日本には建造物で国宝になっているものが214もあります。それを知らないで何となく立ち寄ったお寺が国宝だったという経験があります。よく行く山梨県で何気なく立ち寄った勝沼の大善寺と山梨市の清白寺は後で国宝建造物ということが分かりました。いつ行っても観光客がいなくて深閑としてゆっくり建築様式を観察することが出来ます。
近所の東村山市にも東京で唯一つの国宝があります。東村山市野口町4-6-1の正福寺の地蔵堂が国宝です。東京には意外にも国宝建造物が一つしかありません。
そこで急に好奇心が出て、国宝建造物の全国の分布を調べてみました。そうしたら、日本の国宝建造物(http://www5f.biglobe.ne.jp/~housi/index.html)というHPがありました。その中に、日本の国宝建造物一覧:(http://www5f.biglobe.ne.jp/~housi/1kokuhoukennzoubutuitirann.htm) というページがあります。それを見た私はショックを受けました。国宝建造物で知っているものが少ないのです。有名でないのに国宝になっている建造物が非常に多いのです。
関東、東北で国宝建造物と言えば、皆様ご存知のように平泉の中尊寺、松島の瑞巌寺、日光の東照宮、出羽三山神社、などが有名です。京都、奈良には有名な国宝が沢山あります。しかし、あまり知られて居ない国宝建造物のほうが多いのです。
正福寺を訪問する度に「有名な国宝」と「そうでない国宝」の違いを考えながら散策します。公表されている国宝審査の基準を考えています。
1、学術的価値の大小、
2、美術的価値の大小、
3、建築年代が科学的に判明しているか否か、
などで決めるそうです。
観光客の来ないさびれた所にある隠れた国宝は確かに素晴らしいものです。特に独りでゆっくり見て、当時の建設の事情や様子を考えて散策すると素晴らしい境地になります。学術的価値にはそれなりの意味があります。
しかし観光的価値の大小はいっさい考慮されません。ですから疑問に思うこともあります。何故、鎌倉の建長寺や身延山の日蓮さんが晩年を過ごしたお寺などは国宝にしないのでしょうか?小生は日蓮宗の信者ではありませんが不思議に思います。
従って、神社佛閣、あるいは五島列島のキリスト教の教会を観光的価値の大小でランキングをつけるのも良いと思います。
国宝建造物の指定はいわゆる学識経験者という専門家が学術的価値で決めます。それは玄人向けの指定であって、素人の観光客の評価とは一致しないことがあります。
建物が美しい。交通が便利なところにある。入場料が適正である。境内はよく掃除がしてあり清潔なトイレがある。などなど観光客が楽しめることが重要ではないでしょうか?国宝はお役所が決めるので、どうしても素人の感情と合致しないことがあるのでしょう。一度素人の投票で国宝を決めたら面白いと思います。
それはそれとして、皆様の近所にはどのような国宝建造物がありますか?
今日も皆様のご健康と平和をお祈り致します。藤山杜人
下に東京の唯一つの国宝建造物の正福寺の地蔵堂の写真を示します。
撮影場所;東村山野口町4-6-1正福寺(交通は西武新宿線、東村山駅下車、西口を出て徒歩10分。案内板など無いので地図持参のこと。車の場合は新青梅街道から村山貯水池方面へ北上し西武園正門方面へ行く道を右折して「宅部通り」を東進する。しかし車で行く道は物凄く分かり難いので初めての方は付近の地図をよく研究してから行くこと。)撮影日時;2008年3月3日午後1時から2時