英語の歌を聴くことで、英語の勉強になるか?
答えは「歌詞を理解しようとしなければ、英語の勉強にはならない」ということになると思う。
わたし上杉隼人は大学時代にアルクの「ヒアリング・マラソン」をもちろんやったが(現在にいたるまで3度も!)、毎月一定時間の英語を聴かなければならないとされていたので、英語の音楽をやたら聴いてやたらその時間を増やしたが、リスニング力の大幅な向上には結びつかなかった。
ただおかげで大学時代にソウル・ミュージックの歌詞を聴き取る仕事をもらえたので(これが最初の英語に関する仕事だった)、よかったのかもしれない。
いずれにしろ、今はインターネットでその曲名と「lyrics」と入れれば、歌詞が確認できるので、ぜひ好きな曲があったら、聴き流すだけでなく、歌詞も確認してほしい。
「うわあ、こんな内容をうたっていたのか!」と驚くこともきっとあるだろう。
そして辞書がはっきり教えてくれない表現も結構出てくるので、小説の理解、翻訳などにきっと役立てることもできるはずだ。
昨日紹介したDua Lipaの新曲Break My Heartはこんなことをうたっている。
https://www.youtube.com/watch?v=Nj2U6rhnucI
I’ve always been the one to say the first goodbye
Had to love and lose a hundred million times
Had to get it wrong to know just what I like
Now I’m falling
最初にさよならを告げるのはいつもわたしだった
数え切れない恋をして失ってきた
何が好き知るために間違いをおかさなければならなかった
いまわたしは恋している
Had to love and lose a hundred million times
Had to get it wrong to know just what I like
の前にはI が省略されている。
そしてHad to get it wrong to know just what I likeの解釈がややむずかしいが、itはto know just what I likeを指しているわけではなく、get it wrongで「計算を間違える; 誤解する」(リーダーズ)、あるいはgo wrong(間違える)の意味で使われていると思う。
Now I’m fallingの自動詞fallは「《俗》ほれる, ほれている」(リーダーズ)の意味だ。
そしてこんな歌詞も出てくる。
Centre of attention
You know you can get whatever you want from me
Whenever you want it, baby
It's you in my reflection
I'm afraid of all the things you could do to me
If I would've known it, baby
気持ちは釘づけ
あなたはわたしからほしいものを何でも手に入れられる
ほしいときにいつでも
こわいけど、あなたはわたしになんでもできちゃう
それがわかってたらよかったんだけど
If I would've known it, babyはif節が帰結節を省略して感嘆文として独立している。
ここでは願望を表して「 …したならなあ」と言っている。
このように歌詞を理解するのは意外にむずかしい。
そして英語のpop songはheartbreakがテーマになっていることが圧倒的に多く、どんなカッコいい男性や美しい女性がうたってもそれは変わらない。「なんであなたみたいなすてきな人がそんな悲しい歌をうたうのです?」と思うかもしれないが、自分がいかにモテるかを自慢するような歌は決して受け入れられないということだ。
では、Dua Lipaの新曲Break My Heartの歌詞を確認してみてください。
https://www.youtube.com/watch?v=Nj2U6rhnucI