以下は国際関係を日本の新聞だけを読んで考えている一老人の大雑把な理解です。国際関係の専門家でない一素人の早わかりを纏めたものですから間違っているところが多くあると思います。どうぞ誤りをご指摘下さい。
(1)1990年頃の米ソ冷戦構造の崩壊によるアメリカの新しい敵。
突然、ソ連が崩壊し、1945年以来、45年間ほど続いた冷戦構造が終焉しました。アメリカの勝利に終わったのです。強大な軍備を有するアメリカが新しい敵国として考えだしたのがイスラム諸国でした。イスラム諸国を友好国と敵対国に分けて争うことにしたのです。そんな折の2001年9月11日にアメリカの国防省の建物とニューヨーク貿易センタービルに旅客機が突っ込んだのです。ビン・ラーデン一派の攻撃でした。
イスラム過激テロリストの掃討という名目で、アメリカは大規模な戦争を始めたのです。アフガン戦争とイラク戦争です。両国を占領し、親米的な政府を作りました。その上、昨年はパキスタンに隠れていたビン・ラーデンを殺害し、復讐を遂げたのです。
残ったイスラム圏の敵対国はイランとシリアです。
冷戦に負けたロシアと中国はこの2国を陰で支援し、アメリカの制裁政策の効果を少なくしています。
これを複雑にしているのが好戦的なイスラエルです。いきなりイランを空爆しようとしているのです。アメリカ政府の幹部がイスラエルを訪問して直接攻撃を思いとどめています。以上が最近の大雑把な国際情勢ではないかと思います。
(2)イランの艦艇が地中海へ回り、シリアを支援し始めた。
下の写真は昨年、スエズ運河を通行中のイラン海軍の駆逐艦です。
そして下の写真は演習をするアメリカ海軍の様子です。
このイランの敵対的な行動はアメリカを刺激しています。アメリカの経済制裁政策で日本のイランからの原油輸入を4割削減することになりました。幸いアメリカは日本の事情を理解し、原油輸入全面禁止を強要しませんでした。NATO加盟の欧米諸国は完全に輸入禁止です。
さてイラン情勢は日本へどのような影響を与えるでしょうか?
最悪の事態はホルムズ海峡をイラン海軍が封鎖することです。そうすれば日本の原油輸入の大部分が止まってしまうのです。日本はイランだけでなくペルシャ湾の西側のイスラム諸国から多量の原油を買い、ホルムズ海峡を通過して日本まで運んでいるのです。
もう一つの影響は海上自衛隊のアラビア海への派遣の要請が来る可能性があることです。日本の海上自衛隊が直接攻撃に参加はしないと思いますがアメリカ海軍への補給支援をすることになるでしょう。この可能性は、次の項目のアフリカへのPKO派遣とも関係があるかもしれません。
(3)南スーダンへの陸上自衛隊の派遣。
南スーダンは内戦で多くの難民が溢れています。国連がPKO部隊を派遣して内戦を防止し、難民の生活支援をしています。
最近、日本の120名の陸上部隊が、灼熱の南スーダンに着任し、冷房の無いテント生活を始めました。第二次派遣は330人と言います。
南スーダンの水道工事などの土木工事などを行って難民の生活支援を進める予定です。
さてアフリカには過去の内戦によって生じた難民が各地にいます。国連は人道的な立場からPKO派遣をして平和を維持しようとしています。今後も自衛隊の派遣は続くと思います。我々は過酷な生活を強いられるアフリカでの自衛隊の活動をもっと支援すべきではないでしょうか?昨年の東日本大震災での自衛隊の献身的な働きを忘れるべきではないと思います。エアコン付きのテントくらいは持参するように世論が出ることを期待しています。気温が50度と報道されています。
下に南スーダンの難民の様子と陸上自衛隊の実情を示す写真を送ります。
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それはそれとして、今日も皆さまのご健康と平和をお祈り申し上げます。
後藤和弘(藤山杜人)