昨日の記事、原子力潜水艦の構造と廃棄処分について で示したように中国は数隻から十数隻の原子力潜水艦を保有しているようです。そして「遼寧」という名前の航空母艦を一隻保有しています。
一方これに対してアメリカは72隻の原子力潜水艦と11隻の航空母艦を保有しています。しかしアメリカ海軍は大西洋と中近東海域、そして太平洋と3方面に分散して仮想敵国からの攻撃を抑止しています。
アメリカの海軍力を単純に3つに分ければ、常時4隻の空母と24隻程度の原潜が太平洋に展開出来ることになります。
ですから中国はそれに対抗してもう3隻の空母の建造と、十数隻の原潜を新しく建造すれば、中国一国でアメリカの太平洋の制海権を奪うことが出来るのです。
中国のGDPは世界2位で、相変わらず6、7%の経済成長率を保持しています。
ですから中国共産党は軍事予算を増大し、軍備を早急に強化しているのです。
あと15年もすれば4隻の空母と25隻の原子力潜水艦を建造し、アメリカと対等に太平洋の覇権を争う時代がくるのです。
戦争になれば沖縄に上陸し、アメリカの基地を制圧し、更にハワイ諸島に上陸しようとする筈です。こうなれば北朝鮮も中国軍と一緒に攻撃に参加します。
対抗するのは日米韓です。開戦初期には国連軍はあてに出来ません。
上に書いたような予測は誰にでも出来る可能性です。
ですからこそオバマ大統領は「アジア重視の時代」と言っているのです。
このような事態に絶対にならないように、中国の戦争意欲を完全にゼロにして、戦争を抑止しなければなりません。
日本人の誰が考えても、アメリカとの強固な軍事同盟と友好関係の樹立が必須です。
その一方、日本自身も軍備を増強する必要もあります。
しかし軍事力と経済力だけでは中国の戦争意欲はゼロに出来ません。絶対に友好関係を築き、そのソフト・パワーで中国の戦争意欲を無に帰させねばなりません。
上に書いたようなシナリオは日本人の嫌がるシナリオです。ですから安倍政権は公表しません。仮定に基ずいた予測は発表しないのが日本の政治家の体質なのです。
しかし上に書いたシナリオを見ると現在何故「集団自衛権」が本気で議論されているかが明快に理解されます。
次回は中国の戦争意欲を無くさせる幾つか具体的な選択肢について考えて見たいと思います。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。
後藤和弘(藤山杜人)
下に中国海軍の原子力潜水艦と航空母艦の写真を示します。
中国の原子力潜水艦の画像:https://www.google.co.jp/search?q=%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%81%AE%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E6%BD%9C%E6%B0%B4%E8%89%A6&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ei=abY3U526LMLykQWcxYGYCg&ved=0CCYQsAQ&biw=880&bih=547
中国の航空母艦、「遼寧」 :http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%BC%E5%AF%A7_(%E7%A9%BA%E6%AF%8D)