山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

松の木に寄生するヤドリギの仲間  令和4年3月8日

2022年03月10日 | 山に咲く花
 マツやツガ、モミなどのマツ科の樹木に寄生するヤドリギの仲間が居ることを最近になって知った。山梨県の分布域を調べてみると、甲府市、韮崎市、山梨市の山に生育しているらしい。ネットで調べてみるが全く情報は出て来ない。ただ、アカマツの一次林(たぶん原生林)が意外と近場にあることが分かり、ひょっとしたらそのあたりに生えているのではないかと探索に出かけてみる。場所はあえて書かないが、私のブログの愛読者ならば画像を見れば容易に分かる山域である。


    調べた情報ではこのあたりはアカマツの一次林になるらしい。


    このあたりはあまり人が入らない場所で、カイイワカガミがたくさん生えていた。


    本日探すのはアカマツの木の幹や太い枝に寄生しているはずである。双眼鏡で覗き込みながら探してみる。


    そう簡単には見つからないだろうと思っていたのだが・・・何か着いている。


    ヤドリギのようなものが寄生している。


    別の木には大きな株が寄生していた。


    展望台に到着して湖を見下ろす、と思ったら・・・!


    探しているヤドリギの仲間も見下ろしていた。


    この寄生植物の正体は、マツグミというヤドリギ科の常緑性植物。

 ひょっとしたらこのあたりに・・・と予想して訪れた場所であるが、以外にもたくさんあることが分かった。さらに上のほうを探索してみる。


    茅ヶ岳とマツグミ


    甲府市街地とマツグミ


    至るところに寄生していたマツグミ


    天気が良ければ、富士山と一緒に撮影できるはずだ。


    こんなにたくさんあったとは驚き。

 何度も富士山と甲府盆地の撮影に来ている場所なのに、こんな植物があることなど全く知らなかった。全く勉強不足である。7~8月ごろには赤い花を咲かせるはずである。夏場にはあまり訪れていないが、またこの山に来る楽しみが増えた。

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北杜市大泉の天然記念物の樹を訪れる  令和4年3月7日

2022年03月09日 | 樹木類
 モミ属、トウヒ属、ツガ属の区別は未だに良く分からず、特にトウヒ属に関してはどれを見ても皆同じに見えてしまう。今のレベルではヤツガタケトウヒを見たとしても区別が出来ず、その有難味が理解できないであろう。図鑑やネットで調べていたところ、北杜市大泉に天然記念物に指定されているヒメバラモミというトウヒ属の樹があることが分かった。三分一湧水に立ち寄った後にそちらを訪問してみる。


    溜池の向かい側に生えているのがヒメバラモミ。ここには大泉指定の天然記念物の樹が3本並んで生えている。


    まずはホオノキ。これはさほど珍しい樹ではないが、このあたりではあまり生育していないらしい。


    ホオノキ。看板には根元から7本に分かれていると書かれているが2本は朽ちてしまっているようである。


    次にハリギリ。枝に棘が生えているらしいが逆光で良く見えなかった。


    そして今回の目的のヒメバラモミ。


    右がハリギリ、左がヒメバラモミである。


    下から見上げる。右がヒメバラモミ、左がハリギリ。


    ハリギリの幹。深い溝がある。花の咲く時期に見てみないと他の樹との区別は難しそうだ。


    ヒメバラモミの幹。剥げ落ちそうな鱗片が付いているが、幹だけで見分けるのは難しいだろう。


    下から見上げるヒメバラモミ。


    落下していた枝を見てみる。看板には葉がらせん状に付くと書かれているが、いまいち良く分からない。


    葉先はやや尖っている。先端部はいずれは松ぼっくりになるのか?


