福島の原発の廃棄作業は汚染水漏れなどで困難な作業が続いています。
しかしその一方、1990年頃のソ連の崩壊によって不要になったソ連極東海軍の原子力潜水艦の解体処分は日本の技術人が支援しています。
その進め方を書いたHP:(http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=05-02-04-02)には以下のように記述してあります。
・・・・・・原子力潜水艦の原子炉は、一次冷却系とともに高圧力に耐える原子炉格納容器内に非常にコンパクトに収められている。また、原子炉燃料の濃縮度は通常のPWRに比べて少なくとも5倍は高いといわれている。これらの廃止措置には技術的課題とともに膨大な費用を必要とする。また、原子力潜水艦は元来頑丈に出来ており、過酷な運航条件に耐えるが、廃止措置を行わずに長期にわたって港に係留しておくと環境問題を起こす可能性もあり、関係国では対策に苦慮している。
旧ソ連では、原子炉部分をそのままでの状態で投棄するか、あるいは潜水艦に穴を開けて沈ませるなどの海洋投棄を行った。また、潜水艦から切り離した原子炉部分のみを海上に浮揚させるためのブイを付加して管理したり、原子炉から燃料を取り出した状態で港に係留して管理したりしている。1991年の旧ソ連崩壊後、米国、英国、フランス、ノルウェーなどが旧ソ連の退役原子力潜水艦の解体を支援している。一方、わが国でもロシア極東地域の非核化の一環として、2003年12月から同地域にある退役潜水艦解体の協力事業「希望の星」を進めており、これまでに2隻の退役潜水艦を解体した。2010年までには残りの4隻を解体することになっている。・・・・・・
この文献に示してある原子力潜水艦の構造図を下に示します。
上の図の 左側に原子炉とその格納容器があります。この部分は原子力発電装置と同じです。
そして右側のスクリューを回転させる部分には発電機の代わりに蒸気タービンがついています。回転数を調整するギヤーとクラッチなどの機械構造がついています。
このような原子力潜水艦の各国の所有数を示したのが下の表です。
この表によると1997年の中国軍の保有していた原子力潜水艦は5隻あるいは6隻と推定されています。
中国はその後、軍事予算を急速に増大しているので、現在はこの数倍の原子力潜水艦を保有していると想定されます。
以上の記事は明日掲載予定の、「日本の平和は日本人が守るべき時代(3)強大化する中国海軍の危険性」 の予備知識として掲載するものです。
一読頂ければ幸いです。