後藤和弘のブログ

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中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

何故、激しい日中抗争時代になったか?(3)中国人が偉くなるには共産党に入り、抗日戦争を絶賛すべし

2013年08月14日 | 日記・エッセイ・コラム

中国は共産党独裁の国と一言で表しますが、その意味は深く、日本人の想像を越えるものがあります。

中国大陸の人と本音で親しく付き合うと、中国社会が日本とあまりにも違うことに吃驚します。

例えば中国のある少年が大きくなったら出世して、大きな収入を得て、幸せな家庭を持とうと考えたとします。そのような少年は世界中どこの国にも沢山居ます。

しかしその夢を実現する方法が中国では大変違うのです。

まず小学校、中学校、高等学校で優秀な成績を上げ、共産党の少年組織の共産主義少年少女隊に入隊します。そして北京の精華大学や上海の復旦大学のような重点大学に入り、共産党青年部に入ります。

大学卒業後は、成績が良ければ地方の市町村の行政官として派遣されます。技術系なら国営企業の技師になります。

中国には選挙制度が無いので市長や省長は行政手腕の高い共産党員が中央から指名されます。ですから中国では政治家も官僚も同じで、区別がないのです。

その上、全国の大学には共産党中央から派遣された委員が配置されていて、学長の上に立っています。その大学の教育が共産党中央委員会の指導通り行われているか常に監視しています。

勿論、大学の学長も教授も共産党員ですが、彼らは学者なので本当は共産主義者でないことが多いので厳重な監視が必要なのです。

共産党に入党し、北京の中央委員会傘下の組織に入り、官僚や政治家として出世するためには共産主義者であることが試されます。中国共産党に忠実な党員であることが絶対条件です。

そこで重要になってくるのが中国共産党の輝かしい歴史を勉強し、その歴史をことあるごとに大声で絶賛しなければなりません。

国民党軍との苦しい戦いの中での「長征」、残虐な日本軍を撃破していった「抗日戦争」、1949年の天安門上での毛沢東の共産中国の独立宣言、などなどを絶賛するのです。

行政能力が高い上に、中国共産党の輝かしい歴史を重視する党員ほど出世が早いのです。行政官や政治家として地位が上がれば合法的な副収入も増加します。

このように本物の中国特有の共産主義者になれば、少年の頃の夢がかなえられるのです。

このような図式は官僚や政治家の分野に限りません。音楽家や画家等の芸術の世界でも中国共産党に忠誠を誓うとその活躍の場が広がるのです。

さて中国共産党が何故、日本の歴史認識を永続的に批判するのでしょうか?

その理由は日本軍は残虐行為を続けながら中国を占領し、満州を植民地にしたからです。中国共産党はそれに対して勇敢に戦い、ついに勝利をおさめたのです。

ところが一方の日本側はそれは侵略でなく、進出ですと主張します。中国を植民地にしたのではなく、中国が欧米の植民地なるのを防いで救ってあげたと認識しています。

これでは日中関係は永久に好転しません。最近は、好転しなくても良いと多くの日本人は思うようになってきました。

結論を書けば中国共産党は抗日戦争で出来た独裁政党なのです。ですから抗日的にならざるを得ません。日本の歴史認識や南京虐殺を声高に批判すればするほど出世が早いのです。それは共産党内部の権力闘争なので日本には関係がありません。

抗日戦争の中国の考える真実と、日本人の考える真実が一致するためには百年河清を待つしかありません。

嫌な内容の記事だったので、下に、革命も戦争も無かったようにのどかな杭州の近辺の古い水郷の町の風景写真をお送りします。

それはそれとして、

今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)

下の写真の出典は、http://www.e-asianmarket.com/asia/framehangzhou.htmです。

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