Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

闇屋の哲学

2019年02月14日 08時00分33秒 | Weblog
わたしの哲学入門 木田元 著 <講談社学術文庫2232> (講談社 2014年4月刊)

 木田元先生の書いたものは、ほぼ例外なくわかりやすくて面白い。
 上に挙げた「わたしの哲学入門」などはその典型である。
 こうした木田先生の語り口は、若いころの苦労に端を発しているのではないかと思う。
 敗戦後、満州から引き揚げてきた家族4人を養うため、18歳の木田先生は、何とヤミ米運びの仕事をしていたのである。
 一俵分のヤミ米を、背中に30キロ背負い、片手に15キロずつ持って、進駐軍や警察の目をかいくぐり、満員の夜行列車で山形県鶴岡市から東京まで運んでいたという(p32)。
 ちなみに、ご自身が闇屋になってしまわなかったのは、ドストエフスキーやキルケゴール、そして哲学のおかげであると述べておられる。
 こういう人の書くものが面白くないわけがないのである。
コメント
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