神奈川芸協のコンサートの解説には、いつも初耳情報が載っている。
今回、チャイコフスキーのピアノ・コンチェルト1番について、
「第1楽章冒頭の全体合奏に続いて始まるピアノの堂々とした和音は、初版ではなんと分散和音で書かれていた」
とあるのには驚いた。
ここは、太鼓のように威勢よく”打ち鳴らす”イメージしかなかったからである。
さて、多くの人が期待していたであろう(演奏機会が少ないためなかなか聴けない)コンチェルト2番が始まる前に、指揮者がタクトを落とすアクシデントが発生し、会場がややざわつく。
その後、何事もなかったかのように演奏が始まったが、しばらくして、私はちょっと耳を疑った。
というのは、ピアノか指揮台のあたりから、鼻歌のような声が聞こえてきたからである。
断定まではできないが、どうやらピアニストの藤田さんの声のようだ。
もっとも、ガルシア・ガルシアのような、殆どもう一つの楽器を成すほどの大きな声ではなく、思わず漏れてしまったという感じだった。
次回はもっと注意して確認しようと思う。