原作は重松清の「ファミレス」で上下巻ある。読み応えがあり、登場人物やその背景が複雑にある中で、どの部分をフューチャーするのか。であったが、やっぱり夫婦とあの生徒とのかかわりを中心にもってきたな、と思う。
熟年離婚の危機に瀕した主人公・宮本陽平を演じるのは阿部寛、妻・美代子には天海祐希。
ある夜、書斎の本に挟んであった妻の署名・捺印入りの離婚届けを見つけ、動転してしまう陽平であったが、料理教室の仲間や教師の仕事の中で、家族のありかたを見つめ直す。
阿部寛と天海祐希が夫婦役なんて出来過ぎで、実感わかんと思っていたが、正直、映画の始まりはそれを否定する言葉は当方にはなかった。
が、さすが。包容力?といっていいのか、二人のふところの深さを徐々に感じ、違和感がなくなる方向となる。
原作とは大幅に違い、映画は別の作品のようではあるが、映画は映画で悪くない。
テレビドラマ「家政婦のミタ」や「偽装の夫婦」などの人気脚本家・遊川和彦の初監督作品。