パンセ(みたいなものを目指して)

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感動的だった「豊穣の海」の装丁

2006年09月22日 21時57分13秒 | Weblog
小心者のケチな自分は本を買うまでに躊躇することがある
値段のはる本は、特にそうだ
最後まで読み通せるだろうか?
できなかったらもったいない
そんな訳で「資本論1」筑摩書房刊を
買うのにも結構時間がかかってしまった
幸い今のところは
面白いと感じていられる
(最後まで保つか全然自信ないが)

本を書店で求める時
内容のわかっている本は別として
未知の本の場合、本の装丁、デザインが
手に取る大きなキッカケとなる

この本の装丁の事で言えば
三島由紀夫の「豊穣の海」の最初に発刊された
単行本の装丁はすばらしかった
本の内容よりもずっと記憶に残っている

「春の雪」「奔馬」「暁の寺」「天人五衰」
ワーグナーのニーベルンクの指輪のような4部作だが
外箱は黒っぽい頑丈なつくりで変な動物?が描かれおり
カバーはそれぞれの物語を暗示するようなもので
(特に、「奔馬」の墨の手紙文?記録文?が薄汚れて
 いたのが気に入った)
そして何よりもビックリしたというか
今でも覚えている理由となったのが
それそれの表紙だ
春の雪はピンク
奔馬は黒
暁の寺は赤
天人五衰は青
全て光沢のある、はっきりした色合いの無地の絹(?)で
作られていた

カッコいい!
学生時代に手にした時
それまで気にならなかった装丁が
こういう事をデザインする人もいるのだと
妙に感心したのを覚えている

これらの本がブックオフに行かないでいるのは
ただただ、この装丁が気に入っているからだ

少し前、4部作は文庫本にもなったけれど
あの装丁でないので、なんだか違っているもののように
思えてならなかった

以前、三島に関心のない人物にこの本の装丁を見せたら
確かに、それだけで感動していた
だから、実は、これは自分の宝物みたいなものだ

しかし、実際デザインというのはたいしたものだし
記憶に残るものだとつくづく思ってしまう
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