3日前に、昨日の巨大連鎖型地震とそれによる大津波が予測出来ていたら人命の被害は非常に少なかった筈です。
地震学者は何をしていたのでしょう?手をこまねいて巨大地震の起きるのを待っていたのです。そして起きてから何故起きたかと賢そうに解説するのです。地震学者はけしからんと怒りたくなります。
地質学のことを考えない人々はこのような感想を持ってしまいます。不平がつのります。しかし、それは素人の考えであり、全く間違った非難です。
昨晩、何故、今日の大地震と大津波が起きたのでしょうか? という記事を掲載しまた。450件ほどのアクセスがありました。
昨日のこの記事で日本の地震は太平洋プレートかフィリッピン海プレートがロシア・中国大陸(ユーラシア)プレートの下へ滑り込んだ時に蓄積された巨大な地下内部応力の爆発的開放によって起きることを説明しました。
地下にある巨大な内部応力の蓄積場所は日本列島の下に連なっています。内部応力が次第に貯まって、周囲の岩盤が耐えきれなくなると大規模な岩盤の割れと再配列が起き、巨大地震になります。海底が盛り上がって津波が起きます。
一回岩盤滑りが起き、振動が発生すると周囲の内部応力の貯まった場所をゆすって、其処でも岩盤滑りが起きます。連鎖型地震とか余震はこうして起きるのです。
以前の阪神大震災は神戸の直下型大地震で、余震はありましたがフィリッピン海プレート前線へ刺激を与えませんでした。連鎖型でなかったのです。
今回は岩手・宮城沖から震源が次第に南に下がりながら大地震が起きています。
さて何故岩盤滑りと再配列が予測出来ないのでしょうか?
それは岩石の物理的な性質による宿命です。滑りと言っても、それは「脆性破壊」による岩石の破壊なのです。
話を分かり易くするために鉄棒を大きな力で引っ張った時、鉄棒が切れる現象を詳しく見てみます。引っ張る力を次第に大きくします。すると初めは鉄棒がゴム紐のように弾性伸びをします。もっと引っ張ると降伏点を越して、粘土が伸びるように塑性変形して細くなって行って、終いには切れてしまします。これは鉄が弾性変形し、終いには塑性変形する物理的な性質を持っているからです。
一方、岩石を棒状に削り、大きな力で引っ張って見ましょう。引っ張る力を次第に大きくして行きます。しかし岩石は弾性伸びをしません。塑性伸びもしません。そしてある力以上になるといきなり割れてしまいます。この現象を脆性割れと言います。
この脆性割れの本質は予測がつかない事です。岩石の内部に存在する小さな割れ目の大きさと分布状態によって割れが早く起きたり、遅く起きたりします。
脆性破壊をする物の身近な例は、ガラスや土器、陶器、瀬戸物などです。
内部に存在する細かな割れ目を内部マイクロ・クラックといいます。この内部マイクロ・クラックの分布状態は岩盤の生成の過程で出来、非常に複雑で、不均質なものなのです。
地震が岩盤の滑りと再配列で起きることは分かっています。しかしその原因が岩盤の脆性破壊である限り絶対に予測がつかないのです。ですから地震学者を非難する事は本質的に間違っているのです。
困ったものです。人間に出来る事は地震が起きても人命の被害が可能な限り少なくなるような建物を作る事です。津波は内陸まで来ないような土木工事をする事です。
今日は巨大地震で被害にあった全ての人々のために心からの祈りを捧げます。そして復興の勇気が出て来ます様にお祈りいたします。藤山杜人