経済産業省は北海道から九州で稼働中の54基の原子力発電装置へ対して緊急に津波対策を指示し、1ケ月以内に津波対策を完了するように求めています。しかし1ケ月間では根本的な津波対策は難しく、再び、大津波が起きた場合は福島原発の事故のような事故が繰り返されると思います。そこで自分が住んでいる土地から50km以内に原子力発電施設がある場合にはどのような心の準備をして置いた方が良いかを考えてみました。
(1)東北地方で大地震が起きたから暫くは起きないという考えは危険です。過去の地震の記録は1000年くらい前までしか明確に分かっていません。地質学的には1000年なんていう短い期間は一瞬の事であり、その間の地震発生の統計学的な研究や確率論は全く無意味です。それは科学的に全く意味の無い事です。ついでに言えば地震発生の原因をプレート滑り込みによる応力蓄積という説以外にも原因があると考えるのが科学的な態度です。例えば中国大陸の奥の四川大地震はどのような原因で起きたのか誰も説明出来ません。東京湾や日本海で大津波が発生するかも知れないのです。そのような想定外の自然現象へも心の準備をして置きましょう。
(2)大津波が付近にある原発工場を襲ったら、冷静に避難の準備をして置きます。津波の前に地震があります。その時、原発の緊急停止装置が動き、炉の核反応を停めます。しかし津波で原発が停電になったか、冷却装置が流されてしまったかをラジオ・テレビの報道に注意します。水素爆発までは数時間から数日ありますから、まだ実際に避難しない方が良いのです。避難する時持ちだす重要な水、食料、日用品、現金、貯金通帳、カードなどの非常用袋を手元に置いておきましょう。
原発事故の避難は長期になる場合もありますから重要書類は持ちだす準備をします。
(3)冷却装置が止まってしまったら、炉心から水素が漏れ出し、いずれ建屋に充満して水素爆発が起きます。その時、炉心近辺の冷却用の配管や配線が爆発の衝撃で壊れれます。水素爆発で放射能を持ったヨウ素やセシウムが空中に放散されます。
ここまできたら自主避難を始めれば良いのです。初めの水素爆発で、少しは放射能を浴びますが、短期間なので健康に害は無い筈です。充分落ち着いて車でゆっくり逃げます。逃げる前に各地方自治体の避難所を確かめて置きましょう。
(4)今回の政府の指示は半径20kmは全員避難、半径30kmは自宅待機という内容でした。これはあくまでも一つの目安と考えて、テレビで発表される風向きを毎日見て危険度を自分である程度判断しながら避難します。原発が風上にあり長時間それが変わらない場合は逃げ足を早めましょう。その反対の時は落ち着いて逃げます。
(5)自宅に忘れ物をした時は取に戻りたいものです。しかし放射能が降り積もっているかも知れません。短気を起こさず暫時、時の流れを待ちましょう。
それともう一つ怖いのは風評被害です。生活物資が届かなくなります。この事実にも心と物の準備もして置きましょう。
以上のように書くのは現在、福島県の人々の苦しんでいる状態を多くの人々に深く理解してもらい、全国の人々が福島県の人々を応援するように願っているからです。
そして東日本大地震・大津波で被害を受けた全ての人々へ全国の人々が現在以上に支援、応援することを祈っています。
今日も地震・大津波そして福島原発事故による全ての被害者が再び元気に立ち上がるようにと心からお祈り申し上げます。
季節がめぐれば、野山に下のように花も咲きます。皆で元気になりましょう!