夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

「シークレット」(韓国)

2010年09月20日 18時46分15秒 | Weblog
 韓国映画には、元来得意とする分野があると思う。『シュリ』を代表作とする民族間の戦争のもの、光州事件のような独立運動を土台にしたもの、『下女』などのエロチシズム。(男くさい)サスペンス・アクション。この作品は、裏社会と社会正義である警察とのサスペンスだが、伏線がいくつもあり、重層的な話。見ごたえありの作品。
 キム・ヨンスル刑事と妻は、子どもを1年前に亡くしてから、夫婦とは名ばかりの間にある。子どもを亡くした原因はキム刑事の飲酒運転にあった。
 ある殺人事件の現場。そこには、キム刑事の出かけた妻がしていたイヤリングと、服のボタン、妻がつけていた口紅のあとがついたグラスワインがあった。妻が犯人とならないよう、それらの証拠を隠滅し、違う人物を犯人に仕立てあげようとするキム刑事。
 しかし、殺されたのはヤクザの弟で、その兄ジャッカルはどんな手を使っても警察よりも先に犯人を捕まえて痛い目に合わせるという。そこから、妻をヤクザに渡すわけにはいかないキム刑事と犯人を捕らえたいジャッカルとの手に汗握る攻防が始まる。しかし、ジャッカルが追っていたのは弟を殺した犯人ではなく、弟が隠したものだった。
 冒頭から伏線がいくつもあり、展開に驚き。正義と裏切りの連続。次から次とハラハラドキドキして期待する。真実は?そして、妻との本当の関係は?
 すべてはシークレット。本当に怖~い真実は(精神的な怖さ)、エンドロール中にある。韓国社会の構図や家族関係、夫婦関係が濃密な韓国事情、社会背景を知っていると、伏線部分もより理解できるだろう。上質なサスペンスだ。
 キム刑事には『拍手する時に去れ』のチャ・スンウォン、その妻に「ホテリアー」「オンエア」のソン・ユナ。監督は『セブンデイズ』の脚本家ユン・ジェグ。撮影監督は『チェイサー』のイ・ソンジェ。犯罪関係を得意とするスタッフが集まった。
(2009年、韓国公開作品)