おやじのつぶやき

おやじの日々の暮らしぶりや世の中の見聞きしたことへの思い

「落語鑑賞教室」その2。古今亭まめ菊「転失気」。

2021-07-19 20:53:18 | 落語の世界

                   古今亭まめ菊「転失気」。

暑い、暑い! 隣の空き地、更地になって何ヶ月。いつしか一面に雑草(という名の草花はないのですが)。その中に、紫の花を咲かせた草が2本、黄色の花を咲かせた草が1本。すっかりカラカラに乾いた土、そして炎天下の中で可憐な花を咲かせています。どこからか種が飛んできたのでしょう。地植えのものではなさそうで、鉢の砂が運ばれてきて、その中にあった種が芽吹いたらしい。何という名前の花でしょうか? じりじり照りつける太陽の下で、頑張っています。

 

ペチュニア                        キンギョソウ 

地を這うように。これは、「スベリヒユ」。

さて、今回登場のまめ菊さん、菊之丞師匠の前座として登場。第一夜は、「元犬」、今夜はお馴染みの「転失気」。

どちらもネタおろし(即ち初演の舞台)。師匠から教わって初めての高座。観客がいない中での口演というのも珍しい。

緊張感が切々と伝わってきて一生懸命さが如実に。時々とちるところもご愛敬です。

女性の落語家も今はけっこういます。

まめ菊さん。大学の落研出身。

2017(平成29)年4月 古今亭菊之丞に入門
2018(平成30)年3月21日 前座となる 前座名「まめ菊」

あらすじ

体調のすぐれない寺の和尚が、往診に訪れた医師の問診を受け、「てんしき」があるかないかを尋ねられる。和尚は「てんしき」が何なのかわからないが、教えを乞うのを恥ずかしがり、知ったかぶりをして「ございません」と答えてその場をとりつくろい、医師が帰ったあとになって小僧の珍念を呼んで、それとなく尋ねることでなんとか「てんしき」について知ろうとするが、珍念も「てんしき」を知らなかった。和尚は「先日教えたことを忘れたのか。ここで『てんしき』についてまた教えてもよいが、それではお前のためにならない」とうそぶき、珍念を医師宅へ調合薬を取りに向かわせるついでに、近所に「てんしき」を借りてくるように命じる。

ところが聞いた人もみな何のことか分からないのに知ったかぶりをして「棚の上から落ちて割れてしまった」「人に持って行かれた」「たくさんあったが、わるくなる前に味噌汁の実にして食べてしまった」などと、バラバラの言い訳をして貸すのを断るため、「てんしき」が何であるのか珍念にはわからない。ようやく訪ねた医師宅で、医師に問うて医学でいう「転失気とは『気を転(まろ)め失う』と書き、のことである。『傷寒論』にあり、腸の働きを診るため、有無をたずねたのだ」と聞き出す。

和尚が「てんしき」を知らないことを悟った珍念は、寺に帰って「『てんしき』とはさかずきのことです」と和尚に嘘を言うと、和尚は「その通りだ。『呑む酒の器』と書く 」と答えた。和尚は「これから来客の折は、大事にしている『呑酒器(てんしき)』を見てもらおう」と言い、珍念にさかずきを出しておくよう命じる。

医師がふたたび寺に問診に訪れた際、和尚は「実は『てんしき』がありました」と言うので、医者が「それはよかった」と案じてみせると、和尚はさかずきを自慢したくてたまらず、「自慢の『てんしき』をお目にかけましょう」と言って医師を驚かせる。「三つ組の『てんしき』でして、桐の箱に入れてある」「ふたを開けた途端に臭うでしょうな」

珍念は笑いをこらえかねながら、桐の箱を運び入れ、ふたを取ってみせる。医師は「これはさかずきではありませんか」と問い、和尚は珍念に一杯食わされたことを知る。和尚が「こんなことで人をだまして恥ずかしいと思わないのか」と珍念を叱ると、「ええ、屁でもありません」

サゲのバリエーションは多岐にわたる。

  • 医師が「寺方では古くからさかずきのことを『てんしき』と?」と尋ねると、和尚が「ナラ、屁ェあんの昔から」と洒落るもの。上方で多く用いられる。
  • 医師が「なぜさかずきが『てんしき』なのか」と問うと、和尚が「さかずきを重ねると『ブーブー』が出る」と言うもの。「さかずきを重ねる」は酒を飲むことの慣用表現で、酔って不平を言う擬態語と放屁の擬音語をかけている。
  • だまされたと知った和尚が「どおりで臭い話だと思った」と言うもの。
  • 和尚が「どちらもつまみが必要ですな」という酒のつまみと鼻をつまむことをかけた洒落を言うもの。
  • 立川談志は転失気(放屁)ではなくセコ(落語家の符丁で大便)とし、オチを「これは酒坏ではありませんか」「ええ、これをやりすぎるとクソ坊主と呼ばれます」と演じた。

(この項、「Wikipedia」より)

知ったかぶりの和尚と、いたずら好きな小坊主の掛け合いが見もの。和尚の生半可な貫禄と、小坊主の茶目っ気を演じるところがポイント。

その使い分けを身体全体を駆使し、必死に演じていました。これからの精進が楽しみです。

師匠の横でかしこまる。

 


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