図書館から借りた本2冊
まずは右側の和多田進氏のドキュメントの方を読んだ
証言とか調査結果などの客観事実をもとに展開されいるが
まるでミステリーを読んでいるような面白さ・緊迫感がある
この本は平沢貞通は犯人ではないという視点から話を進めている
まずは帝銀事件の前に似たような事件が3つほどあって
それらは帝銀事件のような冷徹な実行者ではなかったために
些細なミスがあり犯罪は起きなかった
(この3つの事件は捜査のポイントになったが
平沢貞通のイメージとは遠いようだ)
また帝銀事件が終わったあと、銀行からお金を引き出す人物がいたが
以上の4つの人物は平沢貞通ではなかった、、とする証言とか証拠が紹介される
(帝銀事件は単独犯ではなく複数犯と著者は推理している)
ただこの本でも不思議なのは平沢貞通という人物の性格で
言うことがコロコロ変わるために人として信じ難い面はある
事件後急に大金を所有した平沢貞通はそれだけで疑いの対象になるのだが
お金の入手先を明らかにしない
「そのうち大金が入る」
と口にしていたらしいが、それがこの犯罪のこととと想像してしまった
人たちがいたのは無理からぬ事かもしれない
だが、調べていくと平沢貞通は絵を売って入金する機会はあったようだ
(虎を描いた金屏風)
この本の著者は偶然かどうか、帝銀事件に関係しそうな人物を知ることになる
(実名は明らかにしていない)
その人物の人間関係を探っていくと、住む地域とか付き合いが
平沢貞通とあまりにも濃い関係が見つかる
そして独自に犯人たちを推理する
この本は松本清張の様にGHQがどうの、、という話は核心としてでてこない
ただ毒物は青酸カリとか青酸ナトリウムでは飲んですぐに反応するから
時間を少しおいて死に至らしめたのは青酸と有機物の化合物アセトンシアノヒドリン
としていて、その化合物は軍〈多分731部隊)が扱っていたものとしている
亡くなった方の解剖結果から様々なことがわかる
胃液のPHとか血管の色とか吐瀉物から想定される青酸化合物の正体
その解剖結果は分けて行われた東大と慶応とでは何故か違っている
(この大学の解剖結果は下山事件でも東大と名古屋大学が違っていた)
読んだばかりで印象に残った部分だけ取り上げてみたが
次に読む松本清張の小説で少し頭を整理してから
もう一度読み直すのが良いかもしれない
それにしてもあの時代は下山事件、三鷹事件、松川事件など
変な事件が連発した
そのいずれもが曖昧な形でしか終わっていないのは
何か特別な理由があるのだろうか
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