後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

福島原発事故関連記事の訂正2ケ所

2011年03月29日 | 日記・エッセイ・コラム

福島原発事故関連記事の中で、ヨウ素131の半減期を30日と書きましたが、正しくは8日です。ご指摘下さいましたNTさんへ感謝します。有難う御座いました。

それからこのブログの記事で何度か「加圧水型原発」の図面を使用しましたが、福島原発は「沸騰水型原発」です。今日の記事で示した図面が沸騰水型原発の構造図です。誤解を招いたと存じますが、謹んでお詫び申し上げます。

ご指摘下さいました、旧友のKTさんへ感謝致します。有難う御座いました。

尚、この2つの間違いはこのブログの福島原発関連の記事の論旨にいささかも影響は御座いません。論議の構成と、流れにご注目して、私の言わんとしている趣旨をご理解下さいますようにお願い申し上げます。敬具、藤山杜人


大津波の動画集・・・ああ、神様はあまりにもむごすぎる!!!

2011年03月29日 | 日記・エッセイ・コラム

マスコミは福島原発事故の事を大きく取り上げています。しかし大津波により亡くなった方々は2万人以上です。その上、現在でも避難所で苦しい生活を続けている人が35万人以上も居るのです。街は崩壊し、瓦礫の山です。呆然とした人々は今後の生活へまだ心が向いていません。漁船も港も流されてしまったのです。

神様はあまりにもむごすぎます。この大きな災害を忘れないようにと、災害の動画集をご紹介しておきます。http://youtube-shocking.sblo.jp/article/43900370.html です。

この動画集を見ると今回の大津波は私達が背負って復興しなければならない国難と思います。

どうぞ東北の人々が1日でも早く前向きになるようにお祈り致します。


岩国、広島で見た義捐金を入れる人々・・・美しい心の絆

2011年03月29日 | インポート

今回の地震・大津波で意気消沈してしまい前から予約していた岩国や広島への旅をキャンセルしようと思っていました。しかし無傷の西日本の様子を見たら、自分の気持ちも上向きになるかと思い2泊3日の旅へ行って来ました。

行って少し元気になりました。東京から西の日本は以前と変わらぬ風景です。新幹線も自動車も元気よく走っています。その上、岩国や広島の観光地には東北への義捐金を入れる箱があります。何気なく見ていると大きなお金を老人や子供や中年の男女が入れています。岩国や広島のように離れた所に住んで居る人々も心を寄せて助けようとしているのです。店やレストランの人々も東北の災害を自分の事のように悲しんでいます。それがチョットした会話に出て来ます。ああ、人々の絆は美しいものと知りました。日本中の人々が被災した人々へ心を寄せて、支援しているのです。

東方地方は必ず復興します。日本はやっぱり素晴らしい国なのです。そんな確信を持って旅から帰ってきました。下に岩国の錦帯橋の傍にある公園に咲いていた八重桜とアンズの花の写真をお送りします。人々の美しい絆を示すような花と感じながら昨日撮ってきました。被災者の皆様、家族、親類、友人の皆様、岩国や広島の人々の美しい心をお感じ下さい。

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福島原発の何処が壊れたか?・・・もう安心だが、、、、

2011年03月29日 | 日記・エッセイ・コラム

福島原発で起きた現象を冷静に考えて見ると、その全体像がほぼ想像できます。地震・大津波が起きた後に起きたもろもろの現象を「起きた順序」に従って想像をまじえて整理します。この整理をすると今後起きるであろう危険な現象がある程度想像出来るので心の準備ができます。

(1)大地震によって緊急スクラム装置が作動し、核連鎖反応を停止する事に成功した。

制御棒のボロン・カーバイト棒が燃料棒の間に挿入され、核反応が緊急に停止したのです。この地震によって原子炉の配管や冷却系統は損害を受けず、正常に冷却水が循環していたと想像出来ます。女川原発や茨城県・東海村の東海原発は緊急停止後も正常に冷却を続行していたのです。

(2)数十分後に襲った大津波で冷却システムと緊急発電機が流されたり、海水をかぶって全ての冷却水が止まってしまったのです。女川原発と東海原発は津波対策のお陰で津波襲来後も冷却系統が動いていました。

(3)炉心高温化で残留水と燃料保護管のジルコニュウムが激しく反応して大量の水素ガスが出来て、その圧力で炉心圧力容器を更には原子炉格納容器のあちこちの小さな割れや損傷から沁み出して水素ガスが建屋内に充満したのです。

水素ガスが沁み出したということは放射能物質も水蒸気と一緒に格納容器に充満したという事になります。

(4)建屋内に充満した水素ガスが大爆発したのです。この衝撃の大きさは建屋の鉄筋コンクリートのコンクリートが粉々になって飛び散り、鉄骨だけがグニャグニャになった事から理解できます。この爆発の衝撃で、原子炉格納容器と炉心圧力容器に繋がっている数多くの配管や配線が繋ぎ目で壊れてしまったと想像出来ます。

この状態で、自衛隊と消防庁の献身的な注水で外部から冷却することに成功しました。しかし水素爆発で建屋内に充満していたヨウ素131やセシウム137が大量に空中に放散されたのです。

(5)格納容器に繋がる多くの配管や配線が繋ぎ目で壊れたので、大量の外部注水によって炉心からの放射能物質が原発工場敷地や各種のトンネル内に拡散したのです。今後、原発近辺で強い放射性物質がつぎつぎに発見されるでしょう。

(6)原発近辺で強い放射能が今後発見されても大局的には安心して良い状態です。ただし復旧作業をしている人々の安全を守り、間違っても特攻的な精神が入って来ないように充分注意すべきです。今後のマスコミ発表に一々驚いたり、不安に思う必要はありません。

さてこの記事の題目にあるように何処が壊れたのでしょうか?その理解の為に沸騰水型原子炉の図面をもう一度ご覧下さい。

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ここで原子力発電という事を離れて、高温や高圧を使ういろいろな石油精製や合成化学の工場での爆発・火災事故の過去の例を振り返って見ましょう。するとその大部分の原因は配管からの可燃性ガスが漏えいして工場建屋内に充満して爆発・炎上したことが原因になっています。

今回の福島原発の水素爆発も良く似た現象です。上の原子炉の炉心圧力容器と格納容器には図面には描いていない数十、いや数百の配管や配線が貫通しているのです。その付け根の部分が割れるのです。大きな容器に、それとは成分の違う合金製の配管を溶接で付けるのです。難しい技術です。その上、水素爆発の衝撃と応力は数多くの配管付け根に集中します。割れないとしたら奇跡です。

話は飛びますが、敦賀の新型原発の「もんじゅ」は熱交換に使用していた高温の液体ナトリュウムが漏れて、水蒸気爆発をして建屋の外へ放射能が漏れた事故でした。液体ナトリュウムが漏れた場所は温度測定用のステンレス管の付け根だったのです。今後、調査が進めば原子炉のいろいろな所の割れや損傷が見つかります。それをマスコミは大げさに取り上げるでしょうが驚いたり怖がったりする必要はないのです。そのような割れや損傷は初めの頃の水素爆発で、すでに出来ていたものなのです。問題は原発周辺や東北地方の放射能の強さを毎日見守ることです。幸いこれらは最近減る傾向を示しています。もう安心して良い状態へ収束しているようです。

今日は福島原発現場で復旧作業をしている方々の安全を心からお祈りいたします。間違っても特攻精神を発揮しないようにくれぐれもお願い致します。藤山杜人