今朝、掲載した枝野官房長官を称賛する記事へたいしてコメントを投稿して下さった「なみ」さんのブログに「世界中から届いた心強いメッセージ【東北地方太平洋沖地震】」という記事があります。是非お読み下さい。勇気づけられます。URLは、http://matome.naver.jp/odai/2129995896147047401です。
(下の写真の出典:http://matome.naver.jp/odai/2129992391446744701/2129996954547082903)
岩手県の北の方にある大槌町も大津波で壊滅しました。しかし生き残った人々の為に避難所が山沿いのあちこちにあります。
大槌町中学校のある中年の男性の教師の話です。今朝のテレビで見たので多くの方々もご覧になったと思います。
彼は避難所を一軒一軒回って、叫んでいます。「大槌中学校の生徒はいないか!」と。返事がありません。彼は泣きそうな顔になります。そしてその避難所の入り口の掲示板に大槌中学校はしばらく休校になるという張り紙をしています。彼が担任をしているクラスの多くが行方不明の様子です。彼は本当に悲しそうです。
最近、人間同士の絆が無くなったとよく言われています。しかし師弟愛は確かに存続しているのです。大津波は大悲劇ですが、それによって人間の絆が強くなっているのです。そんな美談を見たら、これからも書き続けて行きたいと思います。
大槌中学校の生徒が一人でも多く無事であるようにお祈り申し上げます。(続く)
http://rocketnews24.com/?p=81025に出ている記事を読むと枝野官房長官の仕事ぶりが絶賛されていることが分かります。その記事に出ていた彼の写真を下に掲載します。私はこのブログで枝野さんの広報ぶりは立派だと褒めて来ましたので大変満足しています。彼の政治家としての素顔は知りませんが今回の仕事ぶりは確かに称賛に値します。
何故、枝野さんの広報が立派かというと、技術専門家の言うことをまず深く理解して、その上、自分で一般人の不安も考えて発言しているのです。自分が理解していない事は一切喋りません。不眠不休の情報収集をしていながら何度も記者会見をしています。そして忙しくても必ず一つや二つの記者からの質問を注意深く聞きます。質問の意図をよく理解してから簡明な返事をします。絶対にはぐらかりたり、逃げたり、誤魔化したりしないのです。凄く広報の上手な政治家だと感動しました。父親が総理大臣や外務大臣だったFさんやAさんが官房長官をしていたらはたして広報活動をこれだけ上手に行ったでしょうか?
それに比較して東京電力側の広報担当者の下手なプレゼンぶりにはア然としています。何が問題で、一般の人々が何を不安に思っているか、自分で考えようともしません。自分の所属する会社の名誉と利益を守ろうともしません。現場から上がってくる断片的な技術情報を日本文学的レトリックで話します。要するに逃げです。誤魔化しです。それがどれだけ東京電力の立場を悪くしているか考えていません。
二つだけ例をあげます。
原発の建屋の中にいた技術者が逃げる途中で「海水注入ポンプ」が全て大津波にさらわれたのを目撃しています。詳しいことは今朝の読売新聞の30ページ目の「ポンプが次々流された」という副題のついた記事をお読みください。建屋4つの周囲にあったポンプなどの付帯設備が綺麗に流され更地になっている写真もあります。
この事実を広報は大々的に発表すべきです。それさえ初めに公表していれば一般の人々はその後の悪戦苦闘ぶりへ理解を示し、精神的な支援をします。そうすれば東京電力の名誉もある程度守れたのです。
もう一つは地震発生と同時に緊急スクラムは正常に働き、核連鎖反応は停止出来たと公表すべきでした。その上、制御棒の減速材はどのような物質で、それはその後、核燃料棒が損傷を受けても破壊されない設計になっていると公表すべきだったのです。この発表さえあれば今回の福島第一原発の事故はスリーマイル島の事故と同じで、核連鎖反応が止まらなかったチェルノイブイリ暴走事故と同じにはならないと誰にでも分かるのです。
東京電力のような大会社では広報担当の一社員が勝手にそんな発表をしたら首になります。しかしそれを覚悟で広報にあたるという倫理性と態度が求められているのが今回の事故の性質なのです。
