「<プロローグ>初老の詩人ホフマンは,劇場前のカフェで恋人のオペラ歌手ラ・ステラを待っている。彼女が現れ彼への手紙を言付けるが,議員リンドルフ(実は悪魔)がその手紙を取り上げてしまう。ホフマンは友人たちに求められて,過去の恋愛遍歴を話し始める。」
「2023/2024シーズンは新国立劇場バレエ団の発展に尽力してくださった歴代の芸術監督へのオマージュを込め、開場25周年を迎えたバレエ団の集大成となるようなラインアップといたしました。
・・・そして大原永子前芸術監督が新制作された『ホフマン物語』。ご自身も3人のヒロインを踊られた経験があり、今回もご指導いただく予定です。」(吉田都舞踊芸術監督からのメッセージ)
・・・そして大原永子前芸術監督が新制作された『ホフマン物語』。ご自身も3人のヒロインを踊られた経験があり、今回もご指導いただく予定です。」(吉田都舞踊芸術監督からのメッセージ)
「ホフマン物語」は、ストーリーが錯雑としているため、やはりまずオペラ(オッフェンバック病)を観ておく方がよいと思う。
「「愛」と「芸術」のトレード・オフ」というこの物語のテーマを押さえておく必要があるためだ(とはいえ、オペラは長大で、台本も分厚くて、フランス語で読むのは大変)。
オペラを鑑賞した後にバレエを観ると、何と分かりやすいストーリーであることか!
しかも、バレエ風にアレンジされているのが面白い。
「オリンピア」は「コッペリア」、「アントニア」は「ジゼル」のパロディーのように見えるのである。
ちょっともったいないのは「ジュリエッタ」のくだり。
「ホフマンの舟歌」の甘美なメロディーは、オペラがそうであるように、壮絶な殺人行為の予兆である。
なので、バレエでも血なまぐさいシーンを入れた方がなお良かったと思う。