後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

モネの睡蓮の絵と写真はこうも違います。興味深いですね

2011年06月04日 | 写真

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上の写真は昨日、神代植物公園で撮った睡蓮の花の写真です。

クロード・モネは睡蓮の絵を数多く描きました。その中から上の写真に近い風景のものを2枚選んで、下に示します。フランスの植物そして陽光の違いは明らかです。そしてモネは心に残った印象を描いたのでしょうか。印象派とはこういうものなのでしょうか。ほんの少しだけ解ったような気分になりました。

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古川 和男著、「核分裂エネルギー“ を全人類のものに!」、その二「脱プルトニウムの「新トリウムエネル

2011年06月04日 | 日記・エッセイ・コラム

1) 現行の原発体系には、未だ余りに多く未解決な問題がある。

基本政策は、「十分に経済的で、日本のみでなく世界市民の広
い賛同と積極的利用が促進されるもの」でなければならない。しか
し、OECDの見解でも「原発規模の現状維持」が精一杯に近い。 

2) 現状維持努力は必須であるが、同時に、その改善打開を「新技
術で積極的に実行」すべきである。 

3) 「極めて単純化された新トリウム熔融塩原発」により可能。

しかも、僅かの資金と期間で実用化可能で、下記のように現存の
諸難問のほとんど全ての解決に役立ち、世界に販売展開できるであ
ろう。 その一部のみを示すと:

① 高い安全性: 原理的に「重大事故」はありえない。
② 高い核拡散抵抗性:プルトニウムなど超ウラン元素が殆ど生ま
れず、また強烈なガンマ放射能で、核拡散・テロ利用防止に最適。
③ 核廃棄物の減.:同上の理由の他に、運転・保守作業の僅.化
で高・低レベル核廃棄物が大きく減.。プルトニウム消滅にも最
適。
④ 再処理作業の単純低廉化: 燃料体の溶解・再製造が皆無で、
圧倒的に単純かつ低廉安全な作業となり、しかも既存使用済み固
体燃料体を極めて単純・経済的に処理処分でき、えられたプルト
ニウム含有熔融塩燃料を熔融塩炉に有効利用できる。
⑤ 高性能小型炉型も経済的:単純常圧密閉炉容器でしかも小型で
も「核燃料自給自足」可能、工場生産で量産でき、世界展開容易。
⑥ 高い経済性: 上記から自明であろう。 単純で理想的原発。
⑦ 小さい開発費: 単純で開発項目僅.。しかも基礎開発完了し
ており、機器開発に「同じ高温融体炉のナトリウム技術」が流用
可能。
⑧ 早い実用化:初期燃料に上記の「プルトニウム含有塩」を利用
すれば、約10年強と1500億円で小型炉FUJI が完成できる。
⑨ 従って、現在の原発産業体系を全く乱すことなく、その困難課
題を打開救済しつつ、円滑に移行展開が可能である。

4) 今世紀中頃には、「世界の一次エネルギーの約半分」を供給でき
る極めて経済的で巨大な新原子力産業創生が、十分可能である。 

5) ただし、トリウムの利用には「その使用済みトリウム燃料の化
学処理」が必須である。そのガンマ線が強烈で軍用不能な代り、「固
体トリウム燃料」であれは再処理再利用が不可能である。従って
「熔融塩」が必須となり、しかもその作業が最良に単純化できる。

この様なもので初めて「CO2 半減を十分経済的に実現可能」
となる。 それに、日本が「先導的役割」を果たし、自らの繁栄と世
界の「環境・貧困」の救済によるテロ防止、を実現すべきである。

これは、70年にわたる「核エネルギー開発史」 の成果を再
精査して、実現可能な「最良の新核燃料増殖システム」:トリウム熔融
塩核エネルギー協働システムを構築したものである。

【この構想は、1997年に日・米(含オークリッジ研)・露・
仏・印・IAEAなど世界の熔融塩炉専門家24名の会議で、全員
の支持を得た。さらに、仏電力庁などの他、例えば米大統領科学
技術補佐官Allan Bromley, John Gibbonsの激賞を得ている。既
にロシア核弾頭開発研究所(Inst.Tech.Physics, Snezhinsk)が
建設を希望し、露政府が支持承認している。 また、チェコ・ト
ルコ・ウクライナ・べラルース・ベネズエラ等々にも優れた協力
者がいる。

国内では“「原発」革命”(文春新書,2001, 2008:1.5万部販売)
が広く読まれ、NPOが法人化され市民にも支持が広がっている。】

その積極的な「実用化作業」開始へのご協力を、強く要請したい。 (完結)


古川 和男著、「核分裂エネルギー“ を全人類のものに!」、その一

2011年06月04日 | 日記・エッセイ・コラム

2010.7.25 :「核分裂エネルギー“ を全人類のものに! 」  IThEMS 古川 和男

はじめに:

19世紀末に始まった「核科学」の成果として、大戦中に明らか
になった「核分裂エネルギー」は、戦中であったのもあり軍用が優先
する不幸な歴史を辿りはじめた。

その利用は、既に世界一次エネルギの数%を占めている。しかし
現行の原発体系には、まだ余りに未解決な問題が多い。安全性・核拡
散・核廃棄物などであり、炉代替期に向かい、現状維持に苦心してい
るが、もっと大きく社会に受容され活用されるべきである。

何がそうさせているかを考え、原発業界のさらなる繁栄を目指す
のが核科学者の使命である。全人類・地球のために!

