若い頃、国木田独歩の「武蔵野」という本を読みました。
明治時代にロシア文学が翻訳され、ロシア大地に広がる白樺や広葉樹の林の美しさが日本へ紹介されました。それに触発された国木田独歩が東京の西に広がる武蔵野を何度も、何度もさまよい歩いて、その四季折々の雑木林の美しさを書いたのです。
仙台で生まれ育った私にとっては、武蔵野の雑木林は憧れの的になってしまったのです。
しかし、実際にそれをゆっくり見たのは26歳になって、武蔵野の一隅に住みつくようになってからです。
それ以来、春夏秋冬、時間さえあると車を駆って武蔵野の雑木林の中にわけ入ります。車を林の入り口に置いて、1時間、2時間とさまよい歩くのです。
国木田独歩の武蔵野の本を思い出しながら歩き回ります。そしてロシアの大地に広がる白樺林やその他の広葉樹の林のたたずまいを想像しながら散策します。
北海道で見た白樺林やクヌギ林を思い出します。そして札幌の北海道大学の植物園にあるハルニレの大木の林も思い出します。北海道大学の農学部のそばのポプラ並木も思い出します。その並木も老化で枝が急に落ちるので先年から立ち入り禁止になったようです。
そんな事を取りとめも無く考えながら、今日も武蔵野の雑木林の中を独りさまよい歩いて来ました。場所は八王子市の小宮公園です。
写真をお楽しみ頂ければ嬉しく思います。
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