後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

私は仙台平野には津波が来ないと教わっていた!

2011年03月15日 | 日記・エッセイ・コラム

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1936年(昭和11年)に生まれ1960年まで仙台に住んでいました。小学校や中学港で三陸地方の津波の恐ろしさを何度も教わりました。リアス式海岸で、山々に挟まっている集落や町へ津波が上陸すると高さが3倍、4倍にもなると教わりました。ですから仙台平野のように平らな土地には津波は来ないと教わって、それを75年間信じていました。

しかしそれは大変な間違いでした。仙台市や石巻市などの平野部分に大津波が襲い、多数の死者が出たのです。平野なので高台が無く、避難場所が無かったのです。仙台の被害状況の写真を探して居たら、「東北地方太平洋大地震画像集」http://matome.naver.jp/odai/2129992391446744701/2129996962447084803 というサイトを見つけました。上の写真の出典はこれです。仙台市宮城野区の惨状です。

最近、テレビでは原子力発電の事故のニュースだけを報道しています。東北地方には2万人以上の死者と行方不明者が居ることを忘れないで欲しいので、この写真をお送り致します。

外国からの支援や救助隊の派遣も多く、96ヶ国が温かい支援を申し出ています。アメリカは艦隊を三陸沖に展開して三沢基地と連携しながら救助活動をしています。

中国の温首相も中国での大地震の時、日本人救助隊が感動的な働きをしたことを紹介して、中国も支援を惜しまないと言明しています。

私は耄碌して涙脆くなったのか、そういう外国からの温かい支援のニュースを見るとつい涙がこぼれます。

被災地の人々にとって非常に勇気づけられるのは、日本人や外国の人々の支援です。

どうぞ東北地方で悲しんで居る被災者へご支援の程をお願いもうしあげます。


4号炉で火災・・・やっぱり東京電力の情報開示に問題あり!

2011年03月15日 | 日記・エッセイ・コラム

4号炉は原子炉が止まっていたので問題無いというのが今日までの発表でした。

それが突然火災を起こしたのです。

先程のNHKの水野解説委員の説明によると、停止中の原子炉の核燃料棒の崩壊熱で貯蔵プールの水が干上がって、水蒸気が金属と反応して水素ガスが溜まり、引火・爆発したと言ってました。貯蔵プールは強靭な原子炉格納容器の中でないので煙と一緒に核燃料中の放射性物質が空に舞い上がったそうです。

そのせいで周囲の放射線の強さは以前の数百マイクロシーベルトから、いきなり1000倍になり数百ミリシーベルトへ上昇したようです。

使用済核燃料の貯蔵プールの水は循環させて自然崩壊熱を冷やし続けなければなりません。電源が無くてそれが止まっていたらしいと水野解説委員は言ってました。

この事態は格納容器に入っている原子炉の炉心のトラブルとは全く性質の違う事故です。直接空気中へ火災の煙とともに放射能をもった粉塵が空に舞い上がるのです。

そこで政府は警戒地域を半径30Kmへ拡大しました。

繰り返しますが、東京電力は4号炉は原子炉が止まっているので問題無いと発表していたのです。それが急に強い放射能をもった粉塵の発生源になったと公表しています。原子力発電の専門家の言うことが如何に信用できないかという一例です。

原子力関係者は原子力発電が好きです。愛してさえいます。実は私も好きです。

それだけに自分に都合の悪い情報は全て隠そうとする体質があります。その原因の一つは一般の人々の原子力へ対する感情的な嫌悪感にあります。それと一部の政治家が原子力反対運動を自分の票集めに利用するのもいけません。

その結果、冷静な科学的議論が出来ない状況になっています。

人々が安い電力を使いたいのは当然です。しかしどのような性質のリスクを背負うべきか科学的に考えるべき時期に来ていると思います。

その為にこそ、このブログでは敢えて今回の原子炉の重大な事故をいろいろな視点から議論をしているのです。

私も含めて全ての素人が今回の事故を科学的に議論したほうが良いと信じています。例えば、緊急スクラムが成功したのは専門家なら知っています。それを素人へ明快に教えようとしない専門家の態度に根本的な間違いがあります。それをコメントとして教えてくれた「緊急停止」さんへ感謝の意を表します。(終り)

下の写真は福島第一原子力発電所の遠景です。出典はWikipedea です。

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今夜の停電のために簡単なランプを作る・・・ローソクも電池も買えなかった方々へ