    枝の樹皮の部分は溝がはっきりしている。葉枕はあまり目立たない。


    松ぼっくりは小さ目。トウヒ属の中ではいちばん小さいらしい。


    拡大して見る松ぼっくり。

 とりあえずヒメバラモミを見てきたが、これで他のトウヒ属と区別が出来るようになるのかどうかはきわめて疑問である。以前に三ツ窪高原で見てきたトウヒ属の樹が何だか分からずにずっと気になっているのだが、画像を見直してみるとこのヒメバラモミにきわめてよく似ている。しかし、松ぼっくりはこれよりもひとまわり大きく、分布域からするとマツハダ(イラモミ)になるのかとも思う。さらに、そのあたりにはたぶんウラジロモミという似たような樹があるらしい。見れば見るほどに頭が混乱するトウヒ属の樹、もっとたくさん見て回ってこないと区別するのは難しそうである。


    帰り際に、道路脇にヤドリギがたくさん付いている木を発見した。


    着生している木はコナラと思われる。上部のほうのヤドリギは葉が付いていないようである。


    どうやら2種類のヤドリギが着いているようだ。


    下のほうのヤドリギ。葉が付いていて常緑性のもので、これは普通のヤドリギ。


    上のほうに着いていたもの。葉は付いておらず、落葉するホザキヤドリギのようである。


    別の株を見てみると黄色い実が残っている。ホザキヤドリギで間違い無さそうである。

 本日は探していたホザキヤドリギをたくさん観察することが出来た。自力で発見するのは今回が初めてである。花の咲く頃に再訪してみたい。また、ヒメバラモミを含めたトウヒ属は実が着いた頃に観察してみると少し区別が出来るようになるかも知れない。こちらも一緒に見に来たいと思う。

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北杜市の三分一湧水を訪れる  令和4年3月7日

2022年03月08日 | 里に咲く花
 八ヶ岳の裾野にある三分一湧水あたりもさすがにもう雪は解けているだろう。昨年の秋に訪問した際に見たザゼンソウの看板がずっと気になっていた。そろそろ咲き出す頃ではないだろうか。訪問してみる。


    昨年秋に訪問した北杜市の三分一湧水を再訪してみる。


    まだ何も花は咲いていない。


    生えている葉はオランダガラシ(クレソン)のようである。


    期待していたのはこのザゼンソウだったが、まだ何も生えていない。


    もう1ヶ所もまだのようである。残念。


    大きな木が林立している。


    この木はハンノキ。少し珍しい木である。


    湧水公園


    こんなに保護している場所でも盗掘があったとは驚きである。


    三分一湧水


    三分一湧水源泉部


    木を見上げてみるとヤドリギが着生していた。


    落葉して葉が付いていない。これはホザキヤドリギではないだろうか?


    周辺を探してみるとたくさん付いている木があった。


    やはり葉が1枚も付いていない。


    まだ黄色い実が残っている木があった。実が枝の先端部に付いており、ホザキヤドリギで間違い無さそうである。


    ちなみにたくさん着生していた木はハンノキだった。

 ザゼンソウは残念ながらお目にかかれず。想定していたよりも生育地が乾燥しており、湿地を好むザゼンソウが咲く環境とは少し違うように思える。一方、花を撮影するのに良い木がないかと探していたホザキヤドリギは偶然にもこの場所で遭遇することが出来た。撮影し易い場所で、花の咲く時期には是非再訪してみたいと思っている。

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甲府市北部を散策  令和3年3月3日

2022年03月07日 | 里に咲く花
 昨年見つけたイヌノフグリがそろそろ咲いているのではないかと、甲府市北部を散策してみる。


    梅の花がほぼ満開になっている。


    この大きな木はドイツトウヒ


    枝が垂れ下がり、大きな松ぼっくりが下向きに付いている。


    良く見かけるが何だか分からなかった木。


    元々は梅の木だが、太いツル性の木が巻き付いて別物のように見えている。


    図鑑を眺めていて偶然に発見。これはキヅタ(別名フユヅタ)というウコギ科キヅタ属の植物のようだ。


    探しているイヌノフグリはこんな石垣の間にひっそりと生育しているはずだ。


    しかし、あるのはオオイヌノフグリばかり。


    たぶんこれがそうなのではないかと思うが、まだ咲いていなかった。

 昨年は探索していなかった場所の石垣の間も覗き込んでみたが、イヌノフグリは発見出来なかった。まだ少し早いようである。では、以前から気になっていたがまだ行ったことが無い平和観音の立つ山に登ってみることにしよう。


    お寺の裏山に立つ平和観音。まだ行ったことが無い。


    お寺の庭園の中を通って参道に入る。


    意外と立派な道が付いていた。


    参道上部。春まだ早く、目ぼしい花は見つからず。


    平和観音に到着。ずいぶん土台が高く築かれていることに驚かされた。


    山頂からの富士山を期待していたのだが、林の中の隙間からしか見えない。


    山頂に立っていた祠

 陽気はだいぶ春めいてきて梅が咲いたが、花はもう少し先になりそうである。出来れば、この辺りに咲くイヌノフグリを再探索してみたい。

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キバナウツギとウコンウツギ その違いは?