ついでに言わせて貰えば広報担当者は福島原発がアメリカのGE社の設計で、製作したのが東芝と日立だったという事を知らなかった様子です。それを公表すれば東京電力の名誉も少しは守れたのです。
広報担当者たる者は原発の歴史や事故の記録を深く理解し、自分なりの考えを持っているべきなのです。その上、噴飯ものは記者の質問を中途半端に聞いて、具合の悪そうな質問をはぐらかしたり、誤魔化したりしているのです。怒った記者が、「あなたは、私の質問へ答えていません」と言われているのです。
何故か、私まで恥ずかしくなります。
枝野官房長の記者会見ぶりを研究して広報担当とはどのような仕事なのかを改めて勉強しなおすべきです。広報が悪いと東京電力の全体の印象が悪くなるのです。
福島の現場で連日、危険も顧みず注水に努力している人々も同じ東京電力の社員なのです。その犠牲的活動へは深く感謝しています。しかし広報のやり方には全く失望せざるを得ません。全く困ったものです。(終り)
(上の写真の出典は毎日新聞:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110317-00000003-maip-soci)
福島第一原子力発電所には1号機から6号機までの6個の原発が設置されています。現在、放射性物質(セシームとヨーソ)の粉末や放射性物質を付着した蒸気が放出されているのは1号機から4号機までです。
しかしこの放出量は少なく、半径20Kmの範囲の住民が避難して、20Kmから30kmまでは自宅内避難をしています。
今後周辺の住民は、続く放射能漏れをどの様に見守って行けば良いのでしょうか?
政府の避難指示は現在までは妥当な内容と思います。しかし6つの原子炉の状態の今後の変化によっては避難範囲が拡大する可能性もあります。
自分で冷静に考えるためには3つの重要なポイントがありそうです。
(1)1号機、2号機、3号機については炉心が入れてある圧力容器に大きな穴が開いたか否かをマスコミ発表を注意して見ましょう。現在は配管の繋ぎ部分や配管そのものに小さな割れが生じ、そこから少量の放射性物質が漏れているようです。このままで推移して行けば大規模な被爆被害は起きません。最後まで炉心を包む圧力容器が持ちこたえる事を祈っています。
(2)定期検査で停止中の4号機は、貯蔵プール内に保管していた核燃料棒の崩壊熱でプール内の水が蒸発して水素が建屋内に溜まり、爆発しました。貯蔵プールは頑丈で気密な格納容器の外側にあるので放出される放射性物質の量が格段に多くなります。同じく、3号炉の貯蔵プールでも同じような危険な状況が出ているようです。他の場所にある貯蔵プールの状況へも注意しましょう。
放出される放射能がマイクロシーベルトからその1000倍のミリシーベルトに長期間上がったら危険信号です。
(3)定期検査で停止中の5号炉と6号炉の核燃料貯蔵プールの水温が上昇中という報道もあります。これが続くと、水素爆発を起こし、4号炉と同じく危険になります。こちらの状態のマスコミ報道も冷静に見守りまししょう。
以上を要約すると1号炉2号炉、3号炉は炉心を包む圧力容器の大きな割れの発生を注意深く見守る事が重要です。そして定期検査で停止中の4号炉、5号炉、6号炉については核燃料棒の貯蔵プールの水温の発表に注意しましょう。4号炉は既に干上がって、水素爆発をしています。5号炉と6号炉もこのようにならないように見守りましょう。その他の敷地内にある貯蔵プールの状態にも注意しましょう。
最悪の場合は避難指示が20Kmから30Kmへ拡大される可能性がある事に物心両面の準備は大切と信じています。
最近、携帯電話で交換メールが多数あり、科学的根拠の無いものが多くあります。デマを送って他人が怖がるのを面白がる心理もあるようです。例えば東京の人も名古屋や大阪へ避難し始めたというような類です。この携帯交換メールのせいでスーパーで買い占めが起きています。ガソリンスタンドにガソリンが無くなりました。
東京の人々が慌てるのはナンセンスで見苦しいものです。もっと冷静にそして科学的に事態の推移を見守りたいと思います。
今日は地震・大津波故に避難している人々、そして原発事故の故に避難している人々へ充分な食料と燃料が一刻も早く到達するように心からお祈り申し上げます。藤山杜人