わたしの哲学入門 木田元 著 <講談社学術文庫2232> (講談社 2014年4月刊)
木田元先生の書いたものは、ほぼ例外なくわかりやすくて面白い。
上に挙げた「わたしの哲学入門」などはその典型である。
こうした木田先生の語り口は、若いころの苦労に端を発しているのではないかと思う。
敗戦後、満州から引き揚げてきた家族4人を養うため、18歳の木田先生は、何とヤミ米運びの仕事をしていたのである。
一俵分のヤミ米を、背中に30キロ背負い、片手に15キロずつ持って、進駐軍や警察の目をかいくぐり、満員の夜行列車で山形県鶴岡市から東京まで運んでいたという(p32)。
ちなみに、ご自身が闇屋になってしまわなかったのは、ドストエフスキーやキルケゴール、そして哲学のおかげであると述べておられる。
こういう人の書くものが面白くないわけがないのである。
木田元先生の書いたものは、ほぼ例外なくわかりやすくて面白い。
上に挙げた「わたしの哲学入門」などはその典型である。
こうした木田先生の語り口は、若いころの苦労に端を発しているのではないかと思う。
敗戦後、満州から引き揚げてきた家族4人を養うため、18歳の木田先生は、何とヤミ米運びの仕事をしていたのである。
一俵分のヤミ米を、背中に30キロ背負い、片手に15キロずつ持って、進駐軍や警察の目をかいくぐり、満員の夜行列車で山形県鶴岡市から東京まで運んでいたという(p32)。
ちなみに、ご自身が闇屋になってしまわなかったのは、ドストエフスキーやキルケゴール、そして哲学のおかげであると述べておられる。
こういう人の書くものが面白くないわけがないのである。