2022年03月05日 | 花・花・花
 良く似ているウコンウツギとキバナウツギであるが、どうやら区別の仕方をずっと間違えていたようである。ネット上の記述の中に、ウコンウツギには花柄があるがキバナウツギには花柄が無いと記されていたものがあり、信じていたのだが、どうやらこの記述は花柄では無くて葉柄の間違いのようである。図鑑の中には花柄に関してそのような記述が無いものもあり、葉柄だけで区別するのもやや難しそうである。最も分かり易いのは花の形であろう。ウコンウツギは根元からラッパ型に徐々に花筒が広がって行くのに対してキバナウツギでは花筒の途中から急激に広がっているようである。今まで見てきたものは全て花柄があったのでウコンウツギだと思っていたのだが、画像を確認してみるとその中にキバナウツギと思わしきものがあることに最近気付いた。


    令和3年6月 西沢渓谷で見てきたもの。


    これはウコンウツギで良さそうである。


    花の形を見ると、付け根部分から徐々に花筒が太さを増している。これはウコンウツギだ。


    平成27年6月 三ツ峠で撮影したもの。この頃は知識が無くて何だか分からなかった。


    左側にある花を見ると、花筒は徐々に広がっておりウコンウツギと思われる。葉にも柄があるように見える。


    令和3年6月 三ツ峠で撮影したもの。双眼鏡で見て花に柄が付いていたのでウコンウツギだと思っていたのだが・・・


    画像をトリーミングして見ると、花筒は付け根部分が細くて途中から急激に広がっている。これはキバナウツギのようだ。


    同じ日に別の場所で撮影したもの。もう終盤でだいぶ痛んでしまっている。


    トリーミングした画像。花筒は途中から急激に広がっている。キバナウツギで間違い無さそうである。

 なかなか見つからなかったキバナウツギであるが、どうやら区別の仕方を間違えていたようで、おそらくウコンウツギと思って見てきたものの中にキバナウツギが混じっていたようである。咲いている場所は分かっているので、今年はきっちりと撮影し、葉の形や毛の生え方などもきっちりと観察してきたいと思っている。今年の課題のひとつはスイカズラ科の植物の観察である。難題と思われていたイワツクバネウツギの生育場所はほぼ確認出来ており、あとは花が咲くのを待つばかりである。チシマヒョウタンボクとコウグイスカグラ(ミツトウゲヒョウタンボク)の生育場所もほぼ分かっている。今年のうちに見て回れればと思っている。


    結実したコウグイスカグラ(ミツトウゲヒョウタンボク)

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ピンチ!畑熊のミスミソウ  令和4年3月2日

2022年03月04日 | 山に咲く花
 2月中旬にも一度見に行っているがまだ咲いていなかった畑熊のミスミソウであるが、そろそろ咲いている頃だと思う。再訪してみる。


    畑熊のミスミソウの看板。山梨県自然記念物に指定されている。


    岩に付いていたクモノスシダ


    この斜面にもかつては生育していたはずだが見当たらない。


    こちらの斜面もだいぶ崩れてしまっている。


    崩れた斜面に辛うじて生き残っていたミスミソウ。風前の灯といった感じだ。


    大き目の葉があったが花が付いていない。


    かつてのように固まって咲いている株はひとつも見つからず。


    葉もほとんど見つからず、個体数は激減しているように見える。


    林道の上のほうを散策してみる。このあたりにもあったはずだが何も見つからず。


    こちらの法面も崩落が目立つ。

 山梨県のミスミソウの大きな自生地は先日訪問した場所と今回の畑熊の2ヶ所である。その他にも見つかっている場所があるが個体数は少ない。自身のブログで検索してみると、畑熊のミスミソウを訪問するのは平成31年(2019年)2月以来3年ぶりのようであるが、一段と斜面の崩落が進んで変わってしまったように見受けられる。盗掘や踏み荒らしによるものでは無く、自然環境の変化による要素が強く、単純にロープを張れば良いというものでは無さそうである。保護はかなり難しいのではないかと思う。


