「自分は本命では無かったという脈なしです。 悲しい結末ですが、両思いになった彼とお返しを貰った彼女を応援してあげましょう。 失恋も、これからもっと素敵な女性になるスパイスです。 」
愛を媒介物(チョコ)に込めて贈与したけれどもその返礼がない場合、この記事のように大人の対応が出来る人ばかりとは限らない。
愛が報われない場合、六条御息所のように、むき出し・無媒介の魂 annimusが生霊となり、光源氏の愛を受ける女性にとりついて殺すようなケースもある。
これが集団間だと、事態は深刻である。
「ビュローという首長が別の首長であるボバルとその部下たちをある祝宴に招待した。おそらくそれは、その後長い間続くこととなる宴の最初のものであった。ダンスが夜通し行われた。朝になると、夜通しのダンスや歌のために誰もが興奮気味であった。ビュローがこれについて文句を言ったところ、ボバル側の人間が彼を殺してしまう。そしてこの集団は村人を虐殺し、略奪を働き、女たちをさらった。」(p289)
こういう風に、贈与に対してきちんと返礼しないと、大量虐殺を招く場合もあるのだ。
さて、例の「壺」は、「あなたの体の中に悪霊が入っていて、その悪霊をこの壺に入れる 」などという説明で”売買”されていたようだ。
だが、この取引の実質は「贈与」であり、信者は多額の金銭を贈与したのである。
この「壺」は、聖界から魂の成果物・派生物(悪霊を封じ込める効能)を俗界にもたらす「媒介物」としての役目を担うものとされていたようだ。
ところが、実際には「壺」にそのような効能がなく、贈与に対する返礼はなされなかったのである。
そこで、贈与に対する返礼=対価(落とし前)として、聖界の成果物である「命」が狙われることとなった。
こうして、安倍元首相は、「壺」のために「命」を奪われたのである。