![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/6e/2af74815cbb8f67615b9dbae0f9c047c.jpg)
ドラマ「不適切にもほどがある!」で、昭和の女子高生を演じて注目され、
話題をさらった河合優実の主演作。この作品では売春、窃盗、覚せい剤中
毒、未就学と最下層の生活で育って成長した子どもを演じているが、この
若手女優、末恐ろしい存在である。
「SRサイタノラッパー」「AI崩壊」の入江悠が監督。2020年6月に新聞
掲載された「ある1人の少女の壮絶な人生を綴った記事」に着想を得て描
く、実話を基にした物語。
暴力や育児放棄の末、シャブ中で売春の常習犯となっている少女・香川
杏(河合優実)。ホステスの母親と足の不自由な祖母との3人暮らし。小4
から不登校で義務教育を受けていないため、学歴がない。
初めて体を売ったのは12歳で、母親の紹介だった。そんな救いのない生活
が繰り返されて、明るいことなど何もない生活環境の中にいる。社会から
見落とされた立場ので荒んだ生活を送る。
だがある日、人情味があり、破天荒な刑事・多々羅(佐藤二朗)に補導
されたことがきっかけで、更生の道を少しづつ歩きだす。そこに、多々羅
の知り合いのジャーナリスト桐野(稲垣吾郎)が加わり、新しい仕事や住
居、学校通学の道が開かれる。しかし突然、多々羅の身辺に厳しいことが
起こり、さらにコロナ禍となり、出勤と通学がストップ。杏にできた“居場
所”がなくなってしまう。一度は光がさし、開きかけた杏の道が再び閉じら
れようとしていた。
最下層の生活環境。ザルの穴から落ちてしまう行政サービス→でもこれ、
何も受けられるサービスないの?と思うはず。小学校も出ていないので、
まともな仕事につくのは困難が生じる。この映画は古い時代の話ではない。
昔からある最近の、今の話だ。一石を投じられている気がする。
河合優実は、シャブ中時代の暗くて張りのない表情としぐさ。仕事をし
ているとき、勉強しているときの喜びの表情と、メリハリのある役柄に挑
んだ。一過性のブームではない、じっくりとこれからも多くの役柄を掴ん
でいく役者になると思う。
出演は他に、河井青葉、広岡由里子、早見あかりなど。物語としては、
いくつかの出来事が混ぜられているとは思う。だが、どれもがなかった話
ではないということを頭に入れておきたい。巡り合う大人たちによって、
子どもたちの運命が左右されてしまうということも忘れないように。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます