スタジオジブリのアニメーション映画『千と千尋の神隠し』が舞台化されている。
上白石萌音の千尋と夏木マリの湯婆婆・銭婆で鑑賞した。←観るならこの二人の時に!と思い、
キャストはこの二人で一本狙い。
上白石萌音はこれまでミュージカルも含めて舞台経験が豊富。
その経験から、この作品ではアニメーションでの細かいしぐさや立ち姿にこだわって演じて
いると思われる。声色も高めで、澄んだ声を響かせて10歳の子どもになりきっている。
やはり、この人は舞台女優なのだと思う。
湯婆婆・銭婆についてはアニメーションと同じく夏木マリが演じているのでリアルに湯婆婆
・銭婆の楽しみがあった。
鑑賞したのは二階最後列席。チケットがこれしか取れなかったとき、帝国劇場で最後列…ど
うしよう??と思い、地元での公演での鑑賞をしたいと探ったがまったくチケットは取れな
かった。だが、心配は無用。セット全体を見渡せたし、もしかしたら下の階にいた人では見
えなかったところが見えたということもあったかもしれない。
冒頭とラストはジブリのアニメーションが登場する。
そして、映画を観た人なら感じるであろう、あのシーンはどうなるのか?と浮かぶ箇所の
いくつか。
それらは、ほぼ手作業だ。思うよりもアナログ。流行りの映像技術は使っていない。
それがまた舞台制作として秀逸で、その“アナログ技術“に感心してしまう。
想像も掻き立てられる。
どこがどうとは書けないし、チケットは容易く取れないのでぜひ劇場へ!とも言えない。
映画に忠実。
それでいて、映画のようで舞台作品。映画を越えてしまっている舞台。
ストレートプレイのようでいて、ミュージカルのようにも思える。
贅沢な時間を過ごした。
ほとんどのキャストがダブルキャスト。千尋の役は、橋本環奈もつとめる。その鑑賞は
できないので、あやふやに触れることはしないでおこうと思う。
演出は「レ・ミゼラブル」「ナイツ・テイル 騎士物語」のジョン・ケアード。当方は、
昨年に再演された「ナイツ・テイル 騎士物語」以来の上白石萌音の出演舞台観劇とな
った。
(3月14日、帝国劇場にて鑑賞)