後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

大津波・巨大地震の被災地の方々へ・・・そして2人の弟とその家族へ

2011年03月12日 | 日記・エッセイ・コラム

北海道、青森、岩手、宮城、茨城などの大津波と巨大地震の地域は地震発生以来24時間が経過しました。しかし停電中です。停電ですと固定電話も、100ボルトの電源が無いと使えません。コンピューターも使えません。その上、携帯電話は何度かけても通じません。仙台市に2人の弟夫婦やその子供たちが住んでいますが昨日から連絡が取れません。

家庭用の100ボルトの電源が回復したらコンピューターが使えるようになってこのブログを見てくれると思います。

そして被災地の皆様へのお伝えいたしますが、全国の人々が皆様のことを大変心配しています。大津波が仙台空港を襲う様子も、釜石の市街へ漁船が流される状況もみなテレビでよく見ています。被災地の言語に絶っする惨状も今日のテレビで休みなく放映されています。

全国の人々は息を呑んで自然災害の凄さを見ています。

被災地の方々は飲み水や食料の心配で大変です。自衛隊が活躍していますが、まだ救援を待っている人々が沢山居ます。

一方、全国に居る家族や親類はとても心配しています。すこし落ち着きましたなら、是非そちらからも携帯電話やメールやブログを用いて、「安否」をお知らせ下さい。

お願いします。

そして気を落とすことなく、復旧に努力されるように祈っています。

電気も無く、昨夜は真っ暗な上に、暖房器具も使えなかったと思います。心から同情いたします。どうぞどうぞ頑張って下さい。


巨大な岩盤がグニャリと曲がる・・・でも脆性割れの連続でです

2011年03月12日 | インポート

海底の堆積岩(水成岩)が湾曲して隆起して高い山々になる様子を説明した3枚の写真をお送りいたします。

まず一番上の写真の説明文を熟読してから、2枚目の写真をご覧下さい。湾曲した岩の上に生えている樹木と真ん中に立っている人間と比較して下さい。岩の大きさが分かりますね。

この岩を砕かないように慎重に切り取って、つくば研究学園都市の地質標本館へ運んで、展示してあるのです。3枚目の写真がそうですが、あまりにも大きくてその一部しか写せませんでした。

この3枚の写真を見ると、巨大な岩盤が飴か粘土細工のようにグニャリと曲がったように見えます。ですから塑性変形したと言いたくなります。

しかし、この前の記事で説明したように岩石は塑性変形しません。脆性割れをするだけです。

ですから一見、グニャリと塑性変形したように見えますが、岩盤の層と層の間に小さな脆性割れが無数に出来て岩盤全体が曲がったものです。

それは陶器の皿を割って、割れ目を少しずつ砕き、も一度接着剤で貼ると元の形とは少し違いますね。その連続が起きたのです。

平面の皿を二つに割って、割れ目を45度に磨きあげ、また貼っつけると直角に折れ曲がった皿ができあがりますね。それと似たような現象で、巨大な岩盤がグニャリと曲がったのです。「脆性割れ」こそが巨大地震の本質なのです。

前の、今回の巨大地震・大津波が何故予測出来なかった!!!という記事の補足説明です。

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今回の巨大地震・大津波が何故予測出来なかった!!!

2011年03月12日 | 日記・エッセイ・コラム

3日前に、昨日の巨大連鎖型地震とそれによる大津波が予測出来ていたら人命の被害は非常に少なかった筈です。

地震学者は何をしていたのでしょう?手をこまねいて巨大地震の起きるのを待っていたのです。そして起きてから何故起きたかと賢そうに解説するのです。地震学者はけしからんと怒りたくなります。

地質学のことを考えない人々はこのような感想を持ってしまいます。不平がつのります。しかし、それは素人の考えであり、全く間違った非難です。

昨晩、何故、今日の大地震と大津波が起きたのでしょうか? という記事を掲載しまた。450件ほどのアクセスがありました。

昨日のこの記事で日本の地震は太平洋プレートかフィリッピン海プレートがロシア・中国大陸(ユーラシア)プレートの下へ滑り込んだ時に蓄積された巨大な地下内部応力の爆発的開放によって起きることを説明しました。

地下にある巨大な内部応力の蓄積場所は日本列島の下に連なっています。内部応力が次第に貯まって、周囲の岩盤が耐えきれなくなると大規模な岩盤の割れと再配列が起き、巨大地震になります。海底が盛り上がって津波が起きます。

一回岩盤滑りが起き、振動が発生すると周囲の内部応力の貯まった場所をゆすって、其処でも岩盤滑りが起きます。連鎖型地震とか余震はこうして起きるのです。

以前の阪神大震災は神戸の直下型大地震で、余震はありましたがフィリッピン海プレート前線へ刺激を与えませんでした。連鎖型でなかったのです。

今回は岩手・宮城沖から震源が次第に南に下がりながら大地震が起きています。

さて何故岩盤滑りと再配列が予測出来ないのでしょうか?

それは岩石の物理的な性質による宿命です。滑りと言っても、それは「脆性破壊」による岩石の破壊なのです。

話を分かり易くするために鉄棒を大きな力で引っ張った時、鉄棒が切れる現象を詳しく見てみます。引っ張る力を次第に大きくします。すると初めは鉄棒がゴム紐のように弾性伸びをします。もっと引っ張ると降伏点を越して、粘土が伸びるように塑性変形して細くなって行って、終いには切れてしまします。これは鉄が弾性変形し、終いには塑性変形する物理的な性質を持っているからです。

一方、岩石を棒状に削り、大きな力で引っ張って見ましょう。引っ張る力を次第に大きくして行きます。しかし岩石は弾性伸びをしません。塑性伸びもしません。そしてある力以上になるといきなり割れてしまいます。この現象を脆性割れと言います。

この脆性割れの本質は予測がつかない事です。岩石の内部に存在する小さな割れ目の大きさと分布状態によって割れが早く起きたり、遅く起きたりします。

脆性破壊をする物の身近な例は、ガラスや土器、陶器、瀬戸物などです。

内部に存在する細かな割れ目を内部マイクロ・クラックといいます。この内部マイクロ・クラックの分布状態は岩盤の生成の過程で出来、非常に複雑で、不均質なものなのです。

地震が岩盤の滑りと再配列で起きることは分かっています。しかしその原因が岩盤の脆性破壊である限り絶対に予測がつかないのです。ですから地震学者を非難する事は本質的に間違っているのです。

困ったものです。人間に出来る事は地震が起きても人命の被害が可能な限り少なくなるような建物を作る事です。津波は内陸まで来ないような土木工事をする事です。

今日は巨大地震で被害にあった全ての人々のために心からの祈りを捧げます。そして復興の勇気が出て来ます様にお祈りいたします。藤山杜人