仏教でもキリスト教でも日本人が信じる場合には、当然ながら日本の伝統文化になじむように部分的な改変が行われます。パレレスチナの死海の近辺に住んでいたイエス様の教えはヨーロッパに伝わり、一方ではギリシャやロシアの東方諸国へ伝わりました。日本へ伝わったのはスペインのイエズス会士のザビエルによってでした。
一方、明治維新直前に、東方へ伝わったロシア正教が函館に伝わり、やがて神田のニコライ堂が出来ました。
キリスト教は経由してきた国々の伝統文化になじむように変化しながら、日本へやって来たのです。そこで私は日本的に変化するキリスト教に興味がありました。
今日は日曜日なので、その事を簡単に書いてみます。
若い頃、世界各地の民族の生き方に興味があり色々手当たり次第に雑然と本を読んでいました。その雑多な本の中に、片岡弥吉の「長崎の殉教者」という本が混じっていました。昭和45年3月30日初版発行の「角川選書33」です。
隠れキリシタンはもちろん日本人ですが、何か別の種族のようで、興味本位に読んでいました。でも何か感動し、長崎市本原町35番地に住んでいた著者の片岡弥吉氏へ手紙を出しました。丁寧な御返事をいただきました。
その返事に誘われて片岡氏の他の本を読み、その後で遠藤周作の「沈黙」を読みました。読む順序が偶然良かったので沈黙の意味がよく理解出来ました。戦国時代や江戸幕府の初期に捕まったキリシタンや外国人の神父を棄教させるために拷問にかけるのです。いくら長い間拷問を受けても神は助けに来ません。イエス様もマリア様も慰めに来てくれません。殉教して死が訪れるまで神は沈黙を守ります。これがカトリックの信仰です。どうしますか?
遠藤周作はこのような信仰のあり方に疑問を感じたからこそこの小説を書いたと想像できます。でも興味が倍加しました。神が困ったときに助けに来なくても良い。
そんな考え方を少し体験してみよう。一生続けるつもりは無く、気軽に洗礼を受けました。後で考えると遠藤周作さんのお陰で洗礼を受けました。
遠藤周作さんのキリスト教の理解はヨーロッパのカトリックから見ると異端的な部分が少し混じっているのです。しかしヨーロッパの理解が本当にイエス様のお気持に沿っているでしょうか?遠藤周作さんはこのような疑問にしたがって、「沈黙」を書きました。その結果、日本人でカトリックの洗礼を受ける人が増えたのです。
時々、カトリック小金井教会に来てくれて日曜日のミサを上げてくれるある神父様がいます。「私は遠藤周作さんの本を読んでから、神父になる決心をしました」と何回も説明していました。
皆様も遠藤周作のキリスト教に関係した数冊の本をお読み頂くと、「日本人ための日本人の信じるキリスト教」がご理解できます。
片岡弥吉や隠れキリシタンは遠藤周作などの言葉をキーワードにして検索すると多くの情報が得られます(終り)
優勢な武器と近代的に訓練された軍隊が先住民の住んで居る地方に侵入し、先住民を殺戮し、自分達の開拓民を送り込む。これは1500年頃の大航海の時代以後、地球上のあちこちで起きた歴史です。
北アメリカではイギリスから独立したアメリカ合衆国の近代的な騎兵隊がインディアンを次々に制圧していったのです。銃の数が圧倒的に多いばかりでなく、騎兵隊の戦術は統率がとれ、個人的な戦いに終始したインディアンの敵ではなかったのです。それこそ不平等な争いの数々だったのです。負けたインディアンの悲劇は、敗北した事実だけではなかったのです。勝った白人の下で、自分の屈辱感を隠しながら、外見上は真面目に働き通うす苦しみにも有ったのです。
ジャレド・ダイアモンド著、倉骨 彰 訳の「銃・病原菌・鉄」の上巻の第4章にインディアンの苦しみが書いてあります。1956年、著者がモンタナ州のある農場の手伝をしていた時の体験談です。一緒に働いていた人々は粗野な言葉使いをする白人の荒くれ男です。しかし一人だけブラックフット族のレヴィという名のインディアンがいました。彼は温和で礼儀正しく、責任感があり、真面目で言葉つかいも丁寧でした。著者はすっかり親しくなり、尊敬するようになります。しかし尊敬が突然 裏切られるのです。とてもショッキングな光景を見てしまったのです。ある日曜日の朝、レヴィが2日酔いでふらふら歩いているのです。しかも大声でわめいています。「農場主の白人のくそったれ野郎!あんちくしょうを、ヨーロッパから運んで来た船もくそったれ!!」。
外見上では紳士的なレヴィは内心では何時もそのように考えていたのです。著者はショックを受けると同時に、それまで白人の学校で教わった西部開拓の偉業は誇るべきことで無いことに愕然とするのです。
著者のジャレド・ダイアモンドは弱い民族の視点から人類の歴史を書こうとした原因の一つの体験でした。
アメリカインディアンとアイヌ民族は違います。そして琉球民族も違います。しかし「銃・病原菌・鉄」という本は日本人の私も考えるべき話が沢山書いてある本です。
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今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。藤山杜人
アメリカに現在居るインディアンの人口:
2000年の国勢調査では247万人[15]。部族ごとに見ると、最大の人口を持つ部族はナバホ、チェロキー、チョクトー、スー、チペワ、アパッチ、ラムビー、ブラックフィート(Blackfeet)、イロコイ、そしてプエブロである。
ニューヨークは全米の都市の中で最も多くのインディアンが住み、約8万7000人ものインディアン(モホーク族やモヒカン族など)がニューヨークで暮らしている[16]。
2003年のアメリカ国勢調査によると、アメリカ合衆国全体のインディアンの人口2.786.652名の三分の一が、3つの州に居住している(カリフォルニア州413,382名、アリゾナ州294,137名、オクラホマ州279,559名)。
上に示すいろいろなインディアンの写真と人口の情報はWikipedeaの「インディアン」の項目からの連載です。出典を記し、感謝の意を表します。