地震は大陸の地殻(大陸プレート)の下に大洋の底の地殻(海底のプレート)がもぐりこんだために起きると分かっています。堅い海底の地殻が堅い大陸の地殻の下に滑り込むのですから界面はギザギザに割れ、ストレスがある部分に溜まります。それが大きくなり過ぎて突然破壊と断層滑りが地下深くで起きます。当然大きな揺れが起き、それが地表へ伝わって地震となります。そしてそれが海底で起きれば大津波が発生します。
原因がこれほどはっきり分かっているのに地震の予知は殆ど不可能です。大陸プレートと海底のプレートの界面は地下数十キロ以上と深いので局部的なストレスの溜まった場所を探すことが不可能なのです。下の写真の真ん中近辺に横長の四角を描いた所が3ケ所あります。そこが地震の発生源になり易い大陸プレートと海底プレートの境目です。素人の私が描き込んだので正確ではありませんが大体正しいと思います。
この3ケ所の四角形の下に線が引いてあります。この場所が地震発生場所と示す為の線です。日本列島に沿った海底です。
海底の地殻(海底プレート)がゆっくり動くのは地球の内部で熔けているマントルが流れ動いているからです。太平洋プレートは毎年10cm位西へ動くそうです。
下の写真は太平洋海底プレートとフィリッピン海プレートが西方向へ動いてユーラシア大陸プレートの下に潜りこんでい様子を示しています。潜り込むとき、海底が削り取られ日本列島が出来あがっている様子をご理解下さい。
今回、三陸沖で大きな地震があり、悲しい事態になりました。つくば市の地質標本館には日本列島の東側で太平洋海底プレートがユーラシア大陸プレートの下にもぐりこんでいる模型の展示があります。上の写真はその一部です。
今回の三陸沖の地すべりは一回だけでなく、近辺の福島沖や茨城沖のストレスの溜まった箇所へ刺激を与え、連続的に地下の地すべりが起きたようです。
地下の岩石が地割れして地すべりする現象は、「脆性破壊」というもので、予測が原則的に不可能です。ストレスが溜まった所は日本列島に沿って太平洋側の海底にあります。誰も何時、地すべりが起きるか予想がつかないのです。
上の説明では、地質学の専門用語を素人の私が分かり易い言葉に変えています。間違いもあると存じます。しかし専門家が、お許し下さいますようにお願い致します。
人間は莫大なお金を使って広い宇宙へロケットや宇宙船を飛ばせています。そんなお金があればもっと、もっと足元の地面の下を研究して地震災害の防止技術を確立したほうが良いと誰でも思います。しかしそれが出来ないのが人間の知恵では出来ない悲しいところです。
被害者の人々が無事助け出されることをお祈り申し上げます。藤山杜人