まず廃校になった学校の写真をご覧ください。
出典は、http://www65.tok2.com/home2/hart/day_report040704_2.htmlです。
昨日、無人島になってしまった離島の一覧表と消えてしまった廃村 という記事を掲載しました。
日本には約3600位の島があります。、昭和時代に入ってから68の離島が無人島になってしまい、現在、人の住んで居る島は300位だけになってしまいました。
離島だけではありません。北海道から九州まで廃村になった村落が非常に増加しています。
廃墟検索地図(http://haikyo.crap.jp/ck/912.html)というHPを見るとその数の多さに吃驚します。
上の写真のような学校の校庭には、子供たちが溢れ、歓声を上げて遊びまわっていたのです。
しかし、「うさぎ おいし あのやま、こぶな つりし あのかわ・・・・」という古里は消滅してしまったのです。盆暮れに帰省した祖父母の家は朽ち果て、倒壊してしまっているのです。
都会に住んでいる人々は離島や廃村になった村落の現実を見る機会がありません。
しかし私は甲斐駒岳の東の山林の中の小屋へ40年間通っていて、周囲の村落に、無人になった家々が次第に増えて行く様子を見ています。
山林の小屋の隣で乳牛を飼っていた石原さん一家も仕事を止めて引っ越してしまいました。養鶏業の細井さんも仕事を止めました。この2軒の方々には随分とお世話になったものです。
そしてこの2軒の周囲の農家の人々も高地を嫌って、皆便利な街道沿いに引っ越してしまったようです。戸締りをした家々だけが廃屋のように残りました。古い乗用車も庭先で錆びています。それは痛々しい風景です。
そして、いつのまにか周囲には人が居なくなってしまったのです。
何故、過疎化がすすむのでしょう?
よく田舎には就職口が無いから若い人が都会へ出て行ってしまうから過疎になると、人は簡単に納得します。
しかしそれは過疎化の原因の半分だけです。
最近は村落に残った両親や祖父母まで生まれ育った村落を捨ててしまうのです。都会に出るわけではありません。村でも便利の良い街道沿いに引っ越すのです。同じ村の中ですから住民統計の上では廃村にはならないのです。しかし廃屋がるいるいと並んでしまうのです。
このような現象が日本中に広がっているのです。
高齢者が農業を止めて、同じ村の中で便利の良い場所へ移住する理由は3つ位あります。
(1)近所に大型スーパーがあり毎日美味しい惣菜が買える所へ引っ越します。
(2)バスの停留場が近くにあり、大型病院へ通える所へ引っ越します。
(3)近くに郵便局や銀行があり、年金の受けとりや貯金の払い出しに便利な所へ引っ越します。
地方の自治体が過疎化を防ぐために都会からの移住を進めるいろいろな政策をとっています。しかし現地を見に行った人々が廃屋の並んでいるのを見て止めてしまうのは当然ではないでしょうか。
過疎化は日本経済が豊かになれば当然起きる社会現象なのです。
それを当然と受け入れて考えるべきです。
地方の自治体は廃屋の取り壊しと、整地の予算を計上し、見苦しい光景を無くすようにしたほうが良いと思います。廃屋のある村落へ都会の人は移住しません。
少し歴史的に考えて見れば移住は縄文時代からごく普通のことだったのです。
市町村の役所は、過疎化を防ぐよりは、高齢者を便利な場所へ移住させ、廃屋を取り壊し、美しい自然を保つべきではないでしょうか。
それはそれとして、
今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)