2011年03月15日 | うんちく・小ネタ

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昨日、ローソクと懐中電灯用の電池を買いに行きましたがどの店も売り切れで買えませんでした。

戦後の停電の時、石油ランプや燈明を作った経験があったので、あわてませんでした。窮すれば通じるという事をいやという程体験しているので停電など怖くありません。

そこで張り切って石油ランプ作成の材料と灯油を買いに行きましたところ、長蛇の列なので何も買わずに帰って来ました。家に戻ったら、家内が上の写真の様なピクルスの瓶とサラダ油を使った燈明を作って自慢げに笑っていました。聞けば石油ランプの臭いが嫌いなのでサラダ油の燈明を作って待っていたのです。脱帽です。しかし少し天麩羅屋さんの臭いがします。作り方を、coliss:http://coliss.com/articles/life/life-20110314.html から習って少し変えて試したそうです。

ポイントは二つあります。アルミ箔の浮き皿の中心に芯を通し、油の上に静かに浮かべる事です。油の下には水を入れ燈心の高さを調整します。その水に食紅を溶かして綺麗な感じをだします。                              

手前の3枚の板はローソクが買えた時の為に用意したものです。有り合わせの板に釘を打ったのですが、そのままではあまりに淋しいと家内がクレヨンで色をつけました。そのうちローソクも入手出来ると思います。

全ては、慌てずに自分で工夫すると何でも出来ます。ご参考になれば嬉しく思います。(終り)                                      


原発の核連鎖反応は止める事に成功したか、否か・・・それが最重要です!

2011年03月15日 | 日記・エッセイ・コラム

東京電力の情報開示は科学的体系性に欠け、海水が入ったか否かという現場的な情報だけを公開しています。これでは今後どのような現象が起きるか予想が出来ません。

素人にも理解出来るように、説明の順序が重要です。そして科学的論理の流れが明快でなければいけません。東電側の担当者の科学的訓練の欠如に驚いてしまいます。

まず、制御棒を急速に挿入して核連鎖反応を停めることに成功したのか否かを情報公開すべきです。一時的に成功しても制御棒は高圧高温の水蒸気と反応して消滅する可能性もあります。

核連鎖反応が止められない状態では巨大な反応熱で炉心温度は上昇します。もっとも核連鎖反応が止められても核燃料の自然崩壊で発熱があるとも言われています。現在、炉心温度が上昇しているのはどちらの原因なのか発表すべきと思います。

次に冷却系統が、緊急ジーゼルエンジン発電が作動せず運転出来ていない。これは何度も発表があったので明快です。

そうすると炉心に残っていた水が水蒸気になり制御棒(炭素)と燃料の被覆管のジルコニューム金属と反応して一酸化炭素ガスと水素ガスを発生します。それが高温の炉心の高圧容器内に充満し、高い圧力の気体になります。その圧力は数十気圧以上になる可能性があります。

ですからこそ一気圧くらいの海水を押しこもうとしても非常に困難です。

次は制御棒のなくなって、裸になった燃料棒だけが数十本ならんで立っている状況になります。

すると当然、核連鎖反応で高温になり被覆材のジルコニュームも中に詰まっているウラン酸化物も熔解し、炉心の底に溜まります。すると炉心を包んでいた圧力容器の底に穴があきます。そこから高いレベルの放射性物質が飛沫となって原子炉格納容器の中に充満します。原子炉格納容器は非常に丈夫に出来ているので、暫くは外部への放出は防止出来ます。

当然、東京電力側は原子炉格納容器をどのようにして守るのかという技術的戦略を立てていると思います。その戦略を公開すべきと信じています。

今朝の、「2号炉の核燃料が完全に露出した」という報道をみると、炉心高圧容器の底が融けて、穴が開く可能性が大きくなったようです。

最悪の場合は原子炉格納容器にも穴が開く可能性も否定できません。その場合の被害規模についても科学的に明快に説明すべきと思います。それがあれば必要以上のパニックは起きません。

枝葉末節の現場的情報公開だけでは今後の対策が立てようがありません。

大体、この危機は想定の範囲内の筈だったのです。高圧の炉心圧力容器内へ海水を注入する訓練をしていなかたようです。この辺が人的責任として今後検討されると思います。

完全にリスクの無い完璧な技術は存在しません。東京電力側は火力発電や水力発電も原子力発電も、そのコスト計算だけを考えて、それぞれの危険性の性質の違いを看過してきたようです。