「魔の山」は長い小説で、時間のある学生くらいしか一気に読み通すことは難しいと思うが、内容的には大人が読むべきものである。
この小説について、池澤夏樹氏は、「世界文学を読みほどく」(初版)の中で、主人公を前にした「ヨーロッパのプレゼンテーション」が行われたと指摘する(p229)。
だが、池澤氏も指摘するとおり、(フランス語はときどき出てくるが)なぜかフランス人は登場しない。
人文主義者であるイタリア人(セテムブリーニ)と神秘主義者であるユダヤ人(ナフタ)との間の論争を前にすると、フランス的なものは埋没してしまうと作者は考えたのだろうか?
この小説について、池澤夏樹氏は、「世界文学を読みほどく」(初版)の中で、主人公を前にした「ヨーロッパのプレゼンテーション」が行われたと指摘する(p229)。
だが、池澤氏も指摘するとおり、(フランス語はときどき出てくるが)なぜかフランス人は登場しない。
人文主義者であるイタリア人(セテムブリーニ)と神秘主義者であるユダヤ人(ナフタ)との間の論争を前にすると、フランス的なものは埋没してしまうと作者は考えたのだろうか?