのでブレが生じて鮮明な画像を得るのは難しい。三脚を忘れたのがやはり痛かった。
ユウパリコザクラが咲く湿原。この視野で4株咲いているが見えますか?
撮影して来た画像をトリーミングしたもの。さすがに葉っぱまでは見えない。
その先の湿原にはウサギギクがたくさん、そしてさらに圧巻だったのは見渡す限り湿原をおおうシロウマアサツキの大群落。今まで撮って来たのは何だったのかと笑ってしまうほどの大群落が広がっていた。
ウサギギクの群落
シロウマアサツキがたくさん。
見渡す限りシロウマアサツキ。笑っちゃうほどたくさんあります。
さらに進むと、やや急傾斜を登ってこの山の核心部、蛇紋岩の砂礫帯に出る。ここにはこの山の代名詞ともいうべき花、ユウバリソウが咲いている。しかし、残念ながら時期が既に遅く、穂は残っているものの白い花は散って茶色くなってしまっていた。
ユウバリソウ。もう時期が遅く終わってしまっている。
ユウバリソウとユキバヒゴタイ。このユキバヒゴタイも簡単に見られる代物では無い。
ユウバリソウとともにこの場所で是非見たいと思っていたもの、いや、今回この山でいちばん見たかった花がシソバキスミレという夕張岳の特産種だった。葉っぱだけでも残っていないかと探したのだがとうとう見つけることは出来なかった。撮影して来た画像を拡大して調べたがやはりシソバキスミレは見つからなかったが、クモマユキノシタに紛れて、もう1種類、まだ見たことの無いスミレの葉を発見した。
クモマユキノシタ
上記画像の左端をトリーミング。タカネスミレのような円い葉っぱ、これは北海道に特産するエゾタカネスミレの葉。
蛇紋岩の砂礫帯を過ぎて最後の急登をさらに登ると、その先には神社があり周辺はミヤマアズマギクやミヤマリンドウが咲く小さなお花畑になっていた。そこから山頂まではわずかだ。
夕張岳神社と夕張岳山頂
ミヤマアズマギクのお花畑
ミヤマオグルマ。これも北海道の限られた山でしか見られない。茎や葉に白いクモ毛が多く、全体が白っぽく見えるのが特徴。
夕張岳山頂。後ろに見えるのは芦別岳。
山頂で記念撮影。三脚忘れたので、ザックの上にカメラを置いて撮影。
10時40分、夕張岳山頂に到着。花を見ながら登り7時間と見ていたので、予定よりも若干早く到着した。山頂で昼食をとる。夕張岳ヒュッテで出会った人たちとは別の調査隊の人たちがやって来て、情報を得ることができた。この山もやはり鹿の食害でだいぶ痛めつけられているようだ。
昼食後下山開始する。湿原の中はやはり名残惜しく、帰りもいろいろと撮影しながら戻ったが、樹林帯に入るとあとは下るだけ。ただ黙々と下ったという感じだった。樹林帯の中にまだ見たことの無い稀少なランがあるという情報をいただいたが、とうとう見つけることはできなかった。午後3時、夕張岳ヒュッテに到着する。
山頂からの下りで歩いてきた方向を望む。ずいぶん遠くまで来たもんだ。右手の白い砂礫地がユウバリソウやシソバキスミレが咲く場所。
トウゲブキとシロウマアサツキのお花畑
ムシトリスミレは湿地帯にたくさん咲いていた。
やっぱり気になるこの黄色いスミレ。
さて、テント撤収し、また長い林道を歩いてゲートまで戻る。調査隊の車が乗せて行ってくれないかという甘い期待もあったが、満席で林道を歩いていた私たちをあっさり追い抜いて行った。しかし、最後の最後で、林道を歩いたご褒美が待っていた。キソチドリらしき花が咲いていたその向こう側を覗いていたみちほさんが突然「あーっ」という大声を上げた。何事かと思ったらその先には・・・クモキリソウが固まって10株ほど咲いているではないか。感激!!林道歩きの疲れも吹き飛んだ。そしてここで初めて、三脚を使うことになる。
クモキリソウの群生
クモキリソウ
この不思議な花の形。感激だ。
