中年過ぎて少し生活が落ち着きました。すると雑木林を眺めたり、野に咲く花々を探し歩くのが好きになりました。それで気がついたのですが、花屋さんで売っている花々は野に咲く花々と非常に違うのです。
花屋さんでは栽培をして品種改良をした花々が売られているのです。
そのころから植物の原種と栽培種の違いを調べることが何となく趣味になってしまいました。
外国に行くと植物園に行きます。日本の植物園にも行きます。
原種と栽培種を比較してみると人間の植物や花々に対する深い愛情が感じられるのです。そして人間が品種を改良する努力の積み重ねに感動します。
日本人と西洋人の花々の好みも興味深いものです。
寒帯地方、温帯地方、そして熱帯に咲く花々の違いも面白いのです。植物園の温室には南米やアフリカの花々もあります。
花々を愛する心は人類の文化なのです。しかし好みの花々は民族によって違いもあり深く考えさせられます。
それでは日本人の好みの花はどういう花でしょうか。
江戸時代から愛されていた花の一例にサクラソウがあります。
その江戸時代の原種のサクラソウの自生地は、さいたま市、荒川沿いの田島ケ原にあります。国指定の天然特別記念物になっています。
毎年4月になると可憐な花が咲き出します。花の色は淡い桃色で、咲いているのを恥じているように草の陰に隠れています。楚々とし、控え目な風情が日本人の美意識に合致しているようです。原種の素朴な良さは捨てがたいと眺め入りました。
下にその写真を示します。
(参考記事:江戸時代から有名だった埼玉県の田島ケ原の日本サクラソウ自生地を訪ねて 撮影日時:2010年4月20日午前11時から12時。)
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このような日本サクラソウの親類の西洋サクラソウの品種改良をしているのが石塚園芸の石塚健壽さんです。精魂こめて交配し20種の西洋サクラソウの新種を作ったのです。
その石塚さんの仕事ぶりついては下記でご紹介しました。
12月の花と葉、シクラメンとポインセチアの美しい写真をお送いたします。
2012年のオランダでの花の祭典、フロリアード2012に新種のサクラソウを出展し、オランダのベアトリクス女王陛下も感銘深く眺めたそうです。
下の写真で、ベアトリクス女王陛下の足元にあるのが石塚園芸のサクラソウ3種です。2012年4月に撮った写真です。
下はオランダの花の祭典、フロリアード2012で金賞一席と特別賞を受賞した新種です。
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このように原種と栽培種のサクラソウを比較すると、その両方の美しさをより深く鑑賞できます。
今年も、今週の土曜日や日曜日には東京でも櫻が満開になるという予報です。ソメイヨシノの花と少し遅れて山に咲く山桜の違いを考えている今日、この頃です。
それはそれとして、
今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)