後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

中国の教科書では抗日戦争の間に3500万人の死傷者、そして南京では30万人の死者と明記してあります

2010年01月08日 | うんちく・小ネタ

少し前に日本のマスコミは「南京虐殺30万人は中国側のデッチ上げ」と大騒ぎをしていました。騒ぎが収まって静かになったので当時から感じていた私の考えを述べようと思います。

抗日戦争とは1931年の柳条湖事件(満州事変の発端)から1937年の蘆溝橋事件(日中戦争の発端)を経て1945年の終戦に至る15年間です。2009年10月、高文社出版の田村広嗣著、「中国の現代史」の10ページ、11ページには中国の中学2年生の使う「中国歴史」の教科書の内容が紹介されています。その教科書では18ページにわたって柳条湖事件、蘆溝橋事件、南京大虐殺、台児荘大戦、百団大戦、などを詳しく記述してあるそうです。

そして上海を攻め落とした日本軍は当時の中国の首都であった南京を一挙に占領し暴虐の限りを尽くした様子を、「百人切り」の日本側の新聞写真も添えて紹介しているのです。

15年間の中国人の戦死者数には色々な説がありますが中国国務院は1000万人以上としています。これに対して日本の出兵数は最大時で100万人で、日本側戦死者は45万人です。

さて私の個人的な意見は、「南京虐殺の数に対して日本人は何も言わないのが正しい態度です!」というものです。

1000万人近くも殺戮した軍隊と同じ国の国民は沈黙を守るべきと思っています。たとえ30万人という数字がまちがっていてもそれは中国人の問題なのです。貴方の同胞を1000万人も殺した国の人が、「デッチ上げだ!」と騒いだら、貴方はどのように感じるでしょうか?絶対に建設的な結果にはなりません。

それでは南京を占領した日本の軍人の名誉は守れないという意見もあります。当然な意見です。しかし中国側から見たら、3万人も虐殺されたのだから、それを30万人と言って良いと思うのも自然な成り行きではないでしょうか?

戦争の悲惨さとはそのような誤解も含むものと覚悟すべきではないでしょうか?

戦争の悲惨さは多数の人々が戦死することだけではありません。歴史的事実の歪曲とそれに伴う人間同士の憎しみが何十年も残ることも含みます。

だからこそ戦争だけは絶対に起こらないように毎日、毎日、戦争の悲惨さを忘れないようにすべきと信じています。

皆様は、マスコミが静かになった現在、「南京事件」をどの様にお考えでしょうか?

(終り)


平和な時代でも忘れてはいけない国別戦没者数

2010年01月08日 | うんちく・小ネタ

「第二次世界大戦の国別戦没者数」というキーワードで検索すると色々な統計資料が出て来ます。戦乱状態で正確な数字が確定困難なために戦没者の数には大きなバラツキがあります。しかし以下に『ブリタニカ国際大百科事典』からの資料を一例として示します。(出典は、http://www.max.hi-ho.ne.jp/nvcc/TR7.HTM )

第二次世界大戦の死傷者

  国   別         軍      人       一般人
          戦死、傷病死        捕虜および 戦争に起因   死者総計
          および収容所   負 傷  行方不明  する死亡    (推定)
          での死亡
 連合国
  ベルギー       12,000                76,000    88,000
  ブラジル        943     4,222                 1,000
  イギリス連邦    373,372    475,047   251,724   92,673    466,000
   オーストラリア   23,365    39,804   32,393          24,000
   カ ナ ダ      37,476    53,174   10,888          38,000
   イ ン ド      24,338    64,354   91,243
   ニュージーランド  10,033    19,314   10,582          10,000
   南アフリカ     6,877     6,972   22,323           7,000
   イギリス     264,443    277,077   213,919    92,673    357,000
   諸植民地      6,877     6,972   22,323           7,000
  中   国    1,310,224   1,752,951   115,248
  チェコスロバキア   10,000                215,000    225,000
  デンマーク      1,800                 2,000     4,000
  フランス      213,324    400,000         350,000    563,000
  ギリシア       88,300                325,000    413,000
  オランダ       7,900     2,860         200,000    208,000
  ノルウェー      3,000                 7,000    10,000
  ポーランド     123,178    236,606   420,760  5,675,000   5,800,000
  フィリピン      27,000                91,000    118,000
  アメリカ合衆国   292,131    671,801   139,709    6,000    298,000
  ソ   連    11,000,000               7,000,000  18,000,000
  ユーゴスラビア   305,000    425,000        1,200,000   1,505,000
 枢軸国
  ブルガリア      10,000                10,000    20,000
  フィンランド     82,000    50,000          2,000    84,000
  ド イ ツ    3,500,000   5,000,000  3,400,000   780,000   4,300,000
  ハンガリー     200,000          170,000   290,000    490,000
  イタリア      242,434    66,000   350,000   152,941    395,000
  日   本    1,300,000   4,000,000   810,000   672,000   1,972,000
  ルーマニア     300,000          100,000   200,000    500,000



