後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

ガン切除手術の名医、田中良典先生の講演のご案内

2010年08月04日 | うんちく・小ネタ

昨年、8月にかなり進行した前立腺ガンを完全摘出する手術を受けました。この4時間余の大手術をして下さったのが武蔵野赤十字病院の泌尿器科部長の田中良典先生です。後で知ったことですが、田中先生は前立腺ガンの摘出手術では我が国でトップクラスの有名なお医者様でした。そんな事を全然感じさせない気さくで親切なお医者様です。

ところでこの9月10日に赤十字武蔵野病院の初めての試みとして下記のような講習会を開催することになりました。ガンの患者さんとご家族の方々はふるってご参加下さいますようにご案内いたします。

======講習会ご案内======

ガンの患者さんとご家族の方を対象に、下記の内容で講習会を予定しています。講習会の後に、ご参加いただいた方々と交流の場を設けますので、是非ご参加下さい。

テーマ:前立腺がんのお話、「最近の治療と地域連携ネットワークについて」

講師:武蔵野赤十字病院 泌尿器科部長、田中 良典 先生

日時:9月10日(金)14時~16時、 受付は13時30分から、

定員100名で当日の先着順で締め切りに致します。

場所:武蔵野赤十字病院、3番館1階 山崎記念講堂

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尚、武蔵野赤十字病院はJR中央線の武蔵境駅下車、南口から徒歩15分程です。コミュニティ・バスが便利です。

お話の内容は最近のガン治療に関する最先端のお話です。

それと地域連携ネットワークについてです。私もこの連携ネットワークのお陰で命拾いをしました。その経緯はこのブログで昨年の8月に掲載しました。

記事の題目は、「ガンになって知った個人病院と大病院の見事な連携プレイ」―東京都の地域医療支援病院制度― で御座います。クリックすると昨年の記事が出てきます。

9月10日は先着順で100名で締め切りになりますので、早めにお出かけ下さい。私も早めに参上いたします。

下に武蔵野赤十字病院の玄関のある建物の写真を掲載いたします。

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自然な樹木を見て楽しむために高いところに部屋を作る

2010年08月04日 | 写真

自然に生えている樹林は生命力に満ちています。自然美に溢れています。それを見て楽しむ為には高い位置にガラス窓の大きな部屋を作らねばなりません。鬼家(オニイエ)さんはそのような部屋を作りました。高さは普通の2階より少し高いところです。

下の写真の中央に写っている6畳間位の部屋です。中に入ると周囲の木々の緑が映えて、緑の空気が漂っています。冷気の来る夕方でも温かく心地良い部屋です。冬は温室のように暖かく暖房が要りません。樹木の景観を楽しみながらビールを飲むと良い気分です。

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この写真を撮った所も地上1m位の高さに作ったウッド・デッキからです。夏の夜に涼しく寝るためのテントが張ってあります。

夕方になると日暮蝉がカナカナと鳴きます。時々、鹿の子供が林の中に見えます。猿はしょっちゅう遊びに来ます。

下の写真は高い位置に咲くホウノキの写真です。

自然の雑木林に住み込んでいるとご想像になって写真をお楽しみ下さい。

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アメリカ流の高度な情報収集技術・・・心の交流から機微な情報を取る

2010年08月04日 | 日記・エッセイ・コラム

アメリカは情報収集が抜群に上手な国と言われています。質の高い情報を集めると莫大な報酬が与えられる社会なのです。特に秘密情報を持っている担当者の考え方を整理・分類した報告書が重要視されます。そのような報告書は隠れた秘密情報をかなり明確に暗示しているものです。ですから担当者から直接的には秘密情報は聞き出しません。関連した周囲の技術に対する考え方や人生観を聞き出します。それを組み合わせると秘密情報の輪郭が見えてきます。

公開情報だけを集めて秘密情報を推理する。これがアメリカでは高度に発達しているのです。それを出来る個人が金持ちになれる国なのです。

以下に書きましたことは液晶パネルを製造している日本の工場へアメリカ人の情報専門家が来て、工場現場の環境対策の実態を調べた様子です。

人間は信頼した相手には気楽に何でも話すという性質を巧みに使っています。しかもその信頼を裏切りません。裏切ったら再度、情報が取れないからです。  

 @心と心の交流で集める環境情報

米国環境省の「液晶パネル製造中の環境汚染調査」をテネシー大学のアリス・ソコラッテイ教授が担当した。来日し全国の工場を10ケ所訪問した。1998年のことである。

ソコラッテイ教授は35歳位の小柄な女性。ケンという男性の助手が同行して来た。

訪問する10の企業へは既に筆者が何度も電話をした上で、完璧なアンケート調査をし、報告書をテネシー大学へ送った心算であった。調査を完了したと思っていた筆者にとっては不本意である。

