夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

『唐山大地震‐想い続けた32年-』(試写会)

2011年03月03日 10時04分14秒 | Weblog
 中国はいったいどこまで経済成長を続けるのだろう。そんなことはこの映画には関係はないが、中国のやる気を感じてしまう。中国には、これまでにも名作や大作があったが、この映画は、ただ大規模で、お金をかけているわけではないところが、恐ろしい。とてもよくまとまっている秀作であり、感動作である。しかし、なぜだかそれがちょっと悔しい。
 1976年7月28日。中国・唐山市で直下型の大地震が起こる。それは、多くの人の人生を変えた。倒壊していく建物の中で夫を亡くした母。残された子どもたちは、生き埋めになっている。両方の命は助けられない。どちらかを選ばなければならない。早く決めるよう急かされ、“息子を…”と告げる母。ガレキの下で、まだ息のある娘は母のその声を聞いていた。そして、娘の遺体は父の隣に並べられる。母は、すべての責めを受け入れ、息子と生きることを決意する。
 一方、次々と遺体が葬られていく中、被災地に大雨が降る。それをきっかけに奇跡的に息を吹き返した娘は、軍により助けられる。娘のことを想い続けながら日々を過ごす母。そして、娘も養父母の元で成長していた。
 32年の時を経た2008年。四川で大地震が起こる。それを機に、親子の運命は、大きく動き始めて…。
 大地震で、娘は母の言葉を聞いて傷つく。娘は大人になり、自分が母となっても忘れられない言葉として、自分を苦しめていた。だが、母も自分以上に傷ついていることを知ることになる。そこはもう、体が震えるくらい心が突き動かされる。
 何と言っても、エピソードの一つ一つのつなぎ方が秀逸。娘役を演じるチャン・チンチューが美しく、それにも見入ってしまうのだけれども。
 監督は、『女帝「エンペラー」』『戦場のレクイエム』のフォン・シャオガン。今作では、大地震そのものを表現するよりも、その後の人間ドラマに重きを置いている。
 締めとして、このフレーズはできれば使いたくなかったが、しかしあえて使おう…号泣必至、である。

(3月2日、エル・シアターにて試写会。3月26日、公開)

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1 コメント

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公開延期 (夢千代)
2011-03-15 10:01:57
 この作品は公開延期となりました。もともと日本では大地震を経験している人が多く、鑑賞するのは精神的負担と感じるのではないか・・・と思っていました。
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