 
第一次世界大戦における推定死傷者数

  国  別    動員兵力  死  者  負 傷 者 捕虜および 人的損害の 動員兵力に対する
                           行方不明者 合計    人的損害の比率(%)

 連合国側
  ロ シ ア   12,000,000  1,700,000  4,950,000  2,500,000  9,150,000   76.3
  フランス    8,410,000  1,357,800  4,266,000   537,000  6,160,800   73.3
  イギリス    8,904,467   908,371  2,090,212   191,652  3,190,235   35.8
  アメリカ合衆国   4,355,000   116,516   204,002    4,500   325,018    8.1
  日  本     800,000     300     907      3    1,210    0.2
  ルーマニア    750,000   335,706   120,000   80,000   535,706   71.4
  セルビア     707,343   45,000   133,148   152,957   331,106   46.8
  ベルギー     267,000   13,716   44,686   34,659   93,061   34.9
  ギリシア     230,000    5,000   21,000    1,000   27,000   11.7
  ポルトガル    100,000    7,222   13,751   12,319   33,291   33.3
  モンテネグロ   50,000    3,000   10,000    7,000   20,000   40.0
   小 計    42,188.810  5,142,631 12,800,706  4,121,090 22,064,427   52.3
 同盟国側
  ドイツ    11,000,000  1,773,700  4,216,058   1,152,800  7,142,557   64.9
  オーストリア=ハンガリー 7,800,000  1,200,000  3,620,000  2,200,000  7,020,000   90.0
  トルコ     2,850,000   325,000   400,000   250,000   975,000   34.2
  ブルガリア   1,200,000   87,500   152,390   27,029   266,919   22.2
   小 計    22,850,000  3,386,200  8,388,448  3,629,829 15,404,477   67.4

 合    計  65,028,810  8,528,831 21,289,154  7,750,919 37,468,904   57.5
  〈アメリカ合衆国陸軍省の報告(1924年2月)による。ただし、アメリカ合衆国分については1957年11月に国防省の修正を受けている。〉


         《『ブリタニカ国際大百科事典』から》

第一次世界大戦の犠牲者数はWikipedeaの第一次世界大戦の項目では以下のような数字をしめしています。

古い思想の戦争のまま始められた第一次世界大戦は、開戦当時には予想もしなかった結果をもって終了した。長期にわたった戦争は膨大な犠牲者を生み出した。戦闘員の戦死者は900万人、非戦闘員の死者は1,000万人、負傷者は2,200万人と推定されている。国別の戦死者はドイツ177万人、オーストリア120万人、イギリス91万人、フランス136万人、ロシア170万人、イタリア65万人、アメリカ13万人に及んだ。またこの戦争によって、当時流行していたスペインかぜが船舶を伝い伝染して世界的に猛威をふるい、戦没者を上回る数の病没者を出した。


