最近、ブータン王国の国王夫妻が日本を訪問し、その礼儀正しい態度と王妃の美しさで人気が上がりました。その上、「国民幸福度」が世界一の国として日本人の興味を集めています。時あたかも、日本のGDPが中国に抜かれ、世界3位に落ちたのです。日本の国家目標を「国民幸福度」の増大にすべきという論も散見します。ブータン王国に関する話題は最近の日本の流行です。
流行に反発するのが私の悪い癖です。「本当にブータンの国民は幸せなのでしょうか?」という疑問を持ってしまいます。
この問題を考えるために私はブータン、ネパール、チベットを同じチベット仏教圏として比較検討することにしました。もっともネパールはインドのヒンズー教も仏教も優勢な宗教混在国です。
上の写真は現在は中国領のチベット自治区になっているラサにあるチベット仏教の本山のポタラ宮です。
ポタラ宮はこの3つの地方の人々の心のよりどころです。
日本の新聞にはこの3つの地方の実情を伝える報道が極端に少ないのです。人々の生活の実情がなかなか判りません。そこでネーパルに嘗て住んでいた、hikarunoさんの「カトマンズ・バンコック慕情~アジアの旅の徒然に」(http://blogs.yahoo.co.jp/hikaruno_season) から人々の生活の様子を撮った写真から、少し「幸福j度」というものを考えてみます。彼はブータンにも足しげく通ったので、ブータンのこともいろいろ書いてあります。hikarunoさんは東京でアジアの染織と手織り布の展示会を数回開催しました。2年前に東京厚生年金病院で肺がんで亡くなりました。まだ50歳前後の若さでした。アジアの布の展示会に何度か行き、病院にもお見舞にも行きました。
チベットの運命は皆様ご存知のように中国に1960年に併呑されました。その後チベット族の反乱や騒乱が時々起きています。
その事をこのブログで取り上げた途端、このブログは中国では開けられなくなりました。そこで今回は政治的な議論は避けて、宗教的な立場からチベット自治県の人々の「幸福度」を考えて見ようと思います。今日の記事は、「ブータン王国、ネパール共和国、チベット、それぞれの幸福度」と題する連載記事の導入文なので以下にブータンの写真とhikarunoさんの収集したブータンの手織りの布の写真を示して終わりとします。(続く)
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り致します。
後藤和弘(藤山杜人)
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