    ガッカリして林道を歩いていると見慣れない木があった。


    木の幹に溝が入っているように見える。


    これはイワツクバネウツギではないだろうか?花の咲く時期に確認してみたい。

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セツブンソウとフクジュソウ  令和4年3月2日

2022年03月04日 | 山に咲く花
 先週も訪問している渓谷に咲くセツブンソウであるが、まだ雪が残っていて葉も出ていなかった。その後暖かい日が何日か続き、スギ花粉が本格的に飛び始めた。そろそろ咲いている頃ではないだろうか?渓谷の奥に咲くフクジュソウも気になっている。


    雪はほぼ解けている。


    氷柱も解けている。そろそろセツブンソウが咲いているのではないだろうか?


    咲き始めていたセツブンソウ


    まだほとんどが蕾。


    本体部分はまだほんの少し蕾が見え始めたところ。1~2週間先になりそうだ。


    セツブンソウの花。エクステンションチューブという兵器を装着して接写。


    渓谷の奥はまだ雪が残っている。


    これはナガオノキシノブであろう。


    苔の生えた岩に小さなシダが群生していた。


    カラクサシダ。この山域で見るのは初めてである。


    葉を丸めているが、あふれんばかりの胞子が付着している。


    こちらのシダは冬の乾燥が堪えたようで、大部分が枯れたように茶色に変色している。


    ビロードシダ。あまり元気が無い。


    表面に星状毛が生えている。サボテンのようだ。


    フクジュソウがほころんでいた。


    まだ咲き始めたばかり。ほんの少ししか見当たらない。


    開いていたのはこの1株だけだった。


    まだ2週間ほど先になりそうである。

 セツブンソウもフクジュソウもまだ咲き始めたばかりだった。今年の春の花は2~3週間ほど開花が遅れているようである。陽気が暖かくなると、スミレを含めて一斉に咲き出すかも知れないが、冬の雨不足でたぶん花はハズレ年になってしまうのではないだろうか?


    こちらは三珠のセツブンソウ。満開であるが個体数はかなり少な目。


    一区画だけたくさん咲いてくれた場所があった。


    来年は全区画でこのようにたくさん咲いてくれることを願いたい。

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甲斐市の谷沿いの林道を偵察  令和4年3月1日

2022年03月04日 | 渓谷
 出張で近くまで来たので、谷沿いを通る林道を偵察してみた。この近傍にはカタクリやアズマイチゲが咲く敷島カタクリロードがあり、環境的に良く似ている。まだ花の時期には早いのだが、どんな感じなのか、車をところどころに停車させながら散策してみた。


    渓谷の上流部。まずはこの上を偵察してみる。


    少し遡上すると大きな堰堤が現れた。これを越えてみる。


    その上は池になっていた。さらに上流部を探索するならば左上に見える林道を使ったほうが良さそうだ。ここで引き返す。


    林道の法面に普通に生えていた草。


    これはヤブランだろう。キチジョウソウの葉に良く似ている。


    支脈の枯れた沢を歩いてみる。


    これはシュンランの葉だろう。たくさん見かけるが花芽は見つからない。


    リョウトウイタチシダを期待したのだが・・・


    鱗片の幅は細く、これはオオイタチシダのようだ。


    下流部に神社があった。


    神社のほこら


    2種類の木が生えている。


    こちらは幹が白っぽくて溝が浅い。


    葉を見てみると先端部が2つに割れて尖っている。これはモミの木であろう。


    もう1本の木


    木の幹は鱗片が大きくてマツの木に良く似ている。


    葉を見てみると先端部は尖っていない。これはツガであろう。


    林道の下流部出口付近は大規模な太陽光発電パネルが設置されていた。こんなに山肌を削ってしまって大丈夫なのか?

 まだ春早く花は何も咲いていない。4月ごろになればきっとスミレが咲き出すであろうし、うまくすればアズマイチゲがありそうな感じがする谷だった。隣にある谷も面白そうな気がする。時間がとれれば再訪してみたい。
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