趣味は人生を豊かにし味わい深いものにすると言われています。
後期高齢者になった現在から振り返って趣味のいろいろをもう一度考えてみたいと思います。
少年の頃は真空管を使ってラジオを作るのが趣味でした。高校、大学では登山とスキーが趣味でした。
大学卒業後は仕事が忙しくなって趣味どころではありませんでした。
しかし中年になって山林の中の小屋へ通うのが趣味になります。そ
して50歳から75歳までの25年間はヨットの 趣味をしました。
振り返ってみると文学書を読むとか油絵を描くというような知的な趣味とは縁が無かったのです。
しかし家内の影響で油絵を鑑賞する趣味と茶道や華道を鑑賞する趣味が加わりました。そして文学書も少しは読むようになりました。
そして2007年から現在まで、ブログに毎日雑駁な記事を書くのが趣味になっています。
今日から「趣味と人生」と題して趣味のあれこれを振り返って連載記事を書いて行きたいと思います。
その第一回は、「厳しかったヨットの趣味」です。
25年間を振り返ってみると、この趣味はいろいろな意味で厳しかったと感じています。75歳で一切止めてホットしている気分なのです。
何が厳しいかというと、強風で横倒しになる恐怖感が常にある趣味なのです。沖でエンジンが始動しなくなる恐怖があります。舵が壊れる恐怖があります。海上ではあらゆる危険があるのです。
上の写真はメインセールだけを上げて微風の中を静かに走っている写真です。
しかし何時突風が襲うか前方の水面の波立ちを注意深く観察しながら走っているのです。気が抜けません。
風が強くなってくると下の写真のように傾いてくるのです。
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それでは何故こんな趣味を続けるのでしょうか。それは向かい風に対してヨットを登らせる時の快感があるからです。波が船体を叩く音、頬をなでる風の香り、そんなものが官能的な快感として体中に漲るのです。その快感は他のスポーツでは絶対に味わえないのです。
しかし向かい風がもう少し強くなると船体が横倒しになりそうになります。快感と恐怖が混然一体となります。実はこれこそがヨットの趣味の魅力なのです。
ところが老齢になると次第に肉体の感覚が鈍くなってきます。以前には船体を叩く波音が快感と感じていたのに何も感じなくなるのです。75歳が限界でした。ヨットを止めました。悲しいです。しかしそれが自然の摂理なのです。
ヨットの魅力は他にもいろいろありますが、今日はこれで終わりとします。
下にもう一枚、三浦半島の油壷の近所のヨットの係留風景の写真をお送りします。
それはそれとして、
今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)