1962年にアメリカ留学から帰って来た後、日本民族の文化をもう一度深く考えるようになりました。在米中にアメリカ人からいろいろ質問され返事に窮した経験がその原因でした。広い分野の本を読みましたが、その中に隠れキリシタン関連の本がありました。
上の写真は長崎で1597年、慶長元年にに処刑された26聖人の像です。外国人6名と日本人20名がキリスト教を捨てなかったので処刑されたのです。
処刑は26名だけではありませんでした。棄教しないキリスト教徒を拷問にかけ30万人も処刑したのです。(30万人については確証はありません)。当時、日本に広がっていたキリスト教は、1549年にザビエルが伝えた天主教(カトリック)で、棄教は恥と思われていました。
1614年、慶長18年の大禁教令が出て、日本中のキリスト教徒は隠れて信仰を守る行動に入ったのです。それが隠れキリシタンです。
幕府は隠れキリシタンを摘発する為に「踏絵」を毎年、明治4年まで続行したのです。
この江戸幕府の厳しい禁教政策にも拘わらず、隠れキリシタンは251年も信仰を守ったのです。
1614年、慶長18年の大禁教令から251年目の1865年、元治2年に隠れキリシタン達が、下の写真のような大浦天主堂に現れたのです。そしてフランスから来ていたプチジャン神父へ、ザビエルの伝えた天主教(カトリック)を信じてきたことを告げたのです。
そのように信仰に誠実な日本人が居たのです。私は迷わず彼等の宗派に近づきました。そして1971年に家内と一緒に、カトリック立川教会の塚本金明神父から洗礼を受けました。その辺の経緯は又書きたいと思います。
それはそれれとして、
今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。藤山杜人
下に隠れキリシタン関連の本を少しご紹介しておきます。
(1)片岡弥吉著、「踏絵―禁教の歴史」、日本放送出版協会、昭和44年6月初版発行。
(2)片岡弥吉著、「長崎の殉教者」角川選書33、角川書店、昭和45年3月初版発行。
(3)ルイス・フロイス著、柳谷武夫訳、東洋文庫4「日本史1、キリシタン伝来のころ」、平凡社、昭和38年10月、初版発行。
(4)平川祐弘著、東洋文庫141「マッテオ・リッチ伝、1」、平凡社、昭和44年6月、初版発行。
(5)岡田章雄著、「バテレンの道」、淡交社、昭和45年12月、初版発行。
(6)松田毅一著、「キリシタン時代を歩く」、中央公論社、昭和56年7月、初版発行。
(7)加賀乙彦著、「ザビエルとその弟子」、講談社、2004年7月、初版発行。