後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

桜花のように見える樹木に凍りついた雪の光景

2012年02月19日 | 写真

昨日の朝、東京の西に雪が降りました。気温が低かったのでその雪片が樹木の枝に凍りつきました。朝日にきらきら輝いています。中央高速道路の高尾山から相模湖にかけてだけ見えた美しい光景でした。山が満開の桜花に覆われたようにも見えました。車の上から家内が撮った写真ですが、お楽しみ下さい。

014

015

017

019


キリスト教が資本主義を生んだという学説の間違い・・・経済活動と宗教は無関係

2012年02月19日 | 日記・エッセイ・コラム

産業革命が起き、大量生産技術が生まれ、資本主義の発達した場所が偶然にもキリスト教のプロテスタント宗派の強い国々でした。

従って、プロテスタント宗派と資本主義と間には強い因果関係があると思いがちです。そしてそれを論証しようとする学説があります。あるいはキリスト教が世界を征服する手段として資本主義を推進しているという興味本位な俗説もあります。

簡単に言えばプロテスタント宗派が資本主義を生み、発展させたという学説です。

しかしそのような学説は大きな限界があり、間違いの場合が多いのです。同じ場所で同時に起きた2つの現象を因果関係で結ぶほど危険な学説はありません。

雨の降っている所で、偶然地震が起きたとします。その時、地震が起きた原因は雨ですという学説の間違いと同じです。

イエス様は産業を起こせ。資本主義が大切だ。と教えたでしょうか?逆です。この世に富を積むよりも天国に積めと教えました。税金をローマへ支払うべきかと聞いた人々へは、「カエサルのものはカエサルへ返せ」と言います。要するに金銭に関心が無かったようです。彼が教えた祈りは、「日々の食べものを今日もお与え下さい。・・・」という内容です。毎日の食べ物さえあれば良いと言うのです。

技術革新を起こして富国強兵に努力せよとは教えませんでした。

私はキリスト教の洗礼を受けました。すると産業革命や資本主義の発展は人間の金銭慾が一番大きな原因になっているという理解にいたります。経済活動の中で、宗教の無力さも理解できます。

一般にキリスト教は近代工業技術とは無縁なのです。その実例がプロテスタント宗派の一つのアーミッシュという一派です。全ての近代技術を拒否して、原始的な中世のままの生活を続けているのです。

これは極端な一派ですが、本当のキリストの教え通りの生活なのかも知れないのです。欧米世界ではそのような暗黙の意識が流れているので、アーミッシュ宗派のことに関心があります。日本人は関心があまりありません。しかしキリスト教のいろいろな側面を知るためにもアーミッシュ宗派の理解が欠かせないのです。

そこで以下に彼らの生活をご紹介したいと思います。

アーミッシュとは、ペンシルバニア州、オハオ州などの中西部に散在しているキリスト教の一派。禁欲的な質素な生活を守り、職業は農牧業のみ。電気・ガス・水道、自動車、耕運機、電信電話など近代文明の産物は一切使用しない。義務教育はないし税金もない。

あるのは合衆国の徴兵のみ。それも看護などの後方勤務に限る。アメリカの市民権は認められ、白人ではあるが、異質の文化を守り、孤立した村として散在している。1989年にオハイオ州コロンバス市に住んでいた時、訪問し一泊して来た。車で二時間の所にある。

@「現存する中世の村人たち」ーーアーミッシュ村の風景ーー

アーミッシュの村に入ると、「路上で黒塗り箱型の馬車が近付いたら徐行すべし」という意味の絵看板が増えてくる。周りは一面の実り豊かな麦畑。その間に牛馬がのんびり草を食む牧場が散在し、素朴な木造一階建ての農家が栃の大樹の木陰に見え隠れしている。

看板通り、黒塗りの箱形馬車が近付いて来る。慌ててブレーキをかけ、徐行しながらすれ違う。手を挙げて挨拶をすると、黒いシルクハットをかぶり、襟の小さな黒い背広を着た老人が目を上げないで、手をわずかに振って挨拶を返す。

麦畑では刈り取った麦束を馬車に積み上げている。農夫はさすがに上着を脱ぎ、黒いチョッキ姿で汗を流しながら一心に働いている。

アーミッシュに車で観光に行った場合のマナーを大学の同僚が教えてくれた。

「御土産店、喫茶店、民宿の前以外の道端に絶対車を停めないこと。馬車が見えたら急いで減速し徐行せよ。必ず挨拶をすること。しかし相手の目を見たりしない。もちろん話し掛けてはいけない。女性は黒い長い服を着ているが、車と馬車がすれ違う時、前から覗き込んではいけない。アーミッシュ専用のスーパーマッケットがあり、黒い馬車がたくさん止まっているが、スーパー店内へ入ってはいけない。ソーッと遠方から眺めるだけにすること」「御土産店では村への入場料のつもりで多めにチーズやヨーグルトを買って上げなさい」

 

夜は木造2階建ての民宿に泊まる。部屋にはローソクしかないが、外の方が明るい。窓から見ると、満天の星空。星明りで外が明るい。「夕食ですよ」と呼びに来る。食堂には電気がついている。新鮮なホーレン草のサラダと鶏肉のソテーのみだが、自然栽培なので実に美味しい。もちろんビールや酒類は一切ない。

布に包んだ温かい焼きたてのパンが籠に入って出てくる。そばに座ってくれている女主人にいろいろ聞いた。電気は来ている。冷蔵庫、洗濯機、井戸水汲み上げポンプ、食堂と調理場の電燈に限って電気を使っているそうである。アーミッシュの人の職業は農牧業しか許されていないので、民宿やスーパーマーケット、御土産店などの経営者は普通のアメリカ人である。

ローソクの炎の揺れる暗い部屋へ引き揚げ、星明りの窓の外をもう一度見てベッドへ潜り込む。アーミッシュの村は静けさに満ち、時がゆっくり流れている。

その生活ぶりの写真をお送りします。特に3枚目の室内の写真を注意深くご覧下さい。部屋には電燈が無く、薪ストーブが中央にあるだけです。衣類も壁にぶら下がっているだけで、何枚もクローゼットに並べて吊るして仕舞うほど沢山持っていません。下着は箱に仕舞い、農作業と礼服を常に共用する服を毎日着ています。農作業にはトラクターは一切使いませんので、4枚目の写真のように馬車と人力だけで刈り取りを行います。

上の3枚の写真の出典;http://en.wikipedia.org/wiki/Amish

4枚目の写真の出典http://en.wikipedia.org/wiki/Amish

Photo

Photo_2

Photo_3

Amad0851_2