Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

紋切り型質問と模範解答

2007年01月14日 13時57分03秒 | Weblog
黒猫さんのブログより:
弁護士の役割は悪人正機?
 特に具体的根拠のある数字ではありませんが、一種の比喩として、黒猫は「通常の民事事件であれば、5割は依頼者の方が悪い。債務整理事件であれば、7割は依頼者の方が悪い。刑事事件であれば、9割は被告人の方が悪い。」という表現をよく使っています。
 弁護士や、法律事務所の職員などを志望する人たちの中には、実際の弁護士業務の実情から全く乖離している刑事ドラマなどの悪影響のせいか、弁護士の仕事に対して勝手に変な理想を描いている人が少なくありませんが、弁護士が行っている「社会正義」がいかなるものであるかを正しく理解していなければ、弁護士や法律事務所の仕事に就いても、理想と実態との乖離に幻滅するだけでしょう。
 黒猫の場合は、そもそも最初から弁護士になろうと思って弁護士になったわけではなく、当然弁護士の仕事に対しては初めから何の理想も持ち合わせておらず、単に食っていければいいやという感じで弁護士の仕事をしているに過ぎないので、幸いにもこのような幻滅には無縁でしたが。


 ちと長くなったが、紛れもない本音が出ている。だが、このような発言は、時と場所をわきまえないととんでもないことになりかねない。
 極端な話、事務所の採用面接で、「弁護士になってどういう仕事をしたいですか?」という紋切り型の質問に対して
「この先業界の見通しは厳しいので、仕事は選びません。何とか食っていけたらいいです。」
などと答えたとしたら、当然落とされるだろう。このような紋切り型の質問に対しては、「模範解答」で答えなければならない。
 野口悠紀雄氏は、「超勉強法」の中でこう述べる。
 「質問した側では、志望した本当の理由を聞きたいわけでは、必ずしもない。紋切り型の質問に対して模範解答を述べる能力があるかどうかを、まずは見ているのである。」(p235)
 ・・・でも、あからさまなウソはつけない。
 「面接試験官は試験のプロではないとしても、人間を見ぬく目は持っている」からである。
 
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不完全犯罪

2007年01月14日 09時58分27秒 | Weblog
「においは犬の血」夫切断の歌織容疑者、友人にうそ
 東京都渋谷区の外資系金融会社社員、三橋祐輔さん(30)の切断遺体が見つかった事件で、妻の歌織容疑者(32)=死体遺棄容疑で逮捕=が、殺害、切断現場の自宅マンションを犯行後に訪れた友人に「血のにおいがするなら、ペットの犬のもの。出血中でにおいがする」と窓を全開にし、応対していたことが12日、警視庁新宿署捜査本部の調べで分かった。証拠隠滅のため行った室内リフォームが、「必要ない」という業者に「いいからやって」と強引に依頼したものだったことも判明。歌織容疑者は平静を装いながらも焦りを感じ、隠蔽(いんぺい)工作を進めていたとみられる。

 バラバラ殺人犯が死体をバラバラにする理由は通常2つある。1つは犯罪の証拠を隠蔽するためであり、もう1つは強い憎しみのためである。本件と妹死体損壊事件についていえば、この2つの理由が混在しているように思われる。
 さて、この事件の被疑者は、夫を殺害後も夫の会社に給料やボーナスを振り込むよう要求したり、友人から電話で追及されても白々しいウソをついたり(しかも、「ハハハーッ」などと笑ってさえいる!)、さまざまな隠蔽工作を行っているのだが、その手口は余りにも杜撰すぎる。他方、妹死体損壊犯も「サメが死んだから臭いがするかもしれないけど、部屋を開けないで」などという稚拙極まりないウソをついている。
 はっきり言ってしまえば、頭が相当悪いように思うのである。フィクションではあるものの、「太陽がいっぱい」のリプリー(アラン・ドロン)もまた衝動的な殺人犯であるが、こんなウソはつかない(もっとも設定自体が不自然だが)。
 「犯行後の情況」は重要な情状として量刑の際に斟酌される。そうすると、死体をバラバラにしただけでなく、白々しいウソをついたり会社に給料やボーナスを振り込めと要求したりしたことは、かなり大きなポイントになるだろう。
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