午後6時、ゲートに到着する。車はもう数台しか止まっていない。やはり疲れた。林道を車で走っていると、道の真ん中で犬が座り込んでいる。クラクションを鳴らしても逃げる気配が無い。良く見れば、犬では無くてキツネではないか。ずいぶん人慣れしている。足に怪我を負っているようで、通る車の人に餌をねだっているようだ。可哀そうだが餌付けするわけには行かず、追っ払って道を進む。
道の真ん中に座り込んでいたキツネ
人なつこくて可愛いが、餌はやれないよ。
夕張で日帰り温泉につかり、そこで夕食をとる。時間は夜の8時半になってしまった。みちほさんはこれから層雲峡まで移動して車内泊、明日黒岳とお鉢めぐりをした後にフェリーに乗って帰宅するそうだ。我々はどうするか、連休中日だけに宿がとれるのかどうか?夕張市内のホテルに電話してみると、1件目であっさりと宿をとれた。夕張温泉シューパロ、夕張駅の近くのホテルだった。なかなか良いホテルだったが、洗濯と乾燥器にかけるだけで精一杯。速攻で眠りに着いてしまった。
夕張岳ヒュッテへの道はいずれ修理して再開するという話だった。それなりの花は見ることができたのだが、シソバキスミレが見られなかったのはかなり心残りだ。そして三脚を忘れて、きっちり撮影出来ていないこと。機会があったらもう一度この山を訪れてみたい。
(翌日はトムラウシ温泉に移動してテント泊、そして翌々日からヒサゴ沼2泊でトムラウシ山界隈に登る)
前原湿原入り口
いきなり特産種が見つかるわけではないが、この湿原のどこかにユウパリコザクラが咲いているらしい。白いウサギギクがあるという話も聞いた。探しながら木道の道を進む。
ウサギギクとガマ岩。白花は見つからず。
ムカゴトラノオ
何これ??帰って来てから調べてみると、これはハクセンナズナ。
イワイチョウの大群落。しかし花は咲いておらず、鹿に食べられたような跡があった。
笹原の向こうに夕張岳。
シロウマアサツキ。蕾のものが多く、やっと咲いているのを見つけたと思ったら、その先にはどっさり。
トウゲブキ
短い草の生える湿地帯の中で、ピンク色の花がポツポツと咲いているのを発見した。これこそが夕張岳の特産種、ユウパリコザクラだ。しかし、咲いている場所が遠く、持って行ったレンズでは焦点距離が短く追い切れない。かつ、手持ちで撮るのでブレが生じて鮮明な画像を得るのは難しい。三脚を忘れたのがやはり痛かった。
ユウパリコザクラが咲く湿原。この視野で4株咲いているが見えますか?
撮影して来た画像をトリーミングしたもの。さすがに葉っぱまでは見えない。
その先の湿原にはウサギギクがたくさん、そしてさらに圧巻だったのは見渡す限り湿原をおおうシロウマアサツキの大群落。今まで撮って来たのは何だったのかと笑ってしまうほどの大群落が広がっていた。
ウサギギクの群落
シロウマアサツキがたくさん。
見渡す限りシロウマアサツキ。笑っちゃうほどたくさんあります。
さらに進むと、やや急傾斜を登ってこの山の核心部、蛇紋岩の砂礫帯に出る。ここにはこの山の代名詞ともいうべき花、ユウバリソウが咲いている。しかし、残念ながら時期が既に遅く、穂は残っているものの白い花は散って茶色くなってしまっていた。
ユウバリソウ。もう時期が遅く終わってしまっている。
ユウバリソウとユキバヒゴタイ。このユキバヒゴタイも簡単に見られる代物では無い。
ユウバリソウとともにこの場所で是非見たいと思っていたもの、いや、今回この山でいちばん見たかった花がシソバキスミレという夕張岳の特産種だった。葉っぱだけでも残っていないかと探したのだがとうとう見つけることは出来なかった。撮影して来た画像を拡大して調べたがやはりシソバキスミレは見つからなかったが、クモマユキノシタに紛れて、もう1種類、まだ見たことの無いスミレの葉を発見した。
