日常に起こりうることを丁寧に丁寧に描き、ストーリーを積み上げた。主要キャストは5人。シンプルなストーリーながら、邦画の良心のような作品。
ある日突然、真夜中に母・陽子が「月ち~ゃん、おみやげ~」と言って帰宅する。母は若い男性・研二を連れてきていた。研二は30歳。陽子の結婚相手だという。娘の月子にはそれを受け入れることができず、困惑する。しかし、陽子が病気で余命1年だということがわかり…。なぜもっと早くに病気のことを話してくれなかったのかと、母をなじる月子だったが、母には母の望む人生があった。
角隠しを着た母が娘に、嫁ぐ挨拶をする。それは同時に娘へのさようならのメッセージであり、これから生きていくメッセージでもある。
この映画で満足感を得ることができるのは、何と言っても月子を演じる宮崎あおいと母・陽子を演じる大竹しのぶの演技に尽きる。演じているふうでもなく、頑張って大阪弁をしゃべってます、という雰囲気もない。他の出演者が関西出身で芸達者なだけに、力が入るところだが、その二人の自然な演技が生活感を漂わせる。その感覚がこの映画のすべてと言ってもいい。宮崎あおいはこれまで、小資本の映画作品にも積極的に参加している。すなわち作品内容重視で映画を選んできたとも言えるだろうが、この作品は宮崎あおいの代表作の一つになるかもしれない。
今作を観て、改めて自分の周りにあるものが、当たり前に手に入ったものだと思わずに、見つめ直してみてはどうだろうか。感謝するべきところには、きちんと感謝を。
研二役には桐谷健太。原作は咲乃月音の「さくら色 オカンの嫁入り」。監督・脚本は『酒井家のしあわせ』に次いで今作が2作目となる呉美保。
ある日突然、真夜中に母・陽子が「月ち~ゃん、おみやげ~」と言って帰宅する。母は若い男性・研二を連れてきていた。研二は30歳。陽子の結婚相手だという。娘の月子にはそれを受け入れることができず、困惑する。しかし、陽子が病気で余命1年だということがわかり…。なぜもっと早くに病気のことを話してくれなかったのかと、母をなじる月子だったが、母には母の望む人生があった。
角隠しを着た母が娘に、嫁ぐ挨拶をする。それは同時に娘へのさようならのメッセージであり、これから生きていくメッセージでもある。
この映画で満足感を得ることができるのは、何と言っても月子を演じる宮崎あおいと母・陽子を演じる大竹しのぶの演技に尽きる。演じているふうでもなく、頑張って大阪弁をしゃべってます、という雰囲気もない。他の出演者が関西出身で芸達者なだけに、力が入るところだが、その二人の自然な演技が生活感を漂わせる。その感覚がこの映画のすべてと言ってもいい。宮崎あおいはこれまで、小資本の映画作品にも積極的に参加している。すなわち作品内容重視で映画を選んできたとも言えるだろうが、この作品は宮崎あおいの代表作の一つになるかもしれない。
今作を観て、改めて自分の周りにあるものが、当たり前に手に入ったものだと思わずに、見つめ直してみてはどうだろうか。感謝するべきところには、きちんと感謝を。
研二役には桐谷健太。原作は咲乃月音の「さくら色 オカンの嫁入り」。監督・脚本は『酒井家のしあわせ』に次いで今作が2作目となる呉美保。