後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

21世紀のアメリカの世界支配の様相を考える(1)世界の国家を4種類に分類して見る

2010年01月16日 | うんちく・小ネタ

昨年、民主党へ政権が交代し、鳩山総理が普天間基地移転の中止、再考をアメリカ側へ申し入れました。これは鳩山さんの外交音痴ぶりを示しただけにとどまらず色々な波紋をおこしたのです。私自身の気持ちも巻き込まれました。世界に配置されているアメリカ軍基地のホームページを読み、それぞれの基地の守備範囲と役割を明らかにし、このブログ上で皆様へご報告しました。

その結果、アメリカは世界を軍事的に制圧しています。いかなる国もアメリカへ軍事的に対抗できることは不可能です。アメリカには歯が立ちません。日本をはじめ西欧諸国にアメリカは強大な軍事基地を持っています。このような状態で、再度、国家とはどういう条件があれば独立国と定義されるか?という新しい問題に行き着きました。そこで私は次のような4種類の国家へ分類することを提案したいと思います。

(1)米軍基地が無く、軍事的に独立している国

ロシア、中国、インド、パキスタン、などの少数の核兵器保有国です。

(2)アメリカ軍の核の傘の下にある、中規模の国家群

日本、イギリス、ドイツ、フランス、イアタリー、など所謂西側自由主義国です。

(3)近代国家としての民主主義体制まで発達していない国家群

アフリカ諸国、ミャンマー、などです。

(4)アメリカへ敵対するイスラム宗教国家

シリア、イラン、イエメン、などなど中近東の国家群

最後の宗教国家の性質を注意深く研究し、戦争が起きなようにすることが21世紀の最大の課題と思います。

このような国家群をアメリカが支配する方法は単に軍事力だけに依るのではないのです。経済力、技術開発力、科学力、金融力、人道主義的影響力、環境保護主義による影響力、などなど多岐にわたります。単なる軍事力だけでないのです。

今回のこのシリーズ記事ではまず他国と非常に違うアメリカ社会の特徴を考えてみます。

その上でアメリカの強みを少しでも解明したいと思います。アメリカ社会は常にダイナミックに変化する社会なのです。そこで、その強大さの秘密の一部だけでも明らかにして見たいと思います。

皆様からのご指導やコメントをお願いもうしあげます。(続く

新大陸アメリカへと大西洋を船出した、帆船メイフラワー号の写真です。出典はWikipedeaです。

Mayflowerharbor


国際結婚と離婚の悲劇(2)日本では男親に子供への義務も権利も無いー母親の優位

2010年01月16日 | うんちく・小ネタ

前回は子供を連れ戻そうとしたアメリカ人の元夫が日本で逮捕されたニュースを掲載しました。何故こんな事が起きたのか?その法律的背景を以下の文章が説明しています。

=====NewsweekJapan 発 コラム・ブログより==========
世界中で国際結婚が増加する中、国際間の結婚が不幸にも破綻した場合に、親権を決め、親権のない方の親の面会権を保障し、養育費の支払いに強制力を働かせなくてはなりません。その場合に、子供の人権を守るために国境を越えて関係国が協力して、離婚調停の結果を履行させるために「ハーグ条約」というものがあり、多くの国がこれを批准しています。
 ところが日本はこの条約を批准していません。理由は明白で、日本の民法では両親が離婚した際に、(1)子供が双方の親を行き来する共同親権制度がない、(2)親権のない方の親の面会権が保障されていない、(3)養育費の支払いについて「差し押さえ」などの法的な強制力がない、という制度となっており、ハーグ条約の前提を全く満たしていないからです。これに加えて(4)子供は余程のことがない限り母親が育てるという慣習が強い、(5)親権のない親が再婚した場合は「それぞれの人生」になったとして子供との面会を「自粛」あるいは「忌避」する慣習がある、といった社会慣行上の障害もあります。
 今回逮捕されたのはテネシー州の男性、クリストファー・サボイエ氏です。サボイエ氏は日本人の女性と結婚して子供を2人もうけていましたが、残念ながら離婚に至っています。離婚の調停はテネシーで行われ、その結果として子供たちの母親は、テネシーに居住して子供は父親との面会を続けること、母親は夏休みだけ子供を日本に連れて帰ることが可能であること、などを取り決めていました。
 ところがサボイエ氏は(恐らく弁護士が入れ知恵したのでしょう)多くの場合「離婚した日本人親が子供を日本に連れ帰って戻ってこない」ケースがあり、今回もその危険があるということで、裁判所に「夏休みの日本への帰国を停止する命令」を出すように申し立てをしています。この申し立ては一旦は認められて命令が発効したものの、母親サイドが異議を申し立てたために撤回されています。そこまでは母親サイドもアメリカの法律のシステムに乗って行動していました。
 ですが「このままでは子供に日本の地を踏ませることができなくなるかもしれない」という危機感に駆られたのか、母親は子供の父親サイドには知らせぬまま、そのまま子供を連れて日本に帰国してしまったのです。テネシーでは大騒動になり、直ちに裁判所は母親の「親権剥奪」を宣告するとともに「誘拐罪」の逮捕状を発行しました。ところが、いくら親権剥奪とか誘拐罪として逮捕といっても所詮はアメリカの法律であり、日本の領土では効力がありません。また似たような「裁判所の命令に反して、または、そもそも裁判も省略して」子供を日本に連れ帰っている母親の例も多く、ほとんどが解決に至っていないことから、サボイエ氏は日本に乗り込んだのでした。

この悲劇の救いは父も母も離婚後も子供に会いたがっているという事実です。

日本に居る母にはアメリカの裁判所が「誘拐罪」の逮捕状を発行しました。その一方、元夫は日本の警察に子供連れ去りの犯人として逮捕されました。結末はどうなるのでしょうか?

皆様に解決方法の提案がありますでしょうか?私は法律論で争うのを止めて、良識的に解決できると信じています。例えば、母と2人の子供は日本に在住を続ける。アメリカ人の夫はそれを認める代わり養育費の支払いを中止する。但し子供の誕生日などにプレゼントを渡す権利を終生認める。その上、父として会いたくなったら何時でも日本に来て会う権利を持つ。母親は父へ子供を会わせる義務がある。如何でしょうか?

今日も皆様のご健康と平和をお祈り致します。藤山杜人