南アルプスの沢に花探しのために単独で入山した。道の無いバリアンスルートの沢で距離もあるため、ビバークを想定してテント持ちで出かけた。途中の平坦地にテントや食料を置いて身を軽くして登ったが、目的地のカール地形の場所に到着したのは既に午後4時45分、これではとてもではないがテント場のある山小屋までは行けそうもない。この時点でビバーク決定である。
人の入らない沢の中は、稀少植物こそあまり見つからないものの、ヤマガラシ、タカネコウリンカ、マルバタケブキ、イブキジャコウソウが大群落を形成していた。特にマルバタケブキの群落は規模が広く、これほどの大群落は他の場所ではお目にかかったことが無い。北岳を見るのにはこの沢は抜群の眺望で、一時雲隠れしていた北岳が再び見え隠れするようになってきた。GPSを見ながら、下りは距離が近そうな別の斜面を下る。
脆い石屑の急斜面に悪戦苦闘したが、なんとか目的地のカールに到着した。時間は4時45分。
かつて稀少なランの花が咲いていたというのはこのあたりのはずだが、既に草地は消滅しその花が咲くような環境では無くなってしまっていた。
イブキジャコウソウのお花畑と見え隠れする北岳。
シコタンソウとカール
チシマギキョウがちらほら。
チシマギキョウ
ホソバトリカブト
登って来た場所とは別の斜面だが、こちら側にもマルバタケブキの大群落があった。かつてはお花畑が広がっていたと思われる標高2,400m付近のこの斜面はすっかりマルバタケブキに置き換わってしまっているようだ。ヤマガラシの群落はマルバタケブキ大群落の少し下から始まり、その周辺にタカネコウリンカの群落がある。
マルバタケブキ大群落と北岳
同上。縦位置でフラッシュ発光。
ヤマガラシと北岳
沢の両脇はヤマガラシだらけ。
圧倒的なヤマガラシ群落。
ミヤマハナシノブと北岳 フラッシュ発光。
雲巻く残照の北岳
北岳の残照が消える頃、午後6時半にビバーク地点に到着した。テントを設営する。
夕食の前に北岳を見ると月が昇っていた。夕焼けの赤く染まる空を期待したのだが、わずかに染まったのみで日が暮れた。この日は月と土星が接近している日で、近くに火星とさそり座アンタレスが輝いている空の観察には良い日だったが、この場所からだと北岳と月の位置がいまひとつであまり良い構図にはならず、また雲が多くて星の写りもいまいちだった。
夕暮れの空に月が輝いた。
北岳の夕焼け空と月。北岳の上に出た雲が焼けてくれると面白かったが、全く焼けずに夕闇に変わった。
月と土星・アンタレス・火星接近。北岳から月の位置が遠いうえに雲が多くて星の移りがいまいち。
月が右側の山裾に隠れて天の川が見えないかと期待したが、月が明る過ぎるうえに次第に雲が増えて見えそうもない。夜9時半に就眠する。
この日に撮った写真の枚数は700枚を超えていた。これだけ撮影するとさすがに歩くのに時間がかかる。しかしそれでもなお撮り足りない気がする。もう少し三脚でしっかり固定して綺麗に撮ってあげたかったカットも多数ある。翌日天候が良ければもう一度登って、日の当たるお花畑を再写しようとも考えたが・・・足が疲れすぎておそらくは無理だろう。
人の入らない沢の中は、稀少植物こそあまり見つからないものの、ヤマガラシ、タカネコウリンカ、マルバタケブキ、イブキジャコウソウが大群落を形成していた。特にマルバタケブキの群落は規模が広く、これほどの大群落は他の場所ではお目にかかったことが無い。北岳を見るのにはこの沢は抜群の眺望で、一時雲隠れしていた北岳が再び見え隠れするようになってきた。GPSを見ながら、下りは距離が近そうな別の斜面を下る。
脆い石屑の急斜面に悪戦苦闘したが、なんとか目的地のカールに到着した。時間は4時45分。
かつて稀少なランの花が咲いていたというのはこのあたりのはずだが、既に草地は消滅しその花が咲くような環境では無くなってしまっていた。
イブキジャコウソウのお花畑と見え隠れする北岳。
シコタンソウとカール
チシマギキョウがちらほら。
チシマギキョウ
ホソバトリカブト
登って来た場所とは別の斜面だが、こちら側にもマルバタケブキの大群落があった。かつてはお花畑が広がっていたと思われる標高2,400m付近のこの斜面はすっかりマルバタケブキに置き換わってしまっているようだ。ヤマガラシの群落はマルバタケブキ大群落の少し下から始まり、その周辺にタカネコウリンカの群落がある。
マルバタケブキ大群落と北岳
同上。縦位置でフラッシュ発光。
ヤマガラシと北岳
沢の両脇はヤマガラシだらけ。
圧倒的なヤマガラシ群落。
ミヤマハナシノブと北岳 フラッシュ発光。
雲巻く残照の北岳
北岳の残照が消える頃、午後6時半にビバーク地点に到着した。テントを設営する。
夕食の前に北岳を見ると月が昇っていた。夕焼けの赤く染まる空を期待したのだが、わずかに染まったのみで日が暮れた。この日は月と土星が接近している日で、近くに火星とさそり座アンタレスが輝いている空の観察には良い日だったが、この場所からだと北岳と月の位置がいまひとつであまり良い構図にはならず、また雲が多くて星の写りもいまいちだった。
夕暮れの空に月が輝いた。
北岳の夕焼け空と月。北岳の上に出た雲が焼けてくれると面白かったが、全く焼けずに夕闇に変わった。
月と土星・アンタレス・火星接近。北岳から月の位置が遠いうえに雲が多くて星の移りがいまいち。
月が右側の山裾に隠れて天の川が見えないかと期待したが、月が明る過ぎるうえに次第に雲が増えて見えそうもない。夜9時半に就眠する。
この日に撮った写真の枚数は700枚を超えていた。これだけ撮影するとさすがに歩くのに時間がかかる。しかしそれでもなお撮り足りない気がする。もう少し三脚でしっかり固定して綺麗に撮ってあげたかったカットも多数ある。翌日天候が良ければもう一度登って、日の当たるお花畑を再写しようとも考えたが・・・足が疲れすぎておそらくは無理だろう。
以前は、植生豊かな天空の花園が広がっていたのでしょうね
ヤマガラシ、マルバタケブキやタカネコウリンカの大群落に
置き換わって、衝撃的な写真です
自然保護活動に一石を投じる写真の数々、お疲れ様でした
これ以上希少種が絶滅しないように願います