戦前生まれの高齢者は停電・断水・薪炭絶無の生活体験があります。しかしそれも65年以上も前の事で忘れてしまっていました。
今日になって仙台に居る2人の弟夫妻と電話がつながりライフラインの無い日常生活の様子を聞きました。電気だけは昨夜来たそうですが、水は給水所へ行かねば手に入りません。車のガソリンの品薄で入手困難で車も使えません。マンションの10階に住んでいますが、エレベーターが使えず階段の上り下りが大変だそうです。姪は外科医なので怪我人の手術で徹夜で働いているそうです。電話を聞きながらどちらの家族も平常心で生活しています。不平や不満を言いません。
今日のテレビでは荒れ果てた街道を歩く人々、壊れた家のかたづけをしている人々の様子が写っています。インタビューで感想を話しているのも聞きました。自分の家族を失ったり、家が無くなったのです。それなのに実に落ち着いて、丁寧な言葉で何が起きたか説明しているのです。
その態度に感動します。
その上、ガソリンスタンドで長蛇の列の車が順番を待っています。インタビューしても怒るわけでもなく行儀が良いのです。コンビニでも食糧品が売り切れて、閉店しています。
人々がパニックになって、商店や倉庫を襲って略奪しても不思議ではない状況です。しかし冷静で、静かで、礼儀正しいのです。
今日の新聞では、中国のある新聞がこの日本人の立派な態度を絶賛していると報道しています。
この状況を見て、頭が下がります。昔の戦前・戦後の窮乏時代には人々の心も荒れ果てていました。強盗、スリ、カッパライは日常の事で凶暴な犯罪が毎日起きていたのです。あれから65年。最近の若い日本人の礼儀正しさには深い感慨を覚えます。ああ日本は立派な国になったと誇らしく思います。救援活動も命懸けで行われています。航空自衛隊は救難救助用のヘリコプターだけでなく攻撃用戦闘ヘリも動員しています。アメリカの太平洋艦隊は三陸沖へ救援のための艦艇を派遣しています。
世界中の56ケ国は救援隊を送ろうとしているそうです。
戦後、日本人は一致団結して復興に邁進したように、今回も団結して立派に復興するように頑張りたいと思います。