このブログでは何時も新聞やマスコミの報道姿勢を批判してきました。雑すぎたり、視野が狭すぎたり、我田引水的過ぎたり、針小棒大だったり、兎に角公平でありません。その上、政府批判を繰り返ししていれば新聞が売れると思っているらしく政府のした良いことを一切報道しません。
しかし今日は新聞を褒めたいと思います。そして感謝の意を表したいと思います。
私は読売新聞を楽しみながら毎日読んでいます。ジャンアンツファンの家内が読売が好きなのです。以前は朝日新聞を取っていましたが、何時の時代だったか忘れましたが「赤」になった時代があって、それ以来止めました。
今日の新聞で、精読して深く満足した記事を書きます。
1、福井県出土の日本に棲んでいた恐竜の全身骨格の大きな展示会が東京タワーで12日から開幕するという記事。
2億年以上前の三畳紀、ジュラ紀、白亜紀の地層から恐竜が出て来ます。石川県と福井県には白亜紀の地層が露呈していて、そこを根気よく掘ったら恐竜の全身骨格が沢山出てきたのです。今日の読売新聞には巨大な全身骨格の写真が幾つか出たので興奮しました。この見事な生き物が6500万年前の巨大隕石の衝突によって一瞬にして絶滅してしまったのです。お釈迦さまの教える「色即是空」を思い出し、厳粛な気持ちになりました。この世にあるものは皆、空です。恐竜も、そして全ての人類も何時かは土へ帰るのです。その事を信じ、あらゆる執着心を捨てなさい。恐竜がその実例です。と、お釈迦様のお声が聞こえて来るようです。
2、東京の大田区には2、3世紀ごろに作られた前方後円墳などが10基もあるという記事です。私は学校教育しか信じていませんでした。前方後円墳は大和地方にだけある信じていました。そのように強調して教えれば万世一系の天皇の正当性を教えることになります。昭和天皇の偉さが強調できるのです。
ところが「さきたま古墳公園」には数基の前方後円墳の現物が公開してあるのです。
そして今日の記事では東京にも沢山あった事を報じています。詳しい学術調査の結果を公平に説明しています。その取材態度に感心しました。
ただ東京の前方後円墳は市街地に埋もれてしまい、「さきたま古墳公園」ように自分の足で古墳の上に登って、周りを見回す事は出来ないようです。
3、スンニ派とシーア派の違いを簡明に書いた記事がありました。
イスラム教徒の90%がスンニ派であとの10%がシーア派です。預言者ムハンマドの死後の正当な後継者争いで2派に別れた。シーア派はその後政治的権力の主流になったので数が増大した。両派とも酒は厳禁、豚肉は食べず、礼拝は毎日数回、と同じような戒律を守っている。日本のアニメのポケモンはイスラム教が禁じている進化論が出て来るのでスンニ派のサウジアラビアでは禁止。このように分かり易く書いてくれる読売新聞に感謝します。
余談ながら、これらをキリスト教や仏教と比較して考えると宗教の多様性が鮮明に理解できて興味が尽きません。
4、「渡辺貞夫の時代の証言者」では、敗戦直後にジャズが隆盛したいきさつをサキソフォン奏者の渡辺さんが分かり易く語っています。
その上、進駐軍が日本に溢れていた頃の世相をいきいきと描いていて面白いのです。その上、渡辺さんが大変お世話なった大恩人の秋吉敏子さんへの感謝の気持ちが何度も語られています。今日の記事では若くして自殺してしまった守安耕太郎さんへのしみじみとしたオマージュが語られています。
そしてクラシック界のフルートの林リリ子先生の厳しさが語られ、思わず笑ってしまいました。笑い事では無いのですが何故か可笑しいのです。渡辺さんの談話を文化部の西田浩さんが纏めた記事です。戦後の熱気に溢れています。今日が9回目で24回くらい続きます。
その他いろいろ面白い記事がありますが、この位で辞めます。
新聞の読み方は人それぞれ、全く自由で良いのです。
新聞の編集では、人それぞれ、どのような事に興味を持っても読める記事を公平に万遍なく掲載しています。その努力と、記事を書く人々の教養の深さには何時も感心しています。このように素晴らしい読み物が毎朝自宅に届くのです。感謝に堪えません。
それはそれとして、
今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。藤山杜人