山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

幻の甲斐の黄花を探して沢を登るが・・・またしても敗退  平成27年9月6日

2015年09月08日 | 番外編
 雨が降る確率が高いので一旦は中止とした今回の花探しだが、朝6時に起きて空を見上げると午前中ならばなんとか持ち堪えそうな空模様だ。相棒のうーさんに連絡して7時半に甲府を出発する。今回は8月に下見に行った沢をもう少し上の標高1,100mあたりまで遡上してみたいと思う。一応ザイルを持ちヘルメット装着して行くが、なにせ素人だけにうまくザイルが使えるかどうか。その前に沢が登れるかどうか。雨が降り出したら即撤退と決めて沢に入る。


    これは先日見に行った駿河の姫君。こんな感じでどこかに咲いていると思うのだが・・・


    壊れた林道を進むと道脇にこんな花がたくさん咲いていた。


    初見のアケボノソウ(リンドウ科センブリ属)


    前回訪れた滝を巻いて登ると道らしきものがあった。


    段々畑の跡と思われる。


    その先の沢は小滝の連続。左手にホトトギスの葉が付いている。


    近付いてみると、やはりこれも花芽が上向きについている。普通のホトトギス。


    やがて道は消失し、荒れた沢を歩くようになる。


    沢は何本かに分かれている。今回目指すのはいちばん左の沢。GPSの地図で見るとそこには大きな岩壁があるはずだ。


    支脈の滝が何本も落下してくる。そこに生えていたのも・・・ホトトギス。


    目的地の岩壁に到着。しかしそこのあったのは・・・


    残念。やはり普通のホトトギス。

 なんとか目的地まで雨に降られずに到着できたものの、そこに生えていたのは上臈ではなくて普通のホトトギスだった。その先も大きな岩壁が続くので、望遠レンズで覗き込みながら探すがそれらしきものは無い。


    あったのはイワシャジンが数株。


    咲き終えたイワタバコ。


    滝が2本流れ落ちる場所に出た。この滝は我々のレベルではとてもではないが超えられない。


    美しい滝の流れ。

 大きな滝に突き当たったところで雨が降り出してきた。撤退しなければならないが、GPSで見ると左側の尾根を越えるとその先に林道があるはずだ。急斜面を登って尾根に取り付き、さらに左に進と林道に抜け出ることができた。あとはその林道をテクテクと歩いて戻るだけだが、この林道は山腹を大きく巻いて付けられているためにかなり距離が長い。次第に雨が強まり、車に到着するころには本降りに近い雨脚となってしまった。沢から抜け出ていたので幸いだった。ヤマヒルは2匹しか出会わず、沢の中にはあまりいないようだ。

 今回の場所はかなり怪しいと思っていたのだが残念ながらまたしても敗退。次はもう少し上のほうまで高度を上げて探してみたいと思っているが、おそらくその場所は急峻で滝が連続する場所、、かつ沢を登り詰めても上には道が無い。さて、どうしましょうか?行ってみてから考えることにする。


    
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櫛形山山麓に咲いていた腐生植物の白い花  平成27年7月中旬

2015年09月08日 | 番外編
 探し物は櫛形山にしか自生していない不思議な葉の形をした花だったのだが、その花は7~8年ほど前に山梨県山岳連盟でローラー作戦を展開して探したが見つからず絶滅したと思われていた。しかし、某ホームページを見ると昨年この花を見ている人がおり、どこかに残っていることは確実である。以前にあったという場所にはまず無いので別の場所を探しに行ってみた。

 獣道と思われる踏み跡が山腹を巻くように伸びており、それを辿って登って行くと背の高い白い花が2本咲いていた。この時はオニノヤガラだと思っていたのだがそれにしては花が白くて茎の色もちょっと違う。最近になってからネットで花を見ていたら偶然に全く同じ花がアップされていた。


    清涼な沢の流れの脇にはガクアジサイが咲いていた。


    広葉樹林の林の中に2本だけ背を伸ばして咲いていた花。


    オニノヤガラ?それにしては色白すぎる。


    この花の正体は・・・シ・ロ・テ・ン・マ(ラン科オニノヤガラ属)。絶滅危惧1A類の稀少な花だ。

 このシ・ロ・テ・ン・マはオニノヤガラの変種とされているが、別物であるという説もある。葉緑素を持たない腐生ランでナラタケに寄生する。

 さらにトラバース気味に上に登り、数本の枯れ沢を超えて斜面を登って行ったが目ぼしい花は見つからず。そのまま稜線まで抜けようかと思ったのだがこの日はGPSを置き忘れてきてしまったため、登ったところが必ずしも登山道のある稜線とは限らない。彷徨ってリカバーするほどの時間的な余裕もないため、沢筋を下山することにした。


    斜面をトラバース気味に登るが、あるのはフタリシズカばかり。


    ヒノキの大木が立つ広場に抜け出た。


    雰囲気の良い森だが、探し物は全く見つかる気がしない。


    あったのは満開のバイケイソウくらい。


    鹿の食害の後に残る花なのであまり好きではないが、こうして見ると綺麗な花だと思う。


    枯れた沢筋の草地を下る。こんなところに生えているのだと思うのだが・・・


    水の流れる沢に降り立つ。この先は滝も無く歩きやすくなった。

 本命は残念ながら敗退だが、思いもよらぬ花に出会うことができた。もしもネットで見ていなかったら変わったオニノヤガラということで終わってしまっていたかも知れない。まだまだ勉強不足。

 
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