「ソコラッテイ先生、これ以上の情報は企業秘密なので訪問しても無駄ですよ。観光旅行でもされたら如何でしょうか?」

先生は微笑んで「環境情報は現場に行って集めるのが原則です。10ケ所へは予定通り行きたいのです。その代わりご忠告に従い1泊2日の観光旅行へ行きますので何処でも良いですから設定してください」

妥協はするが譲歩はしない。「日本でよく言う「足で情報集める」ことですね?」

「足ではありません。心と心の交流で情報を集めるのです」

「よく分かりませんが、契約通り10ケ所へ同行します。それと観光は十和田湖にしては如何ですか?」

「良いですよ。ケンと2人分の予約を御願いします。」

そんな会話の後に奈良県、滋賀県、石川県、長野県などに散在する液晶製造現場を3人で訪ねた。

訪問先での会合は工場内の会議室にするようにと彼女が頼む。忙しい現場の技術者でも気軽に参加できるという配慮である。それぞれの工場の会議室には10人位の液晶製造現場の担当者が集まっていた。

            @工場現場での情報収集の様子

日本側はソコラッテイ教授へ、「まずご講演をして下さい」と頼む。それが遠路、テネシー大学から訪問する学者への儀礼である。

ソコラッテイ教授は前に進み出て、柔和な笑顔になる。少し間をおいて参加者一人一人の顔を見る。ーー生産現場は忙しい筈なのによく来てくれましたーーという感謝の気持ちが表情にアリアリと見える。

「皆様の作る液晶パネルは軽くて薄いので素晴らしいです。アメリカのテレビやコンピューターには日本製の液晶パネルが使われています。アメリカでは製造出来ないのです」

ソコラッテイ教授が続ける、

「日本の工場が環境保護に大変努力しているのは十分知っています。でも液晶パネルはまったく新しい工業製品です。現代の科学では予想もつかない隠れた環境汚染が起き、皆様の健康を知らず知らずのうちに損なっていたら大変です。

そこで今日は皆様と一緒に環境汚染の可能性を相談したくて参りました。企業秘密も含めて今日の話に出たことを報告書へ記述する場合は必ず皆様の許可を頂きます。勿論、守秘義務契約書は同行した藤山さんを通して届けてあります」

そして、ソコラッテイ教授が同行者のケンの仕事を温かく紹介する。会議室の中がなごやかになり何でも気安く相談出来る雰囲気になる。

ソコラッテイ先生が良い雰囲気を作りながら鋭い質問をする。企業秘密スレスレである。雰囲気が悪くなると、夫や子供の話をユーモア交じりで紹介する。

いつの間にか、日本側は企業秘密など気にしなくなり、何でも話してしまう。その上、断って来た工場見学までさせてくれる。同行したケンの紳士的な態度や善良そうな表情が双方の信頼感を一層強める。心と心の交流で情報を集める。

書面のアンケート調査では集めにくい、文書化しにくい情報を丹念に集める。

          

        @情報収集のプロとは?

10ケ所の工場の調査の後、帰りの新幹線の中で聞いた、

「先生の情報を引き出すテクニックは凄いですね!何時もこいう方法で情報を集めるのですか?」

「藤山さんは、テクニックと言いますが、これは心の持ち方の問題です。環境情報は科学では解明できない未知の現象を取り扱うので、どうしても相手との深い交流が必要なのです。アメリカの工場へ行っても今回と同じような話し合いをしますよ」

3ケ月後、彼女からアメリカ環境省へ提出する報告書の原稿が、訪問した10ケ

所の工場へ届いた。電話で確認したところ、どこの工場からも訂正の要求が出なかった。

ある工場長が独り言のように言ったことが忘れられない、「あの会議では、企業秘密もつい喋ってしまったが、そういう部分は見事にはずしてある。あの人はプロだった!」

相手の信頼を得る。これが情報収集のプロと素人の境目と知る。(終わり)

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今日も皆様のご健康と平和をお祈り致します。藤山杜人