Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

プレゼンテーション小説

2019年05月12日 07時40分40秒 | Weblog
 「魔の山」は長い小説で、時間のある学生くらいしか一気に読み通すことは難しいと思うが、内容的には大人が読むべきものである。
 この小説について、池澤夏樹氏は、「世界文学を読みほどく」(初版)の中で、主人公を前にした「ヨーロッパのプレゼンテーション」が行われたと指摘する(p229)。
 だが、池澤氏も指摘するとおり、(フランス語はときどき出てくるが)なぜかフランス人は登場しない。
 人文主義者であるイタリア人(セテムブリーニ)と神秘主義者であるユダヤ人(ナフタ)との間の論争を前にすると、フランス的なものは埋没してしまうと作者は考えたのだろうか?
コメント
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