三鷹市の大沢に中近東文化センターがあります。今日から6月20日まで「海を渡ったペルシャ陶器ー17世紀中国・日本・イランの陶磁器貿易ー」という特別企画展が始まったので見て来ました。主題通り、中国の景徳鎮の磁器が日本の焼き物に模倣され、さらにイランにも模倣された様子が明快です。製作地が遠く離れた中国、日本、イランの同じ図柄・同じ大きさの作品が3つ並べて展示してあります。文化交流の様子が歴然と理解できます。その上大きな傑作ばかりです。見ごたえ十分です。おまり熱心に見たので疲れてしまいました。
感動的なのは出光美術館名品選の常設展示室です。大きな柿右衛門の皿や壺、そして焼き物の鳥などです。まず実物は見ることの出来そうもない焼き物です。柿右衛門は天才です。感動して見ていましたところ同じものが並んでいます。ドイツのマイセンやイギリスで焼いた模造品です。当時のヨーロッパの柿右衛門へ対する需要が多いので作った模造品です。そしてドイツやイギリスで作った柿右衛門の出来が良いのです。説明札が横に無ければ判別が出来ません。専門的な鑑定士なら別でしょうが素人の私には模造品の方が良く出来ていると思いました。
18世紀に産業革命が起きて工業製品の特許制度が普及するまでは図案や模様は知的財産として保護する観念が無かったのです。模造は自由だったのです。
この特別企画展は撮影禁止ですが、常設展は撮影しても良いというので写真を撮ってきました。紀元前の中近東文化はエジプトやギリシャと緊密な交流があったことがよく分かりました。下に先程撮って来た写真を示します。兎に角、交通不便な所ですが、車で行くと広い無料駐車場があります。65歳以上は400円の観覧料です。詳しくは、http://www.meccj.or.jp をご覧下さい。