(A) 「核分裂」は、本来「自然現象」。

天然ウラン中のU235濃度が高かった二十億年前には、ガボンのウ
ラン鉱山で雨水によって「天然原子炉」が稼働していたのである。発
見されたのは1972年だが、その16年前には優れた放射化学者黒田和
夫博士が見事に予測していた。それ位、自然な「現象」である。

(B) その「本質」は?

或る種の重原子核(U233, U235, Pu239, Pu241など)に中
性子をもう一つ加えると、其の原子核が不安定になりほぼ2つに分裂
し、超異例に大きな「核化学反応エネルギー」を放出するのがこの「核
分裂」である。(次に大きいエネルギーを出すDT核融合の1ケタ上。)

その消費燃料量は化石燃料の百万分の1であっても、原子核物質
が変化する「化学反応」である。従って、当然なこととして「化学工
学装置」となる。もっと、明確にいうと:

この核分裂反応遂行、その反応生成物処理処分、使用可能な残渣
の処理・再利用を経て、次の核分裂反に循環させる「核燃料サイクル
化学工学」を完成させる仕事が『事業の本質』である。直接有用な「発
電」などは、其のごく一部の作業に過ぎない。

(C) 戦後の「原発開発史」は間違っていた。

全てが“間違っていた”訳ではない。3,40年前までは例外が
あった。しかし大局は「戦中から始まった」ために、まず良いPu生
産炉、次いで良い発電装置の完成が余りに強く「志向」され、「優れた
合理的“核燃料サイクルの完成”との関連・整備への配慮」は『副次
的で視野に入れないに近かった』と言っても過言でない。(これは、最
近の第4世代原発論議にも殆ど言えるであろう。)

「軍用」では、「良いエンジン」が得られれば最高で、その後は知
らぬ何とでもしてくれ、という姿勢に成るのが自然だったのであろう。

(D)「初心」に戻ろう!

上記の指摘は、全く「奇をてらう」ものではない。大戦中に既に
「明白に確認されていた原則」である。それが、上記の様に時運に乱
され忘れ去られて居たのである。

1930年代に重要な4科学者がブダペストから米に亡命してきた。
その一人がEugene Wignerで(他はTeller, Szilard, von Neumann)、
最初の原爆用Pu生産炉を実用化させたが、その後戦中シカゴ大学で催
された「原子炉セミナー」で、ノーベル学者たちの協力をえて彼が中
心になって結論づけたのが、(B)で述べた原則なのである。しかも「化
学工学装置ならば反応媒体は“液体”が望ましく、その“理想形態の
原発は恐らく熔融弗化物塩燃料炉”であろう。」とまで予言していた
のである(1)。

「熔融塩炉」まで一気に論ずると本当かと驚かれるであろうが、
彼に従ってORNL(米オークリッジ研究所)を整備した高弟のAlvin
Weinbergが次代所長として、その後「熔融塩炉」の基礎開発を成功さ
せたのである(1945-76)。

(実は、上記原則を理解した世界の指導者達は、競って種々の「液
体核燃料炉型」開発を志したが、他は皆「失敗」した。詳細略(2)。)

(E)しかし、巨大R&D投資はもう望むべきでない。

“初心に戻れ“と提唱したが、四,五十年前の「良き時代」とは
本質的に異なるのを軽視してはならない。その詳細を専門的に論ずる
余裕はないが、諸国がよく「40年後の新炉型実用化」を言っているが、
40年間も個人が「緊張を持続してあるPROJECTに専念」する事はあり
得ない事からも、虚構であるのは自明である。

我々は、現実に「現原発産業」を何としても30-40年は利用する
使命を持っているが、その間にもっと「合理的な新技術産業」を恐ら
く数十倍の規模で準備し、未来に答えねばならない。

それを、出来るだけ「社会負担」.なく実現・移行させるべきで
ある。その様な事が出来るのであろうか?

「不可能」と思って当然であるが、戦後は「活力に溢れた良い時
代!」であった。その「過去の優れた遺産調べ」を行えば見事に可能
であった。しかも最も「単純で経済的システム」が構想できた。

その実現・実用化への挑戦が、我々の「新事業:IThEMS提
案」である。 (以上)

[参考文献]

(1)A.M. Weinberg:“Proto-history of molten salt system”, J. Accel. Plasma
Res.2(1)(1997)23.

(2)古川和男:〝液体核燃料”,「原子炉工学講座 第4巻」, P.77~113,培風館刊
(1971).

(続く)