大津波の惨状の様子を見る度に悲しい気持にさせます。テレビで映像が流れると悲痛な思いにとらわれます。亡くなった方々の為に、私も喪に服しているような感じがいたします。
それが昨日、突然明るいニュースが流れたのです。津波に洗い流された石巻市の瓦礫の中から助けを呼ぶ声がしたそうです。警官が近づくと倒れた家の屋根の上にいる少年が、「オーイ、この下におばあちゃんが居る!」と叫んだそうです。石巻署の清野陽一巡査部長、佐藤秀一巡査、春日大策巡査、千葉知洋巡査の4人が瓦礫を懸命に掘り、中に横たわっていた おばあちゃんを助け出し、上で叫んでいた孫と一緒にヘリコプターで病院へ運んだそうです。2人とも大変元気でいろいろな事を喋ったそうです。
2人は、阿部寿美(80歳)さんとその孫の阿部任(16歳)君です。
2人が一緒に2階の食堂で食事をしている時、地震・大津波に襲われ家ごと流されたそうです。家は原型をとどめない程に壊れましたが、2階の食堂はやっと這って歩ける空間が残っていたそうです。倒れた冷蔵庫で動けない おばあちゃんの為に孫の任君が活躍です。暗い空間で乾いた布団を引っ張り出しタンスの上に敷き、ばあちゃんを寝かせます。自分もダイニングテーブルの上に寝ました。家が潰れていて外に出られません。そのまま おばあちゃんと孫が9日間も過ごしたのです。幸い倒れた冷蔵庫には水やヨーグルト、菓子などの食品があったのでそれを食べていたそうです。津波に襲われた直後に任君から父親の明(47歳)へ携帯電話が50秒だけつながって、ばあちゃんと元気で食堂にいると連絡があったそうです。勿論、父親は必死で家を探しますが元の場所には何も無く、家が何処へ流されたかも見当もつかなかったそうです。
明るい話です。9日間も元気に生き延びたという事は間違いなく人々へ勇気を与えます。しかしもう一つ私が感動した事があります。それは、おばあちゃんと可愛がっていた男の孫という組み合わせが良かったのだと思います。ばあちゃんと孫の間に強い愛情があったからこそ、9日間のしのげたのです。私はそのように信じています。発見した警官へ、「この下に、おおばあちゃんだ居る!」と真っ先に叫んだのです。
老妻がこのニュースを見て嬉しそうにしています。これから3人の男の孫が今以上に、ばあばの話し相手にさせられそうです。
それはそれとして石巻市で孫とその おばあちゃんが9日間元気に生き延び、救出された事に心からのお祝いの言葉をお送りしたいと思います。本当に良かったです。そして希望の光が多くの方々に射しますように。