「岬の兄妹」の片山慎三が監督、主役は佐藤二朗がつとめたヒューマンミステリー作品。
大阪の下町で暮らす原田智(佐藤二朗)と中学生の娘・楓(伊東蒼)。
スーパーで万引きをしてしまった父を引き取りに向かう楓。母が亡くなってから元気なく
過ごす父は「指名手配中の連続殺人犯を見たんや。捕まえたら300万もらえるで」という
のが口癖のようになってきていて、楓は冗談と聞き流してきた。
そんなある日、智が突然姿を消す。楓は警察に行くが相手にしてもらえず自分で探すことに。
やがて、日雇い現場に作業員の中に父の名前を見つけ、楓は会いに行くが、その人物は全く
見覚えのない若い男性だった。
そこから、父親の智目線で年月を遡っていく。衝撃的な展開が待つ。
サイコキラーが登場するので、酷い状況だったろうと想像できるシーンが出てくる。
しかし、大阪市の西成区という独特の雰囲気を持つ地域が物語の中心。貧富の差が大きくなっ
てきた日本において、いつこういうことが起こっても不思議ではないという思いが残る。
また、介護面・医療面の問題や、SNSでの人とのつながりをニュースで見るにつけ、“ありうる”
話として捉えてしまう。
楓を演じた伊東蒼は『湯を沸かすほどの熱い愛』『空白』での出演が光る若手注目株。
出演は他に、清水尋也、森田望智などで個性的な役者が揃った。
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