山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

甲斐のジョウロウホトトギス再訪  平成28年9月25日

2016年09月26日 | 番外編
 先週も訪れたジョウロウホトトギスだが、三脚を出している余裕も無く訪れただけで十分な撮影は出来ずに終わってしまった。23日に別メンバーで訪れる話もあったのだが、天候不良なために無くなってしまった。おそらくはこの日が今年最後の機会となるであろう。前日に想定していた以上に雨が降り、沢が増水しているであろうが訪れるのは源頭付近なので、おそらくは靴を少し濡らす程度で行けるはずだ。気合を入れて5時半に自宅を出たが、歩き始めるのは8時近くになってしまった。


    連日の雨で増水しているが、沢の源頭あたりならばなんとかなるはず。


    岩にびっしりとイワユキノシタが着いている。


    咲き終わってしまっているイワユキノシタ


    シラヒゲソウとホトトギス。若干時期を過ぎてしまった。


    シラヒゲソウの群落。昨年よりは数が多い。


    シラヒゲソウ。白い髭がたくさん生えた愛嬌のある花。


    対岸の岩壁にもたくさん咲いているが、先週に比べるとだいぶ散ってしまっている。


    こちらはイワユキノシタの大群落。

 核心部の沢に到着した。既にヤマヒルは20匹近く撃退してきた。沢の中ではあまりいないだろうと思っていたのだが、額のあたりに違和感を感じて手で払ったところ、なんとヤマヒルが付いていたのには驚いた。足元ばかり気にしていたら、上から降って来たか、あるいは笹薮をかき分けた時に付着してきたか・・・。上半身をチェックしてアルコールスプレーを吹きかけたが、血を吸われた様子は無い。油断大敵である。

 人の入らない沢は緑色の苔が生い茂っていてとても美しい。沢の景色を楽しみながら奥へと進み核心部に到着した。先週満開だっただけに一番良い時期は過ぎてしまったが、咲き残った花がまだあって十分に楽しむことが出来た。今日は単独での入山なので三脚を取り出して思う存分撮影にふける。


    若干増水しているが至って穏やかな沢の上流部。


    倒木がたくさんあるが、人の入らない沢の奥は苔の緑がとても美しい。


    ここを登ってさらにその上にホトトギスが待っている。昨年見つけた花だが、我ながらよくぞこんなところに来たと思う。


    岩の脇腹にはイワタバコがたくさん。


    居ました。甲斐のジョウロウホトトギス。


    痛み始めてはいるが、まだ見ごたえは十分。


    岩壁の上のほうに群生。


    先週は20株くらい咲いていたがもう大部分散ってしまっているのが残念。200㎜ズームレンズで撮影。


    岩壁にぶら下がるジョウロウホトトギス。源頭の谷の雰囲気にマッチしていて美しい。


    イワシャジンも咲いていた。


    源頭のイワシャジン

 思う存分撮影したところで沢を戻り、別の支脈に入ってみた。こちらのほうが谷の幅が狭いが、目線の高さに咲いているジョウロウホトトギスに出会うことが出来た。


    目線の高さで咲いていたジョウロウホトトギス。


    源頭の谷に咲く甲斐のジョウロウホトトギス。抜群!(自画自賛)


    同上

 この沢の上部は急登過ぎて危なそうなため、別の沢を詰めて稜線に抜け出た。日当たりが良くてヤマヒルがいなそうなところで腰掛けて休憩するが、ふとシャツの左袖を見ると点々と血液らしきものが付着していた。服を脱いで体をチェックするがヤマヒルは付着しておらず吸われたような場所も見当たらない。後に温泉に立ち寄って体をチェックしたところ、左上腕の裏側に吸い口らしき傷跡があったがほとんど気にならない程度の傷だった。十分な対策をしてきたつもりだったが、上半身に付着したものは見えないだけに撃退が難しい。

 着生植物があるらしいので双眼鏡を取り出して木の上を覗き込むが見つからない。時間は午後の3時になったのでそろそろ下山しないと日が暮れてしまう。双眼鏡片手に木の上を覗き込みながら下山するが、着生植物はノキシノブくらいしか発見できなかった。


    沢沿いに咲いていたホトトギス。これはこれで美しい。


 なんとか間に合った甲斐のジョウロウホトトギス。また来年会いましょう。

コメント (8)
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雨の中の花散策 湯ノ沢峠  平成28年9月23日

2016年09月26日 | 花・花・花
 広大な草原が広がる湯ノ沢峠から大蔵高丸、ハマイバ丸にかけての山域に鹿の保護柵が設置されてから3度目の秋を迎える。よくこれだけの広大な敷地を囲ったものだと感心させられる。櫛形山の植生復活も3年目から顕著に現れてきたことを考えると、おそらくはこの山域も復活してきていることが予想される。

 朝からどんより曇り空で時折小雨が降っていた。行くかどうするか、どこに行くかさんざん迷った挙句、引き返すのが簡単な大蔵高丸の植生変化を見に行ってみることにした。ネット上の記録を見ると、先日初めて見たセイタカトウヒレンがこの山にもあったらしく。保護柵の効果が現われていればきっと出会えるだろうと思う。湯ノ沢峠まで車で乗り付けると、さすがに悪天候だけに1台も車は止まっていない。小雨がぱらついておりカッパを着て傘を差して出かける。


    湯ノ沢峠の駐車場。霧で視界が悪く小雨がぱらつく。人気の山だが駐車場には私の車だけ。


    柵の中に入ると、足元の土手にはタチコゴメグサがたくさん咲いていた。


    タチコゴメグサがたくさん。


    先日の山中湖界隈の草地で見たアザミとはちょっと違う。茎に付く葉が少なくスッキリしており、クモ毛が生えている。


    これはノハラアザミ(だと思う)。


    タムラソウ。もう終焉。


    ウメバチソウが咲いていた。


    ノコギリソウがかなり増えている。


    結実したヤマハハコ


    ハナイカリ

 保護柵を設置した場所と設置されていない場所の植生の違いは目に見えてはっきりとしてきた。保護柵内はススキがあまりはびこっておらず、ヨモギをはじめとする多くの草が復活してきている。保護柵の効果は確実に現われていると言えるだろう。


    保護柵の中の草地。ヨモギをはじめとして様々な草が生えてきており、ススキの背丈が低い。


    こちらが保護柵の外。草ボウボウの荒れ地といった感じ。


    手前が柵の外だが、これだけ見ても違いは判ると思う。

 予定ではハマイバ丸あたりまで散策のはずだったが、大蔵高丸を目の前にして雨足が強くなってきた。一旦引き返し始めたところ小降りになってきたためまた山頂を目指したが、今度は山頂あたりにかかる雲の中から雷鳴が轟いた。これではとてもではないが無理なので、足早に撤退となった。


    目の前に大蔵高丸が迫るが、雨が強くなりさらに雷鳴轟き、撤退。


 訪問する時期が遅かったため草原の花はもうほとんど終わってしまっていたが、保護柵の効果が確実に現れていることは確認できた。いつかきっと、あの大きなピンク色の花が咲いてくれることを期待している。
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