北海道大学のポプラ並木と同じような風景を近所で発見しました

2010年01月08日 | 写真

西東京市の田無町に東京大学付属農場があります。数年前から平日は9時から夕方の5時まで一般開放をしています。誰でも入って行って、構内を散策できます。建物と畑以外の道は自由に歩いて新鮮な空気を楽しむことが出来ます。今日はその農場の奥まで探検に行きました。自宅から車で20分位です。見学者の為の広い駐車場に停めて、自由に散歩しました。とにかく広い農場で正門から奥へ奥へと歩いて行きました。その奥の牧畜試験場には見事なポプラ並木が有りました。現役の間、北海道大学へ何回か行ったとき、農学部の奥のポプラ並木を散歩したことを懐かしく思い出しました。冬ですっかり落葉していましたが、緑豊かな北海道大学のポプラ並木が眼前に広がっているようです。冬の寒さをしばし忘れて歩きまわりました。家内が撮った写真を2枚お送りいたします。お楽しみ頂ければ嬉しくおもいます。

009 017


精神の老化防止の為の5つの方法(3)ネットを活用して老化を防ぐ方法

2010年01月08日 | うんちく・小ネタ

若々しい精神とは、いろいろな事へ強い好奇心があることです。瑞々しい感性で物事を見ます。自分独自の考えを論理的に組み上げます。それに対する他人の批判を聞きたい気持ちです。批判を貰い、自分の考えを客観的に組み直したくなる精神活動です。

高齢になると好奇心が無くなり、感性が鈍感になり、面倒な論理が嫌になり、独自の考えを持たなくなります。毎日美味しいものを食べ、孫達を猫可愛りにして怠惰な日々が漫然と過ぎて行きます。それを美化して悠々自適などと言って誤魔化して居る場合があります。恐ろしいですね。

ネットを上手に活用すると好奇心が旺盛になり、感性が磨かれ、独自の考えを作ることが出来ます。そして自分の考えをネットで公開し批判やコメントを貰うことが出来ます。しかし漫然とネットで遊んでいては精神の老化は防げません。そこで少し具体的にネットの活用方法を示します。

(1)好奇心を旺盛にする方法

自分の趣味と同じ趣味の人のブログを見て、その趣味の楽しみ方の違いを比較します。続いて他の趣味を調べて見ます。趣味を広げることの可否を考えます。

もっと本質的な好奇心は人間へ対する好奇心です。現役の間と違ってネット社会ではそれまで知らなかった分野の人々と自由に交流できます。興味津津で心が踊ります。お互いにコメントを交換し、交流します。

(2)感性を磨く

一番手っとり早いのは他のブログの写真や絵画を鑑賞します。何故か感性が豊かな感じを受ける写真を見つけたなら、同じ人の写真を続けて多数見ます。コメントを交換し、その後で先方の写真や絵画を自分のブログへ転載させて貰います。そうするとその人の感性をもっと深く感じます。写真の撮り方を真似をしてはいけません。他の人の感性に刺激を受けて自分の世界の写真を撮ります。

(3)自分独自の考えを論理的に組み上げる

文学、芸術、政治、経済、国際外交、そして宗教、と何でも良いのですが、自分で疑問に思ったことを問題として取り上げます。そしてその問題の解答を論理的に組み上げて行きます。最近、このブログで取り上げた問題の実例は、「キリスト教は日本文化に根付いているか?」という問題です。もう一つは、「日本にある多数の米軍基地と日本の独立はどのような関係があるか?」という問題です。二つともシリーズ記事として連載中ですが、ほぼ私なりの解答が出つつあります。

(4)自分の考えを公開し批判を求める

ネットの良い点は自分の考えを公開し、他の人々からコメントを頂けることです。ここを省略すると唯我独尊になり、単なる頑固爺になってしまいます。精神の老化が一層進みます。

さて最後にもっとも重要なことを付け加えます。それはネットに書く時間と考えたり、調べたりする時間を適切に配分することです。取材に使う時間は当然ですが、静かな所を歩きながら深く考える時間が重要です。

下に昨日散歩した川崎市立生田緑地公園から見上げた岡本太郎美術館の遠景写真を示します。今日の記事の構成を散歩しながら考えました。

今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。藤山杜人

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