クモマユキノシタ
上記画像の左端をトリーミング。タカネスミレのような円い葉っぱ、これは北海道に特産するエゾタカネスミレの葉。
蛇紋岩の砂礫帯を過ぎて最後の急登をさらに登ると、その先には神社があり周辺はミヤマアズマギクやミヤマリンドウが咲く小さなお花畑になっていた。そこから山頂まではわずかだ。
夕張岳神社と夕張岳山頂
ミヤマアズマギクのお花畑
ミヤマオグルマ。これも北海道の限られた山でしか見られない。茎や葉に白いクモ毛が多く、全体が白っぽく見えるのが特徴。
夕張岳山頂。後ろに見えるのは芦別岳。
山頂で記念撮影。三脚忘れたので、ザックの上にカメラを置いて撮影。
10時40分、夕張岳山頂に到着。花を見ながら登り7時間と見ていたので、予定よりも若干早く到着した。山頂で昼食をとる。夕張岳ヒュッテで出会った人たちとは別の調査隊の人たちがやって来て、情報を得ることができた。この山もやはり鹿の食害でだいぶ痛めつけられているようだ。
昼食後下山開始する。湿原の中はやはり名残惜しく、帰りもいろいろと撮影しながら戻ったが、樹林帯に入るとあとは下るだけ。ただ黙々と下ったという感じだった。樹林帯の中にまだ見たことの無い稀少なランがあるという情報をいただいたが、とうとう見つけることはできなかった。午後3時、夕張岳ヒュッテに到着する。
山頂からの下りで歩いてきた方向を望む。ずいぶん遠くまで来たもんだ。右手の白い砂礫地がユウバリソウやシソバキスミレが咲く場所。
トウゲブキとシロウマアサツキのお花畑
ムシトリスミレは湿地帯にたくさん咲いていた。
やっぱり気になるこの黄色いスミレ。
さて、テント撤収し、また長い林道を歩いてゲートまで戻る。調査隊の車が乗せて行ってくれないかという甘い期待もあったが、満席で林道を歩いていた私たちをあっさり追い抜いて行った。しかし、最後の最後で、林道を歩いたご褒美が待っていた。キソチドリらしき花が咲いていたその向こう側を覗いていたみちほさんが突然「あーっ」という大声を上げた。何事かと思ったらその先には・・・クモキリソウが固まって10株ほど咲いているではないか。感激!!林道歩きの疲れも吹き飛んだ。そしてここで初めて、三脚を使うことになる。
クモキリソウの群生
クモキリソウ
この不思議な花の形。感激だ。
午後6時、ゲートに到着する。車はもう数台しか止まっていない。やはり疲れた。林道を車で走っていると、道の真ん中で犬が座り込んでいる。クラクションを鳴らしても逃げる気配が無い。良く見れば、犬では無くてキツネではないか。ずいぶん人慣れしている。足に怪我を負っているようで、通る車の人に餌をねだっているようだ。可哀そうだが餌付けするわけには行かず、追っ払って道を進む。
道の真ん中に座り込んでいたキツネ
人なつこくて可愛いが、餌はやれないよ。
夕張で日帰り温泉につかり、そこで夕食をとる。時間は夜の8時半になってしまった。みちほさんはこれから層雲峡まで移動して車内泊、明日黒岳とお鉢めぐりをした後にフェリーに乗って帰宅するそうだ。我々はどうするか、連休中日だけに宿がとれるのかどうか?夕張市内のホテルに電話してみると、1件目であっさりと宿をとれた。夕張温泉シューパロ、夕張駅の近くのホテルだった。なかなか良いホテルだったが、洗濯と乾燥器にかけるだけで精一杯。速攻で眠りに着いてしまった。
夕張岳ヒュッテへの道はいずれ修理して再開するという話だった。それなりの花は見ることができたのだが、シソバキスミレが見られなかったのはかなり心残りだ。そして三脚を忘れて、きっちり撮影出来ていないこと。機会があったらもう一度この山を訪れてみたい。
(翌日はトムラウシ温泉に移動してテント泊、そして翌々日からヒサゴ沼2泊でトムラウシ山界隈に登る)